前週「ウェルズファーゴ選手権」で、マックス・ホマはPGAツアー4勝目を挙げた。今季2勝目であり、フェデックスカップランキングと「プレジデンツカップ」ランキングの両方で6位に押し上げることとなった。1シーズンで複数回優勝したのは、彼にとって初めてのことであり、「ツアー選手権」初出場、さらにはプロとして初めて米国代表でプレーする機会へ大きく前進する勝利となった。

「何よりも『プレジデンツカップ』出場のことを気にかけている」とホマは優勝後に述べた。今年の「プレジデンツカップ」は、ウェルズファーゴ選手権の開催コースであり、2019年にホマがツアー初優勝を遂げた地でもあるシャーロットのクエイルホロークラブが舞台となる。

2020年の秋に迎えたコーチのマーク・ブラックバーンと取り組んできたスイング改造は、ホマのキャリアを新たなレベルへと押し上げる上で助けとなってきたが、それはバッグの中身の変更も同様である。2022年を迎えるにあたり、すでに勝者の仲間入りを果たしていたものの、ホマは4つの重要なアップグレードを自らのギアに施した。

頻繁にギアを変える方ではないが、クラブとなると、タイトリストのツアーレップ、J.J.ヴァンウェゼンベック、そしてボーケイのツアーレップ、アーロン・ディルに全幅の信頼を置いている。ヴァンウェゼンベックはホマのウッド類とアイアンの調整を手助けしており、ディルはウェッジに関するアシストを行なっている。

以下は、タイトリスト、そして「ウェルズファーゴ」での勝利の後にホマ自身から得た情報をもとに、抜粋した各ギアの変更内容である。

1. ロフト角を標準に

昨年、ホマはタイトリストTSi3(9度)とアルディラ ローグブラック130MSI 60Xシャフトの組み合わせを使用しており、シュアフィットホーゼルはD4ポジションにセットされていた。D4ポジションは標準のライ角に、ロフト角を0.25度加える設定となる。

しかし、1月にドライバーを差し替えた。ヴァンウェゼンベックは藤倉コンポジット VENTUS BLACK 6Xシャフトを装着したTSi3(10度)を組み上げ、ホーゼルセッティングをロフト角とライ角が共に標準となるA1にセットした上でホマに手渡した。

タイトリストによると、この変更により、ホマはより高い打ち出し角、より低いスピン量、そしてボール初速のアップを実現し、スピン量増加によりボールが吹け上がるのを恐れることなくハードにヒットできるようになったとのこと。

2. 慎重な姿勢を変えた2つの理由

「ウェルズファーゴ」での勝利から2日経った火曜日に、ホマはこれまでボールの変更には慎重だったにも関わらず、なぜタイトリスト プロV1の新モデルへ変更したかについて説明した。当初、2019年モデルのプロV1からボールを変更するつもりはなかった。しかし、彼は2021年モデルのプロV1を使って「ウェルズファーゴ」で優勝を遂げた。

「僕はゴルフボールを変えるのが嫌いなんだ」とホマは言う。「(タイトリストは)僕に21年版プロV1のプロトタイプを何箱も送ってきたのだけど、僕はそれを触りさえしなかった。僕は19年モデルで良いプレーをしていたから。僕は“なんで変える必要があるの?”っていう感じだった」

しかし、1月にオーシャンサイドを訪問した際、ホマは主に2つの理由から新モデルへの変更に納得した。PGAツアーの練習レンジでは、彼が長らく使い続けてきた19年モデルではなく、21年モデルのプロV1を使用しているというのが一点。そして、新モデルは遠くへ飛ばすショットではこれまでとほぼ同じパフォーマンスと打感を実現しつつ、ショートゲームではスピン量が増えているという点だった。

「僕は今、最高のゴルフをしていて、このゲームで最も重要な部分は変えたくないんだ」と言うホマ。この変更に乗り気ではなかったが、時間をかけて新しい2021年モデルのプロV1を試打すると、実際のところ、バッグの全ての番手を通してパフォーマンスがほとんど同じでありながら、グリーン周りでより多くのスピン量が得られることを目の当たりにしたのである。

「新しいゴルフボールが来ると、大抵の場合、“ティショットは最高だね”となって、アイアンで試してみると、それまでの飛距離とスピン量とは違っていて、グリーン周りへ行くと、“僕の古いやつよりスピン量がない、あるいは、僕の古いやつよりスピン量が増えている”みたいな感じになるんだ。新モデルは、1Wからアイアンにかけてはこれまでとほぼ同じで、グリーン周りだけ慣れるのに少しだけ時間が必要だった。さっきも言ったように、これはほんの少しだけ、スピン量が多いんだ」

3. 良きキャビティ

プロとしてのキャリアを通じて、ホマは主にトップラインとソールを薄く、寛容性が高いとは言えないマッスルバックのブレードアイアンを使用してきた。昨年の「フォーティネット選手権」では、バッグの中のアイアンに関してはタイトリスト620MB(4〜9番)を使っていた。

しかし、1月にヴァンウェゼンベックは彼にタイトリストの新しいT100Sの4番を勧めた。これはキャビティバック構造で若干ストロングロフトになっており、彼のブレードモデルに比べ、寛容性と弾道が高いモデルとなっている。

「僕はこれまで常に真っ直ぐなブレードを使ってきたのだけど、確か僕がタイトリストを訪問したあたりで、ジャスティン・トーマスがT100Sの4番に乗り換えたところだったんだ」とホマ。「それで打ってみて、僕は『うわ、マジか。これ、めちゃくちゃ易しいな』みたいな感じになったんだ。明らかに弾道はより高く、スピン量も断然多いのだけど、飛びすぎるということはなかったんだ。番手間の距離はおかしくならなかったんだよ。だから、僕はすぐ乗り換えたんだ。考えるまでもないことだったね」

その2週間後、「ジェネシス招待」の前にホマのキャディ、ジョー・グレイナーはホマにより寛容性の高い5番も試してみるべきだと進言。ヴァンウェゼンベックは、ホマにT100Sモデルよりも若干ロフトのあるT100の5番に変更することを勧めていた。ヴァンウェゼンベックは新しい5番でボール初速が出過ぎて、ホマの番手間の距離がおかしくならないよう心掛けたのである。

結果的に、ホマはスイングをいじることなく、新しい4番と5番アイアンでより高い打ち出し角が得られるようになったという。

「この2本のクラブさえあれば、いとも簡単に打てると感じられるんだ。弾道は高くするよりも、低くする方が簡単なんだ。高く打とうとすると、結局は(スイングの)メカニクスを悪い方へ変えてしまうんだ。だから、通常のショットを打って、月へと向かうような弾道が得られるのは、どでかい恩恵なんだ」

「(タイトリストは)全てのアイアンのトップラインについて膨大な作業を費やし、上から見たとき、一番大型のモデルでさえ、ブレードみたいに見えるようにしたんだ。もちろん、底は少し大きいけれど、どちらにせよ、上から見ればブレードみたいだからね。それどころか、4番と5番は、ターフの抜けが良くなっているくらいなんだ。JJに、『時として、こっちの方が僕のブレードよりも地面の抜けが良いんだ』と言ったよ」

4. クールなウェッジ

今季開幕戦「フォーティネット選手権」ではSM8ウェッジを使って制覇したが、今年の「セントリー トーナメントオブチャンピオンズ」ではSM9ウェッジに変更した。

ホマによると新しいウェッジは、「強い風に向かって弾道を操り易く」、さらには「その僅かな操作性の向上が、弾道のブレをなくしている」とのこと。前回は4本のSM9ウェッジ(46-10F、50-12F、56-14F、60-04L.)を使って勝利を収めた。

タイトリストによると、ホマが使っている3本のウェッジのFグラインドは、万能型のグラインドで、特にフルショットとスクエアフェースで打つショットに適しているとのこと。ホマの60度ウェッジのLグラインドは、最もバウンス角の低いオプションであり、グリーン周りで最大の多用途性を発揮する。Lグラインドは地面が硬いコンディション向けで、さらには“精度の高い選手”向けに設計されたと言っている。

ほとんど全てのSM9ウェッジは、ソールにロフト角が刻印されているが、ホマのウェッジは特別にクラブの名称(SW、LWと言った具合に)が刻印されている。これについて、ホマは全てディルのおかげだと明かした。

「自分のウェッジに関して、僕がしたことは何もないんだ」とホマ。「ボブ(ボーケイ)はさておき、アーロン・ディルはボーケイのマスターなんだ。彼は最もクールな男だね。僕はこれまで、彼に何か刻印して欲しいと頼んだことは一度もないけれど、彼はいつも何かしらクリエイティブなことをするんだ。いつのことだったか覚えていないけれど、去年のある時、彼はとあるアイディアを持ちかけてきたんだ。彼は、『角度ではなく、LWやSWみたいに記すべきじゃないか』って言ったので、僕は、『すげえぞ、正直、それはかなりイケてる』って言ったんだ」

「なので、それ以降、彼はいつもそうやって刻印しているのだけど、他の選手たちやなんかに話すと、誰もが『うお、それ良いね。そいつはクールだ』って言うんだ」。

「これは古風な感じがするんだ。小さい子供の頃、セットを買ってもらうと、そこにはLWとか記されていて、実際のロフト角は分からなかったけれど、ロブウェッジであることは分かるじゃない。それこそ、まさに僕のセットで一番気に入っている部分なんだ。でも、全てはアーロンのおかげさ。これはイケてるよ」

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)