◇国内男子◇アジアパシフィックダイヤモンドカップ 3日目(14日)◇大洗GC(茨城)◇7163yd(パー70)

お決まりのパフォーマンスは長い時間、続いた。前半4番(パー3)、時松隆光の8Iでのティショットはピンに向かって飛んだ。手ごたえを感じてティペグを拾いあげたその瞬間、グリーンサイドからは大歓声。ホールインワン達成に、高く手を挙げたまま芝の上を歩いた。

「プライベートでは結構やっているんですけど、試合では格別」と満面の笑みになった自身初のエース。7位からのスタートでいきなり優勝戦線に加わった。その後も勢いを持続させ、6番から2連続バーディ。2日続けて「66」をマーク、通算7アンダーとし4人が並ぶトップに立った。

終盤17番、ティショットを左サイドの木に当てて2打目に200yd以上を残し、パーオンに失敗してダブルボギーをたたいた。「良い感じに来ていたのに。慢心があった。ああいうのを減らさないといけない」と反省したが、そう“良い感じ”と思えるのも久々。「やっと自分のやりたいゴルフに近づいてきた」

直近の優勝はツアー3勝目を挙げた2018年「関西オープン」。タイトルから遠ざかっている3年のうち2年(2020、21年)は選手会長を務めた。就任早々、新型コロナウイルスの影響でツアーは混迷に陥り、ゴルフに割く時間は激減。電話会議に明け暮れた。「正解が分からなかった。試合ができず、選手にも申し訳ない。主催者さんの考え、入国の問題…。挙げればきりがない」

昨年の初めにはついに本業がスランプに。2年にまたがった昨季は賞金ランク25位で終えながら、9試合で予選落ちするなど安定感を欠いた。「打ちたいイメージ通りのボールが、10球のうち半分くらい」出るようになったのが、ここ最近のことだ。

谷原秀人にバトンを引き継いでも、今年はジュニアゴルフ委員長の役職に就いている。前週は宮城県を訪れ、スナッグゴルフを女川町の子どもたちに体験してもらったばかり。待望の4勝目が頭にちらついても、「調子に乗ったらいけませんね」と油断しない。「自分のやりたいゴルフに近づきたい」と視線をじっと足元にやった。(茨城県大洗町/桂川洋一)