優勝を決めて、駆け寄る子どもを抱きとめる写真がずっと欲しくてたまらなかった。ビリー・ホーシェルが2位に4打差をつけて優勝。ツアー通算7勝目で、ようやく夢がかなった。

妻と子どもがそろって優勝を見届けたのはこれが初めて。優勝争いに絡んだ試合は家族が応援にかけつけたが、勝てたためしがなかった。首位で最終日を迎えた今年の「アーノルド・パーマー招待」も、18番グリーンで家族が見守っていたが1打差で敗れた。「もう笑い話になっているが、妻は土曜の夜の飛行機に乗りたがらない。自分が不幸を持ってくると思っているから」

ブリタニー夫人は、ホーシェルが通算4勝目を飾った2017年の「AT&Tバイロン・ネルソン」後に、自身がアルコール依存症だったことを告白している。16年から治療を始め、完全に立ち直るまで約1年。プライベートでは妻と幼い子どもを支え、ゴルフでは中々成績が残せず試行錯誤が続き、苦しい時期を乗り越えてきた。

ミュアフィールドの18番グリーンで、駆け寄る3人の子どもとブリタニー夫人に囲まれて満面の笑みがこぼれる。「この瞬間をずっと望んでいた。この映像と写真は、一生の宝になる」と、これまでの勝利の中でも特別なものになった。

昨年3月の「WGCデルマッチプレー」以来の優勝で、2週後の海外メジャー「全米オープン」への弾みをつけた。「これまでメジャーではいい成績を残せていないが、この2年ほどで自信もついた」と、家族に囲まれてカップを掲げる表情は力強かった。(オハイオ州ダブリン/谷口愛純)