久しぶりに撮影に入った女子トーナメントは観測史上初というフレーズが並ぶ記録的な猛暑の4日間だった。帯同キャディが暑さで体調不良に見舞われて交代するという現象が何回も起き、記者会見に現れた選手はよろけながら席を立ち、自身も学生時代でさえやらなかったスポーツドリンクの一気飲みを何度も繰り返す週末となった。

そんな過酷な条件の中、一打一打を淡々とこなし勝利をつかんだのが青木瀬令奈だった。淡々とこなしているように見えてはいたが、様々な想いを抱えてようやくこの18番ホールにたどり着いたはずだ。傍には彼女のコーチでもある大西キャディが常に寄り添い、力強い歩幅と言葉で青木の背中を押し続けた。

プロゴルファーにとって優勝という結果は全てを肯定してくれる。メディアもその過程を取り上げ称賛する。だが、全ての試合で勝つことは不可能だし、シーズン中のほとんどの時間は敗者として過ごす。コーチ、キャディもまた然りである。やがて訪れるかも知れない勝利の瞬間を信じ、膨大な敗者の時間に耐え続けるのは並大抵のことではない。ましてや本人ではなくそれを応援し支え続ける立場であれば、もう信じ続けるしかない。

今年の資生堂レディスオープンでレンズ越しに見た他のどのコンビよりもお互いを信頼しているように見えたのがこの二人だった。青木は与えられた指示を信じ、大西は放たれた274打を見守った。前回の優勝から約一年間、半信半疑だったかも知れない自分たちの信じた道が間違いではなかったことを教えてくれる熱く尊い4日間となった。(フォトグラファー・今井暖)