ミネソタで開催された「3Mオープン」で今季初優勝を飾ってフェデックスカップポイントランキング17位に浮上したトニー・フィナウ。PGAツアーがシーズン最後の直線に差し掛かるなか、6年連続での「ツアー選手権」出場を見据えている。

このところイーストレイク行きを恒例としている一貫性の要因は、見事なボールストライキングにある。今年、ストロークゲインドのティ・トゥ・グリーン(ティからグリーンまでのショット:7位)、オフ・ザ・ティ(ティショット:16位)、そしてアプローチ・ザ・グリーン(グリーンを狙ったショット:12位)でトップ25圏内につけている。

しかしながら、フィナウはストロークゲインド:パッティングのランキングを142位としており、ここ数シーズンは、ゲームのこの部分を向上させるために様々なステップを踏んできた。以下は、フィナウの独特なパターとその準備に関する3つの興味深いポイントである。

1. 手書きのアライメント補助ライン

現代の用具設計の世界において、ゴルフクラブに対する微妙な調整は、CAD(コンピュータ補助設計)ファイルに数クリック加えるだけで行うことができるが、フィナウのアライメントに関する微調整はやや古典的手法によるものとなっている。

昨年、フィナウはピンのPLD(パッティング・ラボ・デザイン)との緊密な共同作業により、カスタムパターを制作した。フィナウによる直接のフィードバックを基に作られた彼のPLDアンサー2モデルは、長さが37インチで、ロフトは5度となっている。

長さからロフト、さらにはフェース溝の深さまで、全てはフィナウによりテストされ、認可されている。多くのゴルファー同様、フィナウはアドレスでのアライメントの補助として、パターヘッドの後部に単一のラインを配するのを好んでおり、黒いヘッドに白いラインが映えている。

そして、彼のパターには、さらに微細ながら一風変わった2つの処理が施されている。パターのヒール部分を注意深く見ると、ホーゼルとトップラインの間、そしてヘッドのクラウンのヒールの端の部分に白銀でマーキングが施されているのが分かる。

フィナウによると、この追加で施したマーキングは、彼のセットアップのガイダンスとなっており、毎回自分の両手と目が同じ方向にそろっていることを確かめるための助けとなっているとのこと。通常の構えから逸脱すると、アドレスでこのマーキングが然るべき状態で見えなくなるため、彼に調整を促すことになるのである。

2. ロフトの違いを聞き分ける?

PGAツアーの選手たちは、研ぎ澄まされた感覚を持っているため、クラブを見下ろすことで、わずかなロフト角の調整による違いを見分けることができる。それだけに、例えばロフトを増やせば、一般的にゴルフボールの打ち出し角が高くなり、スピン量が増えるなど、彼らがロフトの変更によるパフォーマンスの違いを見分けることができるのは、言うまでもないことである。

ピンの上級設計エンジニア、トニー・セラーノによると、実のところ、フィナウは彼のPLDアンサー2プロトタイプパターのロフトの違いを“聞き分ける”ことができるという。

フェニックスにあるピン本社の屋外練習グリーンにおいて、フィナウはカスタムビルトのパターでロングパットを打っていた際、小さな問題に気が付いた。彼は、これまでよりも早くボールが地面に接触する音を聞き取ったことで、ロフトがわずかながら小さいため、打ち出し角がいつもよりも低いことに気が付いたのである。

「その時のパターは、それまで彼が実戦で使用していたパターのロフトとは少し違っていたのだが、彼はその違いを自動的に感知した」とセラーノは説明した。「彼は『すぐに違いは聞き取れた』と言っていた」

「フェースからの音にそこまで違いがあるかどうかは分からないが、彼はターフとの接触の仕方により、正しく転がっているかどうかが分かった。我々はちょっとした試験を行ってビデオに撮ったのだが、彼は正しかった。ロフトが少し立っていたので、0.5度ほど寝かせて渡すと、彼は『これで然るべきポジションに戻ったよ』と言った。それを即座に察知したんだ。彼はフェースの音でボールがどのように転がるかを聞き分けることができる」

これは、意識についての新たなレベルである。最終的に、フィナウのカスタムアンサー2は、5度が理想的なロフトであるということが判明した。

3. ユニークなパッティングドリル

PGAツアーの選手たちが練習グリーンへ足を運ぶ際、彼らが何も意に介することなく何球かのパットを打ち、グリーンの速さを感じ取ってコースに向かうということは起こらない。彼らは目的を持って練習しており、適切な技術とフィーリングを自分たちのパッティングストロークに染み込ませようとしている。

フィナウは、特に人目を引く2つのドリルをこなしている。

GolfWRXはこれまで何度となく、フィナウがパターを90度回転させ、トウの端っこでパットを打つ姿を目撃してきた。

これに加え、最近「全英オープン」では、フィナウがイクシアスポーツのトゥルー・ペンドゥラム・モーション(TPM)パッティングエイドを使用しているところが目撃された。この補助器具はどのパターのシャフトにも取り付けることができ、腕の下にある器具のパッティングスティックを挟み込むことで、手首の動きを減らし、スイングする動きを作り出す仕組みになっている。

TPCツインシティーズでの「3Mオープン」を制したフィナウ。彼のパター、セットアップ、そしてストロークに細心の注意を払い、微妙な違いを見つけられるかどうか探してみるのも一興である。

(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)