PGAツアーの2021−22年シーズンを通じ、米GolfWRX.comは最新ギアのリリース、選手の契約、ワッツ・イン・ザ・バッグ(WITB)の更新やカスタムデザインといった情報を公開してきた。ジョン・デーリーのワイルドなギアセットアップなど5選を紹介した前編に続いて今回は、タイガー・ウッズのギア変遷など5選を紹介する。

ウッズが2022年に見せたギアの大胆変更

2022年、ウッズは「マスターズ」、「全米プロゴルフ選手権」、そして「全英オープン」に出場した。その3大会全てでギア界にヘッドラインを飾ってきた。

「マスターズ」では2021年「PNC選手権」で使用したクラブセットアップと基本的には同じギアでプレーしたが、靴の変更で世界をアッと驚かせた。長年にわたってナイキのゴルフシューズを着用してきたウッズは足に負ったけがとその後の再建手術の影響でフットジョイを着用したのである。驚きの変更について、記者会見で次のように述べた。

「今、僕の可動域はとても制限されている。僕の足にはまだロッドやプレート、そしてネジが入っているので、より安定感のある、これまでとは違う何かが必要なんだ。僕の行き着いた先があれだった。ナイキは長年にわたり、用具提供で素晴らしい仕事をしてくれた。今も引き続き、また安定した状態でスイングができるよう、一緒に仕事をしている。これからも、その作業は続けていくし、近々、解決策が見つかればと思っている」

「全米プロゴルフ選手権」では、ウッズは新しいアイアンとウェッジをバッグに入れて会場に姿を現した。彼は2本の新しいアイアン「テーラーメイドP770」(2番、3番)を使用し、木曜のラウンドをスタートした。いずれのクラブも、シャフトはトゥルーテンパーのダイナミックゴールドMIDツアーイッシューX100シャフトを装着。2022年に発表された新しいシャフトで、彼がテーラーメイドP-7TWアイアン(4番〜PW)に装着していたトゥルーテンパーダイナミックゴールド ツアーイッシューX100シャフトと比べると、若干スピン量が多く、打ち出し角が大きい設計になっている。

しかし、第2、第3ラウンドではP770アイアンは1本しか使用せず、代わりに通常使用しているM3の5番ウッドをバッグに戻した。また、メッキなしのMG3(56度、60度)を実戦投入した。

セントアンドリュースで開催された2022年「全英オープン」において、ウッズはバッグのセットアップに4つの変更を加えた。

1) ロフト角9度のステルスプラス1Wのシャフトを藤倉コンポジット ベンタスブラック6Xに変更。

2)P770の3番アイアンのシャフトをトゥルーテンパー ダイナミックゴールド ツアーイッシューX100に変更。

3)ウェッジは引き続きMG3の60度を使いつつ、56度はMG2に戻した。

4)スコッティキャメロン ニューポート2 GSSパターのバックキャビティに鉛テープを貼った。

セントアンドリュース舞台の2022年「全英オープン」でのウッズの使用ギア一覧は次の通りである。

ドライバー: テーラーメイド ステルスプラス1W(9度)

シャフト: 藤倉コンポジット ベンタスブラック6X

3番ウッド: テーラーメイド SIM チタニウム(15度)

シャフト: 三菱ケミカル ディアマナ D+リミテッド 70TX

5番ウッド: テーラーメイド M3(19度)

シャフト: 三菱ケミカル ディアマナ D+リミテッド 80TX

アイアン: テーラーメイドP770(3番)、テーラーメイド P-7TW(4番〜PW)

シャフト: トゥルーテンパー ダイナミックゴールド ツアーイッシューX100

ウェッジ: テーラーメイド MG2(56度)、テーラーメイドMG3メッキなし(60度)

シャフト: トゥルーテンパー ダイナミックゴールド ツアーイッシューS400

パター: スコッティキャメロン ニューポート2 GSSプロトタイプ

ボール: ブリヂストン ツアーB XS

グリップ: ゴルフプライド ツアーベルベット コード

J.R.スミスの人目を引くベティナルディ紫パター

バスケットボール界のスーパースターであるJ.R.スミスは、NBAを引退した後、ノースカロライナA&Tへ入学し、大学のゴルフ部に入った。8月「BMW選手権」のプロアマでプレーしたのだが、その際、フェースに星が刻印され、ワイルドなホーゼル構造と鮮やかな紫色が目を引くカスタムのベティナルディ イノバイ6.0パターで人々の口をあんぐりさせた。

「僕は、自分のゴルフの上達を進んで助けてくれる人々に囲まれた幸運な状況に身を置いているんだ」とスミス。「仲間の一人が(ベティナルディへ)連れて行ってくれて、彼は紫の(パター)を持っていた。そこで、僕は彼を出し抜くぞ、みたいな感じになって。ちょっと似せた物にしようとしたんだ。それで、2人とも紫にしたんだ」

GolfWRXがベティナルディのトム・ソピックに話を聞いたところ、スミスが自身の38インチパターを手にするため、イリノイ州ティンリーパークにある同社のフィッティングスタジオを訪れたことが分かった。

「彼はゴルフに取りつかれていて、生活における情熱の大部分を占めるまでになったんだ」とソピック。「彼は新しいパターを手に入れた直後、クインティック(パッティング分析システム)で7球連続してパットを打ったところ、完璧な数字が出たんだ。ソール部分の象徴的なスティンガービーは、ベティナルディブランドにとって必要不可欠であり、ザ・ハイブの主要シンボルでもあるんだ」

「彼のパターは一点物であり、1.5度のフェースには星が刻印されていて、J.R.スミスというスーパースターに相応しい出来になっているね」

ジャスティン・トーマスが(またも)一点物パターを実戦投入

トーマスは、“ナックルネック”仕様になったカスタムのスコッティキャメロンT5プロトタイプパターを使って5月の「全米プロゴルフ選手権」を制覇したが、8月「BMW選手権」では一新させたパターで出場していた。新しいパターには、彼個人の“JT”ロゴが刻印されており、装飾上の違いに加え、より自然に両手を下げることができるよう半インチ短いという違いがあった。

「僕のパッティングには、(左肩を上げる癖で)オープンになる傾向があるんだ」とトーマス。「これまでかなりたくさんパトリック・カントレーと一緒にゴルフをプレーしてきた。見ても分かる通り、彼の腕はとても長く、彼のパターはとても短い。僕は、彼の腕とクラブがいかに自然に調和しているか、そして自分はそうなっていないことに気がついたんだ。そして、それが僕の悪い癖に何か関係しているのではないかと思ったんだよ」

公には知られていなかったが、この新しい“JT”パターは、2月から試行錯誤が始まっていた。

謎に包まれたアダム・スコットのカスタムアイアンを紐解く

「メモリアルトーナメント」の火曜日、アダム・スコットは謎に包まれた新しいブレードアイアンセットを持ってミュアフィールドビレッジGCへ現れた。用具契約フリーのスコットに対し、三浦技研が彼の好みに完全マッチする一点物のブレードアイアンを送ってきたことが判明した。

月曜にミュアフィールドに届けられると、木曜に実戦投入。大会前、GolfWRXに対し、スコットはこのアイアンの気に入った点について、次のように語った。

「本当に違いはソールの設計だけなんだ」とスコット。「(三浦のギアは)少しだけバウンスが小さいんだ。ソールが少しフラットでワイドなんだ。僕はオフセットとともに育ったのだけど、これはほぼ過去の物となりつつある。大きなヘッドのアイアンでさえ、オフセットは小さくなってきているからね。でも、僕はそれが好きで、今では入手しづらくなっている。それまで使っていたタイトリストは680フォージドにそっくりな681.ASという素晴らしいセットを作ってくれたけど、これはそれらよりもバウンスを減らそうという着想の元で作られたセットなんだ」

「メモリアル」以降、このアイアンをバッグに入れているスコットは、「BMW選手権」に出場すると、続く「ツアー選手権」にも駒を進めた。

スコッティ・シェフラーがテーラーメイドと用具契約を締結

PGAツアーで2勝を挙げるというスタートダッシュを決めた(2022年「WMフェニックスオープン」、「アーノルド・パーマー招待」)シェフラー。当時は用具契約フリーだったが、「ザ・プレーヤーズ選手権」の週にテーラーメイドと用具契約を締結し、その後は「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」と「マスターズ」を制覇してこの判断の正当性を証明した。

「マスターズ」での優勝後、GolfWRXのポッドキャストで、テーラーメイドと契約した決断について、次のように説明している。

「何よりもまず(契約の理由は)ドライバーだった」とシェフラー。「しばらく前から(テーラーメイドP-7TW)アイアンを使っていたのだけど、(テーラーメイド ステルスプラス)ドライバーを冬場に試打したところ、かなり飛距離が伸びたんだ。ファミリー、そしてチームの一員になることは、僕にとってとてもクールなことだったので、彼らとうまくいくようにしたいと思い、契約にこぎ着けることができたんだ。僕はこのチームの一員になれて満足している」

また、「マスターズ」前にフェアウェイウッドの変更をしている。長年にわたりナイキVRプロリミテッドフェアウェイウッド(13度)を使っていたが、契約後は新しいテーラーメイド ステルスHLの16.5度に乗り換えたのである。

「僕が苦心していたことの一つが、3番ウッドで飛び過ぎてしまい、狙った球筋が出ていなかったことなんだ」と、シェフラーはGolfWRXに語った。「彼らは(藤倉ベンタス)シャフトに何かをしたんだ。正直言って、それが何だったか、覚えてさえいないのだけど、何かティッピング(シャフトを短くする)に関することだったね。何インチか短くして、ヘッド周りのウェートを動かし、ロフトの大きなヘッドを使い、それを立てるようにしたんだ。これは、とてもシームレスな移行だった。自分の狙った球筋のショットが打てたんだ。ミスヒットをしても精度が高かったね」

(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)