◇米国男子◇RBCカナディアンオープン 2日目(28日)◇グレンアビーGC(カナダ)◇7253yd(パー72)

「パッティングが悪いとか、打ち方が悪いとか、それ以前の問題。自分の中で自信がない」。大会2日目を2バーディ、2ボギーの「72」で回って、通算1アンダー109位で6戦連続の予選落ちとなった石川遼は、他人事のようにそう言った。

この日の18ホールはショットで多くのチャンスを作ったが、5m前後のバーディパットはことごとくカップを外れた。「技術より自信の方が上回って、過信したいなというのが現状」と、石川は自身の精神状態を責めた。

象徴的だったのは初日の11番。20yd下のフェアウェイに向かって打ち下ろしていくパー4で、1Wを握って素振りを始めた石川は、突然の痛みに顔をゆがめた。「痛い…」。左の首筋から背中、腕とさすったあと、そのまま両手を膝にあててしばらくじっと痛みをやり過ごす。おそるおそる素振りを始めたが、まだ完全に痛みは引いていない。それでも、ふーっと大きく息を吐くと、数秒後にはハーフショット気味のスイングでティショットを放った。

石川は言う。「痛くて怖かったけど、自分の事情で(同組の選手に)先に打ってくれとか言えない。あのホールはみんな結構気を遣うと思うので、ここで自分が打たないで先に打ってくれって言って、リズムが崩れちゃうのもあれなので…」。

PGAツアーでは、ラウンド中の選手に違和感があったとき、トレーナーの治療を受けることが許されている。競技委員が適切だと判断すればどれだけ時間を使っても大丈夫。かつて、パドレイグ・ハリントンが治療のために後ろの組をパスさせたこともある。だが、石川はその時間すら取らなかった。

痛みは数週間前から出るようになったが、一過性のものだという。その日の残りのラウンドでも、2日目に入っても、痛みは再発しなかった。当該の11番はボギーにした。もしゆっくり治療をしていれば、結果は変わっていたかもしれないのだが――。

「いまは自分がすごく小さく感じるというか、それを受け入れているというか…」。先日、日本に帰っていくつかのコースで練習ラウンドをしていると、多くに人に声を掛けられて驚いたという。「成績も出ていないし、自分なんか忘れられて気づかれないくらいだと思っていたのに…。それくらい、自信がないんでしょうね」と寂しげに微笑んだ。

それでも、現状から逃げない覚悟はできている。自分の道を、自分で探しだそうともがいている。専属のスイングコーチもメンタルコーチもつけていないが、「それに近い人はいる」という。

「いまはそういう時期かなって。もっと早く成績を出す方法はあるかもしれないけど、自分で見つけて、自分の方法でやりたい。一番自分らしくやって、結果や数字が伴ってきたときに初めて信じられるんじゃないかと思う。本当に自然体でいたいです」。石川は“自然体”という言葉を、祈るように繰り返した。(カナダ・オークビル/今岡涼太)