◇国内女子◇北海道meijiカップ 2日目(5日)◇札幌国際CC島松コース(北海道)◇6476yd(パー72)

久しぶりに見かけた顔があった。結婚、出産を経て2年ぶりにレギュラーツアーに出場した土肥功留美だ。2006年にプロテストに合格した31歳。初日「71」、2日目「76」で通算3オーバーとし、カットライン上の47位で予選通過を決めた。

これまでのプロ生活で目立った成績は残していないが、強気をモットーとする“イケイケ”のプレースタイルが武器だ。

2015年12月、元プロ野球選手の善村一仁さんと結婚。16年8月に長男・理功(りく)くんを出産した。昨年は育児に専念し、同年末のQTで95位に入った。今季は下部のステップアップツアーを主戦場としている。

下部ツアーには今季、すでに12試合に出場しており、各地を転戦する日々が続く。夫も野球の仕事に携わり、家を不在にすることが多い。育児は土肥の母がサポートしている。「試合が終わって帰宅した週末は私と息子。夫は日月を一緒に過ごしてくれている」。転戦中はテレビ電話でコミュニケーションを取るが、やはり寂しさは募る。

だが、結婚時に善村さんと決めたルールがある。「『(ゴルフを)やるなら真剣にやれ』と。だから、さみしい気持ちがあるのは事実だけど、そんなことも言っていられない」。出産後の復帰に一切迷いはなく、出産1週間前までトレーニングを続けて備えた。

「夫は、いつ戦力外を通告されても仕方ない職業だった。『自分の引き際を自分で決められる職業は(プロゴルファーの)ほかにない。幸せなことだと思うよ』って言われて」

妻となり母になって、それでもプロとして歩むと決めた土肥にゴルフを続ける理由を聞いた。「ゴルフが好きだから、ですかね…。いや、ちょっと違うな。わたしまだ1勝もしてないから」。そう言った後、「やっぱり負けるのは悔しい。勝ちたいって気持ちがわたしにはまだあるんだなと思った」と続けた。

勝利への飽くなき思い。それこそがプロアスリートのプロたるゆえんだ。それが尽きない限り、プロゴルファーとしてティグラウンドに立ち続ける。

「出産して、息子ができて、何事にも忍耐強くなったかも。いまこうして自分がここにいられる幸せも、出産したことも本当に良かった。あ、夫と結婚したことも(笑)」。幸せ全開の表情でこの後、プロポーズ秘話もこっそり明かしてくれたが…ごちそうさまでした。(北海道北広島市/糸井順子)