5年前の悪夢をついに払拭した。6打リードの単独首位から出たキム・インキョン(韓国)が2バーディ、1ボギーの「71」と伸び悩みながらも2打差で逃げ切り、通算18アンダーでメジャー初優勝を飾った。

2012年のメジャー初戦「クラフトナビスコ選手権」(現ANAインビテーショナル)最終日。優勝争いの中心にいたキムは、最終18番で入れればメジャー初タイトルに大きく前進する30cmのパーパットを迎える。ボールはカップ右からクルリと半周し、まさかの3パットボギー。キムは左手で口を押さえ、あ然とした表情を浮かべた。その後のプレーオフでは1ホール目で敗退。一転して、悲劇のヒロインとなった。

「2012年のミスにはとても失望した。しばらく自分を責め続けたけど、健全ではなかったと思う。誰でもゴルフが嫌になることはあるけれど、私はゴルフが大好き。その後も良いプレーを続けることができたわ」。16年10月の「レインウッドLPGAクラシック」で6年ぶりのタイトルを獲得。今季は夏場までに2勝を挙げ、乗り込んだスコットランドの地で歓喜のときを迎えた。

「経験したことは糧になる。ミスパットも、人生で最悪なことではない。ほら、私を見てよ。今は1mのパットをご褒美だと感じられている。それが、きょう優勝できた理由だと思っているわ」。5年がかりで悪夢のすべてを消化し切った29歳は、朗らかに笑った。(スコットランド・セントアンドリュース/塚田達也)