2017年も、緑の芝の上でさまざまなドラマが生まれた。光と影、風を感じながら、フォトグラファーたちは二度と繰り返されることのない瞬間を切り取ってきた。GDOとともに国内外を渡り歩いたプロフェッショナルが選んだ今年の3選。…のはずだが、選びきれなかった内田眞樹カメラマンからのクリスマスプレゼント2枚を添えて。

<001 三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日 小平智 古閑美保>
小平智プロの優勝が決まった。ずっと傍で見守っていた姉さん女房の美保ちゃんが駆け寄り小平プロの両頬を思い切りさすった。小平プロにとっても奥さんの前での優勝、美保ちゃんにとっても目の前での旦那様の優勝がとても嬉しかったに違いない。大勢の報道陣に囲まれていても、2人だけの至福の空間だった。カメラの向けられていないところではキスまでしていたのだから。ただ、まだこの時点で試合は終わっていない。優勝を逃した最終組は、この後18番グリーンに現れたから。

<002 ホンマ・ツアーワールド・カップ 2日目 尾崎将司>

「お前やるじゃねーか!」「そうだろう!はっはっはっは!」。ジャンボさんの高笑いが聞こえてきそうなシーン。エージシュートを達成した瞬間だ。ずっとレギュラーツアーにこだわり続け、ボロボロになりながらも若手選手に交じってプレーを続けてきた。シニアツアーに行くとエージシュートなんかたくさん見られるよ、って言う人もいる。けれど、レギュラーツアーでのセッティングはそれとは違うだろう。いつも棄権してしまうイメージのジャンボさん。でもこの日のプレーで頑固オヤジの意地を見せてもらった。

<003 ISPSハンダマッチプレー選手権(3回戦・決勝)2日目 片山晋呉>

いつも以上に丁寧な二人の挨拶。なぜならこの日、プロにとってもキャディにとっても終わらないプレーが続いていたからだ。相手選手との1対1の戦いであるマッチプレー。一進一退を続ける戦い。18ホールでは終わらずエキストラホールに進んだ。1打でも差がつけばその瞬間に終わる。それだけに1打の重みは出口キャディもよく分かっていた。この重圧に緊迫したプレーはなんと9ホールも続いた。プレーをするプロ、キャディ。そして僕らカメラマンも本当に疲れた。ずっと終わらないはずはない。そう思いながら撮り続けた末のエンディングだった。

<004 カシオワールドオープンゴルフトーナメント 初日 石川遼>

スイング改造?不調?とにかく予選すら通れないスランプに陥っていた石川遼プロ。爽やか、笑顔…そんな魅力を封じてしまいそうな負の連鎖。取り囲むギャラリー、報道陣、すべてのゴルフファンが心配した。身近で撮影している僕もそうだった。仲良く話していた遼くん。気軽に話していた遼くん。いつの間にか遠くに感じてしまいそうで。でも、このピースサインの1枚。僕の横を通り過ぎるときに他の誰もが気がつかないくらいさりげなく。実は僕も気づいていなかった。後でこの写真を見つけた瞬間「あ、遼くんは大丈夫だ」。そう確信した1枚だった。

<005 ホンマ・ツアーワールド・カップ 最終日 宮里優作>

史上初!72ホールノーボギー完全優勝。なんだそれ。ずーっとボギーをたたかないって。僕なんかダボがあったり、トリプルがあってもボギーがないときは「ノーボギーだから良かった」って冗談を言う。でも優作プロのこれはリアルだ。アマチュア時代には強さが目立っていた。だけど、プロになってからはなかなか芽が出なかった。いつの間にか誰も手をつけられないくらいの強いプロになっていた。最終戦はそれを証明した。優勝する以外に賞金王は取れない、という過酷な状況の中、見事に最終日に逆転して賞金王の座を射止めた。今の彼の強さは幸せな家族があるからなのかな。