WOWOWオリジナルドラマ『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年のこと』で、出会い系サイトで本をお薦めする主人公の女性を演じた瀧本美織さん。「さらに人と関わることが面白くなりました」というドラマの内容のほか、出会いやお薦めしたいことなど、たっぷり語ってくれました。

◆自分史上一番のせりふ量と格闘したとのことですが、やはり大変でしたか?

文字と格闘する毎日でした。舞台と同じか、それ以上に台本をめくってもめくっても、せりふがとどまることを知らないという感じで(笑)。私の場合は、せりふを体になじませて覚えたほうが早いんですよね。なので部屋の中を歩き周りながらしゃべって覚えたりしました。

 

◆出会い系サイトで出会う個性的な人々とのやりとりが描かれていますが、会話劇を演じていかがでしたか?

人と真正面から向き合うことってこんなにもすてきなことなんだとあらためて実感しました。菜々子さんが人生に迷い、やりたいことを思うようにできていないところから物語は始まります。そこからいろんな人と向き合いながら、自分自身とも向き合っていく。そうしているうちに自分の幸せは自分で決めると思えるようになっていくのがすごく良いなと思いました。花田菜々子としてせりふをしゃべるたびに、自分も勇気づけられましたし、言葉の力をすごく感じました。言霊という言葉があるように、言葉には魂が宿るんだなって思いました。

 

◆菜々子が本を薦める人のことを、頭の中で分析するのが面白かったのですが、人との向き合い方で瀧本さんと似ているところ、違うところは?

菜々子さんと同じように、私も人に関わることが好きなので、そこは似ていると思いました。でも自分の場合は「この人はこうだ」と決めるというよりは、初めて会う方は分からない部分が多くて、分からないから会話しながら見つけていくのが面白いんだと思います。お話ししながら、「こういう人かな」ってその人のことを想像するのが好きですね。

 

◆菜々子を演じるにあたり、どんな役作りをしましたか?

原作から考えるところが多かったですね。原作に登場する本を全部買って、囲まれてみたりもしました。そうするとちょっと書店員の気持ちになれるかなと思って(笑)。

 

◆瀧本さんは読書はお好きですか?

好きです。でも菜々子さんの読書量に比べたら足元にも及びません(笑)。普段は湊かなえさんのゾクゾクするようなミステリーや、原田マハさんや小川糸さんの優しい文章の世界観が好きです。

 

◆劇中で紹介した中で印象に残った本はありましたか?

「ウケる技術」。劇中で出会った人にお薦めした本で、私も実際に読みました。ウケようとすると笑わせよう笑わせようとしがちだけど、人に喜んでもらおうという気持ちになればいいということが書いてあって、それは面白い切り口だなと思いました。いろんなシチュエーションによって、使えるパターンが書いてあるので、日常生活でも使えるかもって思いました。

 

◆紹介する中から瀧本さんが読もうと思った本の基準は?

直感ですね。「これ読んでみたい!」と思う本を選んでいきました。幅広いジャンルの本があるので、世界が広がりました。いろんな世界を知る喜びもありましたし、刺激にもなりました。最初は興味がないジャンルでも、そこから拾えるものもあれば、読んだことがきっかけで興味が沸くこともある。本を読む作業って深いなとあらためて思いました。

 

◆菜々子の離婚することが決まっている夫を竹財輝之助さん、出会い系サイトで出会い、菜々子がひかれていく遠藤を森崎ウィンさんが演じています。お二人と共演していかがでしたか?

お二人とも同じ事務所の先輩ですが、今回初めてお芝居で共演しました。竹財さんはあの甘いマスクから、時折ピリッとしたひと言をおっしゃったり、そのギャップがすごく面白い方だなと思いました。撮影中「大変じゃない?」と気遣ってくださったり、とても優しい方でした。森崎さんとはバラエティではご一緒したことがあるのですが、一緒にお芝居をするのは初めてでした。森崎さんご自身もとても明るい方で、本当に遠藤という役にハマっていらっしゃるなと。森崎さんが演じるからより魅力的な遠藤に見えるんだろうなと、私自身も人としてひかれました。お二人と共演できて、とても楽しかったです。

 

◆瀧本さんが出会う人に何かを薦めるとしたら、どんなものを薦めたいですか?

私も好きなものを人と共有するのが好きなので、薦めるとしたらアーティストのB’zさんかな(笑)。小さい時から聴いているので、私にとっては体になじんでいる音楽です。そんなB’zさんの音楽を一緒に聴きたいです。

 

◆出会い系サイトとの出会いを通して、いろんな気づきを得たり、刺激を受けたりして菜々子は変わっていきますが、瀧本さんご自身が人との出会いによって変わった経験があれば教えてください。

NHKの連続テレビ小説『てっぱん』に出演した時、父親役の遠藤憲一さんをはじめ、いろんな方が「美織はそのままでいきなよ。変わらないでいいから」と言ってくださったんです。その言葉の意味を当時より今になってかみ締めているというか…。自分らしさとは何か、自分が何をいいと思うか、何が好きか、何を幸せと感じるか、年齢を重ねるごとに、そういうことを自分主体で考えていないことに気が付くようになりました。今あらためてその言葉の深さを実感しています。

 

◆菜々子は本が大好きで、本に関わる仕事をしてきた女性ですが、瀧本さんご自身もその言葉を言っていただいた時から好きなものは変わっていませんか?

私は自分が何を好きか、今まで認識していなかったかも知れないです。認識しようとしていなかったのかもしれないですし…。自分より周りの人のことを考える時間が多かったり、周りの人と合わせることが苦じゃない性格なんです。だけど、これからはもっと自分主体で考えていきたいし、自分というものをもっと確立したい。そうすることによって、人のことがもっとよく見えてくると思いますし、自分をもっと強くしたいと思っています。

 

<プロフィール>

●たきもと・みおり…1991年10月16日生まれ。鳥取県出身。O型。主な出演作に『知ってるワイフ』『運命から始まる恋 -You are my Destiny-』『越路吹雪物語』、連続テレビ小説『てっぱん』、映画「貞子3D2」ほか。最新出演作に映画「HOKUSAI」(2021年5月公開)がある。

 

<作品紹介>

『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年のこと』

 

2021年2月26日(金)後11・30よりWOWOWオンデマンドで1〜4話、3月26日(金)後11・30より5〜10話を配信[無料トライアル実施中]

 

2021年3月26日(金)後11・30からWOWWOWプライムで放送(第1話無料放送/全10話)

 

<STAFF&CAST>

原作:花田菜々子 脚本:舘そらみ

 

監督:スミス、椿本慶次郎、戸塚寛人

 

出演:瀧本美織、竹財輝之助、森崎ウィンほか

 

<STORY>

花田菜々子(瀧本)は本をこよなく愛する本マニア。結婚生活4年目の夫とは離婚寸前で仕事もうまくいかず、人生はどん底。ある日、菜々子は出会い系サイトAU×AUに登録。さまざまな個性を持つ人々に出会い、その人に合う本を紹介するうちに、新たな人生を切り開いていく。

 

●text/佐久間裕子 hair&make/SHIGE styling/石川美久 衣装協力/furuta