2021年10月に八ヶ岳高原音楽堂にて開催された「中川晃教 MUSICAL WEEK 2021」全5日間の公演を5か月連続で衛星劇場にてテレビ初放送! 共演者に田代万里生、昆夏美、藤岡正明、加藤和樹と豪華アーティストが顔を揃えた本公演。自身にとっても「宝物のような時間でした」と話す中川さんに、コンサート当日の思い出や、終えてみての印象についてお話をうかがいました。

 

中川晃教●なかがわ・あきのり…1982年11月5日、宮城県出身。シンガーソングライター、俳優。2001年、自身が作詞・作曲をした「I Will Get Your Kiss」でデビュー。翌年、ミュージカル「モーツァルト!」でタイトルロールを演じ、文化庁芸術祭賞演劇部門新人賞、読売演劇大賞優秀男優賞、杉村春子賞などを受賞。以降、ジャンルを問わず幅広いステージで活躍中。7月より全国ツアー『Brand New Musical Concert 2022』を開催。公式HP/Twitter

【中川晃教さんの写真】

 

4人それぞれの特色が表れた、フェスのようなコンサートでした

──最初に、今回の企画を聞いた時の印象からうかがえますか?

 

中川 とても大きなやりがいを感じました。会場となった八ヶ岳高原音楽堂は以前、コンサートをさせていただいたことがあり、本当に素晴らしいホールなんです。ただ、実際に足を運んで体感していただかなければ、いかにあの環境が魅力的なのか想像してもらい難くて。ですから、それを知っていただく意味でも、素敵な企画だなと思いました。また、今回は5日間で4名のアーティストと日替わりでコンサートを行いましたが、それぞれに特色が異なり、なんとなく、コンサートというよりフェスっぽいなという印象もあったんです。僕は、かねてからミュージカルの楽曲を柱にした大きなフェスティバルを開催してみたいという目標を持っていますので、今回の企画を形にできたことは、夢の実現に向けてすごくいい経験をさせていただけたなとも感じました。

 

──中川さんが感じる八ヶ岳高原音楽堂の魅力とはどんなところでしょう?

 

中川 木の温もりが伝わってくるホールがあり、ステージの背景には大自然が広がっていて、とても贅沢な空間と時間を味わうことができるんです。スタジオやライブハウスで歌う時とはまた違った空気感を生み出せますし、今回のコンサートでも、その雰囲気を一緒にお客さんと楽しめたらという思いがありました。それに、僕たちアーティストもそうした環境の中、5日間それぞれで違った感動を作り上げることができましたので、こうして全5回の公演をすべて放送していただくことには、本当に大きな価値や意味があるなと感じています。

 

──まさしく多彩なアーティストとの競演が話題となりましたが、セットリストはどのように決めていかれたのでしょう?

 

中川 ある程度は僕やプロデューサー、スタッフの皆さんと一緒に考えていきました。出演してくださる方々と過去に共演した作品の中からセレクトしたり、このコンサートを開催していた頃に皆さんが出演中だったミュージカル作品の楽曲を選んだり。その結果、ものすごく曲数が多く、幅広いセットリストになりました。その一方で、当然僕とピアニストの園田涼さんは大変でしたけどね(苦笑)。とはいえ、すべてをやり終えた後は何者にも代えがたい達成感を味わえましたので、妥協しなくてよかったなと思います。

 

──コンサートをする前とあとで、楽曲や共演者に対する印象に変化を感じることはありましたか?

 

中川 楽曲の素晴らしさを再確認できたのはもちろんですが、改めてアーティストの皆さんそれぞれの魅力も再発見できたように思います。というのも、僕らは普段ミュージカルの舞台で歌を披露する際、当然自分が演じる役として表現していきます。でもそれは、ステージから離れて別の場所で歌う時も同じで。どうしても役に引きずられてしまうことがあるんですね。けど、今回のように誰かと一緒にデュエットをしていると、まっさらな気持ちで曲と向き合うことができる。そのことで、お互いに“こんな歌い方もできるんだ!?”という発見があったんです。また同時に、それぞれの曲たちを、ミュージカルの舞台で聞く時とは違う、新たなエンターテインメントとしての歌に昇華させられたようにも思えて。それができたのも、素晴らしい才能を持った皆さんがいたからこそですので、本当に感謝の気持ちでいっぱいですね。

──なお、今回の放送では全5回の公演を5か月にわたってお届けします。そのトップバッターを飾るのは田代万里生さん。一緒に共演してみて印象的だった楽曲を挙げていただくと……?

 

中川 アンコールで歌った『ともに描いた夢〜別れの曲〜』ですね。これはショパンの『別れの曲』に彼自身が歌詞を付けたもので。誰もが知っている旋律ですが、そこに万里生さんが紡ぐ言葉が乗ったことで、万里生さんが普段から大切にされている思いなどがより深く伝わってきました。また、もう一曲挙げるなら、本編のラストに歌った『FALL ON ME』(映画「くるみ割り人形と秘密の王国」主題歌)。万里生さんから「アッキーさんと一緒に歌いたいです」と提案してくださったもので、それがすごく嬉しかったんです。

 

──続いて、翌日に出演されたのは昆夏美さんでした。

 

中川 昆さんとは「エリザベート」の『夜のボート』をデュエットできたことが思い出深いですね。昔、舞台で共演させていただいた時の昆さんはとってもかわいらしいキャラクターを演じてらしたのですが、それから様々な作品を経験され、大人の女性へと成長されたので、僕のほうから「エリザベート」の中でも個人的に大好きなこの曲をリクエストさせていただきました。コンサートの本番では、実際に昆さんが1人の女優としていくつもの役を演じてきたからこそ、この曲歌いこなせているんだなと感じる瞬間が何度もありましたし、2人でピッチを合わせながら1つの曲を完成させていくというチャレンジを一緒にできたことも本当に幸せでした。

 

──3日目に参加された藤岡正明さんはギターの弾き語りも披露されていましたね。

 

中川 「ジーザス・クライスト・スーパースター」の『Could We Start Again, Please?』ですね。これも僕のリクエストでした。ミュージカルの内容をご存知の方にとっては男女のデュエット曲という印象が強いと思うのですが、以前、ラミン・カリムルーとマイケル・K・リーが来日した際に、男性2人で歌っているのをテレビで拝見して、「これを藤岡さんと一緒に歌いたい!」と思ったんです。そうしたら、快く引き受けてくださるどころか、彼のギター1本で歌わせていただくことになって。僕たち2人の関係性があるからこそ実現したサプライズだったように思います。ちなみに、デュエット曲ではないのですが、藤岡さんがソロで歌う『ヘロデ王の歌』(「ジーザス・クライスト・スーパースター」)をあの八ヶ岳高原音楽堂で聞けたことも、僕にとってはこれ以上ない感動的な時間でした。

 

──そして加藤和樹さんは2日間にわたって出演。セットリストも大きく変わっていて驚きました。

 

中川 和樹さんとは盟友といいますか、ある意味で戦友ですからね(笑)。彼と過去に共演した作品をフィーチャーし、1日目は「怪人と探偵」を、2日目は「フランケンシュタイン」の楽曲を中心に構成しました。個人的には2日間とも歌った『僕こそミュージック』(「モーツァルト!」)でデュエットできたことが嬉しかったです。また、「この曲は絶対に和樹さんに合うはずだ!」と思い、僕から頼み込んで歌ってもらったのが「ジーザス・クライスト・スーパースター」の『Simon Zealotes』! 和樹さんは本当に才能豊かで、歌える楽曲の選択肢も幅広いんです。だからこそ、何を歌っていただくかですごく悩んだのですが、『Simon Zealotes』を引き受けてくださったことで、ファンの皆さんもアーティスト・加藤和樹の新たな魅力を感じることができたのではないかと思います。

 

多くの希望や可能性が感じられる特別な5日間でした

──こうした豪華なメンバーとコンサートを行う上で、中川さんがオーガナイザーとして意識されたことはありますか?

 

中川 1つは、コンサートのタイトルに“with”とあるように、皆さんをゲストとしてではなく、一緒にステージを作り上げていくアーティストとしてお招きするのを心がけたことですね。今回は僕の中で“皆さんと濃厚な時間を作っていくこと”をテーマに設けていて、その結果、 “ステージではこうした気持ちを大切にされているんだな”という皆さんの歌に対する思いを多く知れる機会にもなりました。また、もうひとつ大事にしたのがリハーサルの時間です。僕自身はしっかりとリハーサルをしつつ、ちゃんと力を抜く時は抜くというバランスを持って、いつもリハに臨むのですが、当然やり方は人それぞれですし、本番に向けてのモチベーションの作り方にも個性があるんです。ですから、皆さんとコミュニケーションを取り、相手がどのようなやり方を求めているかを感じ取りながら進めて行くことを大切にしていました。

 

──リハーサルで特に印象的だったことはありますか?

 

中川 興味深かったのが、昆さんは最初、マイクを使った時の音の響き方にすごく苦戦されていたんです。でも、リハを重ねるたびにどんどんアジャストしていって。そうした過程を近くで見られたのはいい経験になりました。また、和樹さんは前日に会場に来られて、客席で藤岡さんと僕のコンサートを見学していたんですね。そうしたら、観終わった後に、「これの次に僕がやるのか!」とものすごくテンションが上がっていて(笑)。そうした、それぞれの気持ちの作り方やステージへの挑み方に違いが見られたのも面白かったです。

──では、これから放送をご覧になる方にメッセージをお願いします。

 

中川 今回のコンサートは5日間それぞれに魅力があり、すべての公演が僕にとっては宝物となりました。この企画が今後も続いていくかどうかはまだ分かりませんが、まずは1回目をこうして形にし、アーティストやスタッフの皆さん、そして会場に来てくださったお客様と確かな達成感を得ることができました。同時に、“これからも続いていくかもしれないぞ”という夢を抱くこともできましたし、そうした多くの希望や可能性をこの5日間の公演のすべてで感じていただけると思いますので、今後への期待も込めて、ぜひご覧いただければと思います。

 

──最後に、Get Navi webということで、インタビューにご登場いただいている皆さんに仕事の必需品などをお聞きしているのですが、中川さんにとってのマストアイテムを教えていただけますか?

 

中川 そんなに大したものではないのですが、ティーツリーオイルはいつもカバンの中に入っていますね。殺菌効果があり、何にでも使えるので、手に塗ったり、マスクにつけたり、花粉の時期には綿棒を使って鼻の中を少し湿らせたりしているんです。以前、池田有希子さんが稽古場で使っているのを見て、それがずっと頭の中に残っていたので僕も使い始めました。それと、メイクさんに教えてもらって愛用しているのが「雲切目薬」。一滴ですごく目が癒やされるので、いまハマっています!(笑) 小田原にある「ういろう」もそうですが、自然志向といいますか、日本に古くからあり、体にいいとされているものにはやはりしっかりとした理由がある。ですので、これからも長く使われ続けている伝統的なアイテムを全国で探していきたいなと思っています。

 

中川晃教 MUSICAL WEEK 2021

CS衛星劇場 2022年5月5日(木)後 3・30よりテレビ初放送!

以降、全5日間の公演を5か月連続で放送

(放送予定)
5月放送 中川晃教 with 田代万里生(2021年10月13日収録)
6月放送 中川晃教 with 昆 夏美(2021年10月14日収録)
7月放送 中川晃教 with 藤岡正明(2021年10月15日収録)
8月放送 中川晃教 with 加藤和樹(2021年10月16日収録)
9月放送 中川晃教 with 加藤和樹(2021年10月17日収録)

 

撮影/宮田浩史 取材・文/倉田モトキ ヘアメイク/松本ミキ スタイリスト/Kazu(TEN10)