就職やプレゼント、自分へのご褒美……腕時計の購入タイミングは人それぞれ。ましてや初めての1本となると、どのブランドを選べばいいのか悩むものですよね。そこで、“失敗しない一生モノ選び”のノウハウをご提案! 今回は、スマホやPCの近くに置いても安心の磁気帯び対策に優れたビジネスウオッチをご紹介します。

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4万A/mあれば耐磁時計として必要十分

腕時計は磁気の影響を強く受けると、精度が悪化します。しかし、現代生活では磁力を持つ電化製品が数多く世に出回っており、磁力を避けて通ることはできません。

 

なかでも、仕事で使うPCやスマホは強い磁気を発生する存在。ビジネスでの着用を想定した時計選びでは、“耐磁”を意識することが近年の常識となっています。

 

耐磁時計には主に2種類あります。ムーブメントを二重構造のケースで覆う方法と、パーツ自体に非磁性素材を使用する方法です。

 

前者は昔ながらの技術なので採用している製品が多く、後者は耐磁性能が高いうえにシースルーバックを楽しめるのというメリットがあります。こうした耐磁機能に加えて、視認性の高い3針のシンプルなデザインと頑丈なステンレススチールケースの組み合わせを選択すれば、ビジネスツールとして十分に力を発揮してくれるはずです。

 

ボールウォッチ

エンジニアⅡ マグニートーS

20170707_hayashi_WN_05↑ボールウォッチ「エンジニアⅡ マグニートーS」38万8000円/ Ref.NM3022C-N1CJ-BK/自動巻き/100m防水/直径42mm、厚さ12.9mm

 

マグニートーSは、磁気を吸収して外部へ放出する耐磁素材のミューメタル合金を、ケースと開閉可能な裏蓋に採用。ユーザー自身が耐磁性能を調節できる3針モデルです。時計をしたままでも開閉状態がわかる専用小窓がリューズ下に設置されているので、閉め忘れを防止してくれます。

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ベゼルを回転すると、ケース裏に収納されていたシャッターが出現。完全に閉め切ると最大8万A/mの耐磁機能を発揮します。ちなみに、シースルーバックの状態でも4800A/mの耐磁性能を確保。

↑ケース構造の模型。独創的な耐磁方法は、開発当時の最高技術責任者がアンティークカメラ店にあったライカを見て考案したもの。ミューメタルを腕時計に組み込むサイズに落とし込むのは至難の業だったそう↑ケース構造の模型。独創的な耐磁方法は、開発当時の最高技術責任者がアンティークカメラ店にあったライカを見て考案したもの。ミューメタルを腕時計に組み込むサイズに落とし込むのは至難の業だったそう

 

オメガ 

シーマスター アクアテラ マスター クロノメーター

20170707_hayashi_WN_08↑オメガ「シーマスター アクアテラ マスター クロノメーター」62万6400円/Ref.220.13.41.21.03.002/自動巻き/15気圧防水/直径41mm

 

適度なラグジュアリー感で人気を博すマリンウオッチの2017年新作モデル。文字盤に注目してみると、クルーザーのウッドデッキをモチーフにした従来の縦ストライプが横向きになっています。

 

さらに日付表示は6時位置にセット。これは1952年発表の日付窓を初めて採用した「シーマスター カレンダー オートマティック」のデザインにちなんだものです。

 

搭載するCal.8800は、独自の非磁性素材「ニヴァガウス」を脱進機に使用。これにより1万5000ガウス以上の磁場の中でも影響を受けず優れた精度を保証してくれます。ちなみに1ガウスは80A/mなので、換算すると120万A/mの耐磁レベルということになります。

 

ロレックス

エアキング

20170707_hayashi_WN_09↑ロレックス「エアキング」63万7200円/Ref.116900/自動巻き/100m防水/直径40mm

 

3・6・9・12時以外にあしらった分目盛りインデックスは、伝統的な航空時計スタイルを踏襲したもの。文字盤の中央には1950年当時の書体で「Air king」と記されています。ケース直径が40mmと前回よりもサイズアップし、針もペンシル針&ベンツ針に変更されたことで、よりスポーツ色が強まりました。

 

文字盤の下部にはムーブメントを保護する磁気シールドで覆った、Cal.3131を格納。これは同社の耐磁時計ミルガウスと同じ構造です。耐磁レベルは8万A/m。

 

IWC

パイロット・ウォッチ・マーク ⅩⅧ

20170707_hayashi_WN_10↑IWC「パイロット・ウォッチ・マーク ⅩⅧ」49万6800円/自動巻き/Ref.IW327001/6気圧防水/直径40mm、厚さ11mm

 

ムーブメントを軟鉄製インナーケースで保護する伝統の耐磁構造を装備した本機は、1948年に製作された飛行監視委員向けの腕時計・マークⅪがデザインのルーツとなっています。ナビゲーションのために絶対的な正確さで時刻を表示するという目的の基、無駄な装飾を一切排除。コックピットに燃料表示があるからという理由で回転ベゼルさえも装備せず、パイロットウオッチらしい視認性を重視したデザインとなりました。ケースは先代のマーク17よりも1mm小振りな40mm径となり、袖元への収まりも抜群です。耐磁性軟鉄製インナーケースが搭載され4万A/mの耐磁レベルを誇ります。

↑ステンレススチール製のケースバックには、1930年代に製造されたユンカースJu52の飛行シーンを刻印↑ステンレススチール製のケースバックには、1930年代に製造されたユンカースJu52の飛行シーンを刻印

 

ジン

EZM3.F

20170707_hayashi_WN_12↑ジン「EZM3.F」35万6400円/自動巻き/20気圧防水/ 直径41mm、厚さ13mm

 

ドイツ特殊部隊の過酷な作戦を想定して製造されている本機。内部には-66℃から228℃までの温度でなら蒸発しないジンの特殊オイル「66-228」を封入。これが極限環境でも時計が正常に作動する秘密となっています。

 

耐磁面に関しても、特殊な軟磁性素材を使用したリングと裏蓋、文字盤でムーブメントを覆うマグネチック・フィールド・プロテクションの採用により、8万A/mの耐磁レベルを実現。

↑オイルによって時計は-45℃から+80℃で精度を維持↑オイルによって時計は-45℃から+80℃で精度を維持

 

現代人にとって電化製品は必要不可欠な存在ですが、例えば携帯電話のスピーカー部分からは2万2000A/m程度の磁気が発生しているそう。

 

目に見えない分あまり実感が沸かないですが、磁気対策のない時計では外部から強い磁気を受けとると時計が狂う原因となってしまいます。

 

大切な時計がそうならないためにも、購入する際は耐磁性能をしっかりチェックしてみてください。

 

次回はディテールまでこだわったフォーマルウオッチの見極め方をご紹介します。