5月26日に発売されたソニー α9は、メモリー内蔵35㎜フルサイズ積層型CMOSセンサーを採用。電子シャッター使用時で約20コマ/秒の連写が可能というこれまでにないミラーレス一眼だ。また、センサーからのデータ読み出しが途絶えないため、連写中もブラックアウトなしで撮影できるのも魅力。画素数は有効約2420万画素と、同社のα7RIIなどに比べると少なめだが、高感度撮影に強く、常用感度で最高ISO 51200、拡張感度でISO204800に対応する。今回はこのα9の実写を行い、画質や連写性能を検証してみた。

↑最新の撮像素子と電子シャッターの採用などでフルサイズ一眼で秒間約20コマの超高速連写を実現したソニーのα9。本格スポーツ撮影を強く意識した、同社のフラッグシップ機だ↑最新の撮像素子と電子シャッターの採用などでフルサイズ一眼で秒間約20コマの超高速連写を実現したソニーのα9。本格スポーツ撮影を強く意識した、同社のフラッグシップ機だ

 

↑連写は機械式シャッター使用時は約5コマ/秒。AFには像面位相差AFとコントラストAFを組み合わせた「ファストハイブリッドAFシステム」を採用し、画面のほとんど全てのエリアでAF可能だ↑連写は機械式シャッター使用時は約5コマ/秒。AFには像面位相差AFとコントラストAFを組み合わせた「ファストハイブリッドAFシステム」を採用し、画面のほとんどすべてのエリアでAF可能だ

 

十分な解像感で自然な写り、質感描写も抜群!

α9の画質をチェックするため、同社のα7RIIと撮り比べた。α7RIIは、有効約4240万画素とα9の倍近い画素数を持つため、解像感はα7RIIが高い。しかし、階調の面ではα9が有利な様子。実際に画像をチェックしてみると、大きく拡大するとα7RIIの解像感が際立つが、A3やA2程度のサイズで見る限り、差はほとんどない。どちらも、必要十分以上の解像力を持っており、自然な写りが得られる。その画質で高速連写ができるという意味で、α9の存在価値は極めて高いといえるだろう。

↑部分拡大を見るとα7RIIの解像感が目を引くが、壁面の質感やシャドウ部の描写などはわずかながらα9が優れている印象。色再現なども含めて、いずれもニュートラルな写りだ↑部分拡大を見るとα7RIIの解像感が目を引くが、壁面の質感やシャドウ部の描写などはわずかながらα9が優れている印象。色再現なども含めて、いずれもニュートラルな写りだ

 

超高感度でも画像の荒れが少なく夜景の手持ち撮影にも向く

α9は画素数を抑えつつ、裏面照射CMOSセンサーなどを採用することで、高感度撮影に強い仕様となっている。そこで、ここでも高感度撮影時の写りをα7RIIと比較してみた。感度はα7RIIの常用最高感度であるISO25600に設定して撮影。仕上がりをチェックしてみると、両機とも多少ノイズは見られるが、十分実用になる写りが得られた。シビアに見ると、その差はわずかながら、α9のほうが画像の荒れが少なく感じられる。

 

α9とα7RIIの高感度画質を比較

↑夜のモノレールの駅舎を撮影し、α9とα7RIIの高感度画質を比較。ISO感度を25600にし、仕上がりをチェックした。ホワイトバランスはオートで、ほかの設定は初期設定値だ。画像の赤い線で囲った部分を拡大して掲載↑夜のモノレールの駅舎を撮影し、α9とα7RIIの高感度画質を比較。ISO感度を25600にし、仕上がりをチェックした。ホワイトバランスはオートで、ほかの設定は初期設定値だ。画像の赤い線で囲った部分を拡大して比較する

 

↑画像を拡大してみると、暗部に多少のノイズが発生したが解像感もそこそこ保たれ、超高感度撮影の結果としては十分。大きく拡大すると、ここでもα7RIIの解像感の高さが感じられるが、ノイズはα9が少なめ↑画像を拡大してみると、暗部に多少のノイズが発生したが解像感もそこそこ保たれ、超高感度撮影の結果としては十分。大きく拡大すると、ここでもα7RIIの解像感の高さが感じられるが、ノイズはα9が少なめ

 

↑ISO25600の高感度にすることで、十分なシャッター速度が得られたため、α9で駅を出発するモノレールの車両を撮影してみた。それほど速い車両ではないが、ぶれずに撮影できた。70ミリ相当 マニュアル露出(F8 1/125秒) ISO25600 WB:オート↑α9の高感度実写作例。ISO25600の高感度にすることで、十分なシャッター速度が得られたため、駅を出発するモノレールの車両を撮影してみた。それほど速い車両ではないが、ぶれずに撮影できた/70mm相当 マニュアル露出(F8 1/125秒) ISO25600 WB:オート

 

電子シャッターは秒間20コマで撮れ、撮影時の歪みも心配なし

電子シャッターで動く被写体を撮る場合、センサーからデータを読み込む速度よりも被写体の動きが速いと「ローリングシャッター歪み」と呼ばれる現象が起き、被写体の形が歪んでしまう場合がある。α9は、積層型CMOSを用いることで、ローリングシャッター歪みを最小限に抑えている。下の写真のように、ゆがみが全く出ないわけではないが、よほど極端に速いものを撮らない限り、実用上電子シャッターで連写しても、被写体が歪むことはない。

↑超高速で回転する扇風機のプロペラを、電子シャッターを用いた1/8000秒で撮影。α9では多少歪みは出るものの、他社製品の写真(下)のように、全く別モノのように写ることはない。超高速で動くものを撮るのでなければ、歪みの心配は無用だ↑超高速で回転する扇風機のプロペラを、電子シャッターを用いた1/8000秒で撮影。α9では多少歪みは出るものの、他社製品の写真(下)のように、全く別モノのように写ることはない。超高速で動くものを撮るのでなければ、歪みの心配は無用だ

 

↑超望遠レンズで貨物列車を撮影。約20コマ/秒の高速連写を用いることで、車両が画面の最適な位置に来た瞬間を選ぶことができた。ロックオンAFによって、ピントも正確に合った。630mm相当 絞り優先オート(F11 1/640秒)ISO6400 WB:オート↑α9の連写作例。超望遠レンズで貨物列車を撮影。約20コマ/秒の高速連写を用いることで、車両が画面の最適な位置に来た瞬間を選ぶことができた。ロックオンAFによって、ピントも正確に合った/630mm相当 絞り優先オート(F11 1/640秒)ISO6400 WB:オート

 

【結論】高速連写&高感度に対応しAFも高速でスポーツ撮影などに最適

高速連写を行う場面の被写体は多くが動きモノだと思うが、いくら連写が速くてもシャッター速度自体をある程度速くできなければ、ぶれた写真を大量生産するだけになってしまう。つまり、動きモノ撮影は高速連写が行え、かつ高感度で撮れる必要がある。その点、α9は連写と高感度の両方に優れ、まさに動きモノ撮影に最適なカメラといえる。また、AFも高速かつ正確な必要があるが、その点もα9は十分な実力を備えており、本格的なスポーツ撮影なども難なく行える。

↑α9は、本格スポーツ撮影を意識したカメラといわれるだけあって、かなり動きの激しいスポーツでも十分対応できる性能を持つ↑α9は、本格スポーツ撮影を意識したカメラといわれるだけあって、かなり動きの激しいスポーツでも十分対応できる性能を持っていると実感できた

 

新レンズも続々登場① F2.8の大口径でボケ描写に優れた広角ズーム FE 16-35mm F2.8 GM

Eマウント用としては同社初となる、F2.8通しの大口径広角ズーム。画質に優れたGマスターシリーズの1本で、11枚羽根の円形絞りが採用されており、美しいボケ描写も得られる。F2.8の大口径ズームとしては非常に小型・軽量でα7シリーズやα9とのバランスも抜群だ。

↑SONY FE 16〜35ミリ F2.8 GM ●フォーマット・マウント/フルサイズ・ソニーE●最短撮影距離/0.28m●最大撮影倍率/0.19倍●フィルター径/82㎜●大きさ・重さ/約88.5×121.6mm・約680g 参考価格:↑SONY FE 16-35mm F2.8 GM ●フォーマット・マウント/フルサイズ・ソニーE ●最短撮影距離/0.28m ●最大撮影倍率/0.19倍 ●フィルター径/82㎜ ●大きさ・重さ/約88.5×121.6mm・約680g ●参考価格:28万8900円

 

↑広角端の16ミリ絞り開放で撮影。アジサイに最短撮影距離付近まで近寄って周囲の花をぼかした。ピント位置に立体感が感じられ、ボケ描写も自然で美しい。16mm相当 絞り優先オート(F2.8 1/500秒) ISO100 WB:オート↑広角端の16mm絞り開放で撮影。アジサイに最短撮影距離付近まで近寄って周囲の花をぼかした。ピント位置に立体感が感じられ、ボケ描写も自然で美しい/16mm相当 絞り優先オート(F2.8 1/500秒) ISO100 WB:オート

 

新レンズも続々登場② 122度の極めて広い画角が魅力の広角ズーム FE 12-24mm F4G

12-24mmの超広角ズーム。絞りF4通しのGシリーズレンズだ。非球面レンズや特殊低分散ガラスレンズなどの採用で解像感が高く、諸収差も良好に補正されている。ナノARコートにより、超広角レンズで発生しやすいフレアやゴーストも抑えられている。

↑SONY FE 12〜24ミリ F4G ●フォーマット・マウント/フルサイズ・ソニーE●最短撮影距離/0.28m●最大撮影倍率/0.19倍●フィルター径/装着不可●大きさ・重さ/約87×117.4㎜・約117.4g↑SONY FE 12-24mm F4G ●フォーマット・マウント/フルサイズ・ソニーE ●最短撮影距離/0.28m ●最大撮影倍率/0.19倍 ●フィルター径/装着不可 ●大きさ・重さ/約87×117.4㎜・約117.4g ●参考価格:21万5600円

 

↑α7RIIに装着して広角端で撮影。122度という画角はともすると扱いが難しいが、収差が少なく、歪みの少ない写りが得られる点が◎↑α7RIIに装着して広角端で撮影。122度という画角はともすると扱いが難しいが、収差が少なく、歪みの少ない写りが得られる点が◎/12mm相当 絞り優先オート(F5.6 1/5秒) ISO400 WB:オート