写真と動画は同じカメラで撮影できることもあり、露出の考え方など似通った部分は多い。しかし、意味は同じでも異なる用語を用いていたり、独特の言い回しがあったりするケースがある。また、動画は撮影した後に編集するのが基本なので、編集の用語も多い。ここでは、動画を撮影するうえで知っておきたい、20の頻出用語について解説する。

 

アイリス

絞りのこと。絞りは、その形状から「アイリス(虹彩)絞り」という形式で呼ばれるが、写真では「絞り」、動画では「アイリス」と呼ばれるケースが多い。これらは基本的には同じものだ。

 

アフレコ

アフターレコーディングの略。撮影後に音や音声だけを別撮りすること。撮影後の編集作業で、別撮りした音や声、音の素材を映像に組み合わせて作品化すること。

 

安全フレーム

動画をテレビで再生するとき、一部がマスクされて見える範囲が狭くなる場合がある。そのため、確実に再生できる範囲を「安全フレーム」と呼ぶ。機材によってはその枠が表示される。

 

インサートカット

インサートカットとは、映像の間に入れる短めの挿入カットのこと。状況説明などのために挿入される1シーンもそのひとつ。

 

ウインドスクリーン

マイクに取り付ける風防のこと。風のある場所で録画、録音する際に、むき出しのマイクだと風切り音が入ってしまう場合がある。そうしたことを避けるためにマイクに装着して使用する。

 

SD

フルHDやHDに対して、従来のテレビ放送同等の品位の映像を指す。スタンダード・ディフィニションの略。デジタルカメラの画素数でいうと、640×480が概ねこれに該当する。

 

NTSC

日本や北米などで使われていたアナログ信号規格。ほかの項目で撮影した動画はフレームレートが異なるため、日本のテレビでは見ることができない。カメラの設定はNTSCにしておこう。

 

オフライン編集

プロが使う編集所(ポストプロダクション)はレンタル料が高いため、レンタル時間節約のためにディレクターが事前に行う仮編集のこと。VHSやDVDにタイムコード値を焼き付けた映像(キャラ出し映像)を使って行う。

 

オンライン編集

オフライン編集で仮編集したタイムコード値を元に、本映像を同期させて仕上げる編集のこと。あるいはその作業を指す。この段階で記録フォーマットなども整える。

 

完パケ

完全パッケージの略。撮影、録音、編集、加工などのポストプロダクションを経て作業を全て終えた完成された映像(あるいは映像作品)のことを指す。

 

ティルト

カメラを上や下に振りながら撮影すること。上に振る場合はティルトアップ、下に振る場合はティルトダウンという。カメラを横方向に振る「パン」と対になる技法だ。

 

ドーリー

カメラを乗せて移動しながら撮影する台車やカメラを乗せるマウントのこと。レールやタイヤを用いたものがあるが、多くはレールを用い、同じ場所を行ったり来たりできるものを指す。

 

長回し

撮影中のカメラを止めずに撮影し続けること。時間の長さは決まっていない。多くの場合カメラを固定した状態で長回ししする。こうして撮影した映像は編集段階で素材として用いることも多い。

 

ノンリニア編集

映像素材をPC上に取り込んで編集する方法。VTRを複数台使ってダビングしながら行う従来の「リニア編集」よりも新しい手法で、プロの現場にも浸透しつつある。

 

PAL

日本や北米などで一般的であったNTSCに対して、ヨーロッパやASEAN諸国などで用いられていた映像信号。これらの規格に互換性はない。

 

パン

カメラを水平に振って撮影すること。三脚に付けた状態で旋回させることで、周囲の広がり感を表現したり、周囲の状況を説明したりする場合に用いることが多い。

 

フィックス

パンやティルトを行わず、カメラを固定して撮影すること。例えば、カメラ2台を使って1台はフィックス、1台は手持ちで撮影し、編集で繋ぎ合わせるだけでも映像作品にできる。

 

フォロー

被写体を追いかけながらカメラを動かし、撮影すること。あるいはカメラを手に持った状態で被写体と同等の速度で追いながら撮影すること。基本的に手持ち撮影になるため、難易度が高い。

 

ポストプロダクション

略してポスプロとも。撮影後の編集、録音、加工、修正など、仕上げの工程全般を指す。また、この作業を行うスタジオや製作会社を指す場合ももある。動画はこのポスプロ次第といった面もあり、これ次第で見栄えのする映像が出来上がる。

 

レンダリング

ノンリニア編集でテロップを入れたり、画像の合成を行ったりしたときの合成作業。あるいは映像の書き出し作業。PCが行う処理が中心だが、複雑な合成などを行うと多大な待ち時間が発生する。

 

こうした専門用語を押さえておけば、撮影の上達も早いはず。まずはしっかりと基本を覚えておこう。