Beats By Dr. DreのヘッドホンのスタンダードともいえるStudioシリーズがモデルチェンジを果たし、「Beats Studio3 Wireless オーバーイヤーヘッドフォン」として新登場した。その最大のポイントは、iOS11との最適化によってそのメリットを最大限に発揮できるようになった“ノイズキャンセリング+W1チップ”の組み合わせだ。その魅力はどこにあるのだろうか。

20171011-i03 (4)↑Beats Studio3 Wireless オーバーイヤーヘッドフォン

 

iPhone 7からイヤホンジャックが廃止されたのに伴い、世の流れはヘッドホンのワイヤレス化へと大きくシフトし始めた。iPhone 7と同時に発表された「AirPods」が発売されると、ヘッドホンのワイヤレス化への関心は一気に高まったのだ。今回紹介する「Beats Studio3 Wireless オーバーイヤーヘッドフォン」は、Beatsのワイヤレス対応ヘッドホンの最新モデルとして登場したのである。

 

スタイルは耳全体を覆うオーバーイヤー型となっており、心地良いソフトパッドが装着時の圧迫感を軽減。カラーはマットブラック、ホワイト、ブルー、レッド、ポーセリンローズ※、シャドーグレー※の6色を用意し、幅広い年代にマッチするデザインとなっている。本体は付属の専用ケースにコンパクトに折りたたんで収納でき、その結果、高い携帯性も生み出している。(※スペシャルエディション)

20171011-i03 (1)↑カラーは6色を用意

 

20171011-i03 (8)↑持ち運びに便利な専用ケースも付属する

 

W1チップ搭載により劇的に進化

さて、ここからはBeats Studio3 Wireless オーバーイヤーヘッドフォンで新搭載された“ノイキャン+W1チップ”について触れていきたい。W1チップとは様々な制御を効率よく引き出すためにアップルが独自に開発したもので、各種センサーとの連携によって接続する機器のコントロールまでも行うことができる。Beats Studio3 Wireless オーバーイヤーヘッドフォンでは特にワイヤレスで使う上でメリットをもたらした。

 

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たとえば、最初に行うBluetooth接続設定は、iPhoneなどiOS機器の近くでBeats Studio3 Wirelessの電源を入れるだけで完了する。そこに煩わしい機器選択などは一切ない。さらに、Bluetoothを“Class1”対応としたことで、到達距離はなんと最大100mを実現! それは従来なら同一部屋内だけのワイヤレス接続が、家じゅうに広がったというイメージだ。また、iCloudに登録済みのデバイス間、iPhoneやMacBook間などで接続をシームレスに切り替えられる点も見逃せない。

20171011-i03 (10)↑iPhoneなどの近くで電源を入れると接続画面がポップアップする

 

W1チップ採用によるメリットはそれだけにとどまらない。バッテリ持続時間の延長にも大きな貢献を果たしている。Beats Studio3 Wireless オーバーイヤーヘッドフォンに搭載したバッテリーは、ワイヤレス再生とノイズキャンセリングを有効にした状態で最大22時間の連続利用が可能。これは前モデルの約2倍の長さに相当し、ノイキャンをOFFにすれば最大40時間まで延びるという。さらに、わずか10分間の充電で3時間の再生ができるのも使い勝手改善の上で大きなポイントとなるだろう。

 

新世代のノイズキャンセリングは効果絶大

そして、本機の要ともいえる重要な技術が音質改善とノイズキャンセリングに関してだ。音を聴いてみるとその音質はスッキリとした聴きやすい印象を受ける。Beatsヘッドホンが世に登場した当初の元気な音作りは影を潜めているが、その一方で全体に強調感のない自然さが感じられ、むしろより多くの人に受け入れられそうな感じとなっている。長時間使っても聴き疲れがなさそうな音作りといえるだろう。

 

飛躍的に高められたと実感したのがノイキャンの能力だ。Beats Studio3 Wireless オーバーイヤーヘッドフォンには、Beatsが新開発した独自のノイズキャンセリング技術「ピュアアダプティブノイズキャンセリング(Pure ANC)」が採用されており、飛行機内や電車、市街地でのノイズなど環境に応じて最適な効果を発揮する。

 

ここで注目したいのが左右それぞれのイヤーカップ内側にも組み込まれたマイクの存在だ。一般的にノイキャン機能を持つヘッドホンは、外側にのみマイクを備えることが多い。しかし、これだけでは耳に到達しているノイズまでは監視できない。さらにいえば、顔の骨格や耳の形状、さらには髪の毛やメガネ装着といった個人差に起因する音漏れへの対応も必要だ。Beats Studio3 Wireless オーバーイヤーヘッドフォンでは、そのために内外の両側にマイクの組み込みを必要としたのだ。

20171011-i03 (5)↑ハウジングの内側にもマイクを備える

 

その効果は絶大だった。テストではデモ用に飛行機内や市街地でのノイズをスピーカーから再生させ、補正を固定で行う従来品と比較してみたが、補正が固定では周囲のノイズに追従できていないのが明確にわかる。補正効果も“ないよりはマシ”程度にとどまる。その点、Beats Studio3 Wireless オーバーイヤーヘッドフォンではノイズが変化するたびに補正量を調整し、その後でノイズをしっかり抑えるよう動作する。新旧での違いは極めて大きかったといえるだろう。

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驚いたのが正面から人工的に発生させた風を受けて、思いっきり風切り音が発生していた時のことだ。ノイキャンがOFFの状態ではアウターケースに風が当たって、「ボコボコ」としきりに音を立ててとても耳障りだったが、ノイキャンをONにすると数秒かけてゆっくりと補正が加えられていく。気付くと風切り音はほとんど気付かないほどまでに抑えられていた。

20171011-i03 (3)↑風切り音にも対応(右がBeats Studio3 Wireless オーバーイヤーヘッドフォン、左が従来モデル)

 

では、急激に音を変えないのはどうしてなのか。そこには明確な理由があった。環境はすぐに変化するものではないからで、むしろ、急激にノイキャンの補正量が変化させると位相がめまぐるしく変化することになり、それが聴く耳に違和感を感じさせることにつながりかねない。この動作はそうした実際の運用にも気遣いをした結果生み出されたものだったのだ。もちろん、ノイキャンのON/OFFによって音質の変化があってはならない。Beats Studio3 Wireless オーバーイヤーヘッドフォンには音楽を楽しむための配慮が隅々まで行き届いているのだ。

 

心地良いまでに柔らかなクッションで耳を覆い、騒音のない世界でじっくりと音楽に浸ってみる。そんな贅沢をBeats Studio3 Wireless オーバーイヤーヘッドフォンで味わってみてはいかがだろうか。