フィルム時代のカメラを復活させたかのようなデザインのPENシリーズやOM-Dシリーズで、スタイリッシュなカメラというイメージが強いオリンパス。だが、実はライブバルブ、ライブコンポジット、深度合成、ハイレゾショットなど豊富な独自機能も魅力となっている。また、発売後のファームウェアアップデートも頻繁で、機能追加が期待できる点もポイントだ。そうしたオリンパスのマイクロフォーサーズ一眼の代表機種を上級、中級、初級にわけて紹介。それらの特徴について解説する。

↑多くの機種が強力なボディ内5軸手ブレ補正を搭載し、使用レンズを選ばず失敗なく撮影できる。クラスを問わず、コンパクトで質の高いボディが採用されている点も魅力だ↑多くの機種が強力なボディ内5軸手ブレ補正を搭載し、使用レンズを選ばず失敗なく撮影できる。クラスを問わず、コンパクトで質の高いボディが採用されている点も魅力だ

 

【上級機】豊富な機能と耐久性を備えたフラッグシップ

カメラグランプリ2017を受賞した同社のフラッグシップモデル「OM-D E-M1 MarkII」。AF、AEともに追従した状態での秒18コマ連写に対応し、オールクロス仕様の像面位相差センサーを備える。そのほか、最大5.5段の補正が可能な5軸手ブレ補正機能を搭載する。

↑OM-D E-M1 MarkII。カメラグランプリ2017を受賞した同社のフラッグシップモデルだ。AF、AEともに追従した状態での秒18コマ連写に対応し、オールクロス仕様の像面位相差センサーを備えるほか最大5.5段の補正が可能な5軸手ブレ補正機能を搭載。●撮像素子:4/3型、有効約2037万画素LiveMOS センサー ● 背面モニター:3 型約104 万ドット、バリアングル式タッチパネル ●シャッター速度:1/8000 〜 60秒、バルブ ●サイズ:134.1×90.9×68.9㎜●質量:約574g ●参考価格/23万5440円↑●撮像素子:4/3型、有効約2037万画素Live MOS センサー ● 背面モニター:3 型約104 万ドット、バリアングル式タッチパネル ●シャッター速度:1/8000 〜 60秒、バルブ ●サイズ:134.1×90.9×68.9㎜ ●質量:約574g ●参考価格/22万1620円

 

↑防塵、防滴、耐低温設計にも関わらずボディは498gと軽量。サイズも小型だが、グリップは大きめで、手の大きさを問わず持ちやすい↑防塵、防滴、耐低温設計にも関わらず、ボディは本体のみで498gと軽量。サイズも小型だが、グリップは大きめで、手の大きさを問わず持ちやすい

 

↑メイン、サブ2つのダイヤルを備え、操作性に優れる。背面のレバーで2つのダイヤルの機能を切り替えられ、4つの設定を即座に変更できる↑メイン、サブ2つのダイヤルを備え、操作性に優れる。背面のレバーで2つのダイヤルの機能を切り替えられ、4つの設定を即座に変更できる

 

こちらもおすすめ! 小型ボディで充実の機能が魅力のPEN-F

↑オリンパスには、OM-Dシリーズのほか、PENシリーズもラインナップされている。そのフラッグシップはPEN-Fだ。OM-Dよりも小型ボディながらEVFを内蔵、充実した機能を備える。●参考価格/12万6900円(ボディ)↑オリンパスには、OM-Dシリーズのほか、PENシリーズもラインナップされている。そのフラッグシップはPEN-Fだ。OM-Dよりも小型ボディながらEVFを内蔵、充実した機能を備える。●参考価格/12万3430円(ボディ)

 

【中級機】ファームアップで機能は最新機種並み

同社の中級機に当たるのが、OM-D E-M5 MarkII。2015年2月の発売だが、フォーカスブラケットの追加などのファームウェアアップデートを重ね、最新機種にも迫る性能を維持。防塵防滴、耐低温ボディにもなっており、過酷な撮影シーンにもしっかりと応えてくれる。ダイヤル配置など、操作系が上位機種とほぼ同じなのもうれしい。

↑OM-D E-M5 MarkII。フォーカスブラケットの追加など、ファームウェアアップデートを重ね、最新機種にも迫る性能を維持。防塵防滴、耐低温ボディにもなっており、過酷な撮影シーンにもしっかりと応えてくれる。ダイヤル配置など、操作系が上位機種とほぼ同じなのもうれしい。●撮像素子:4/3型、有効約1605万画素LiveMOSセンサー●背面モニター:3型約104万ドット、バリアングル式タッチパネル●シャッター速度:1/8000 〜 60秒、バルブ●サイズ:123.7×85×44.5㎜●質量:約469g ●参考価格/9万8280円↑●撮像素子:4/3型、有効約1605万画素LiveMOSセンサー ●背面モニター:3型約104万ドット、バリアングル式タッチパネ ●シャッター速度:1/8000 〜 60秒、バルブ ●サイズ:123.7×85×44.5㎜ ●質量:約469g ●参考価格(ボディ)/8万3740円

 

↑小型・軽量ボディだが、直線の多い安定したデザインで大型ストロボ用のシンクロ接点も備える本格派。バリアングル式の背面モニターも便利↑小型・軽量ボディだが、直線の多い安定したデザインで大型ストロボ用のシンクロ接点も備える本格派。バリアングル式の背面モニターも便利

 

↑別売のパワーバッテリーホルダーはカメラグリップ部とバッテリーホルダー部が分離できる。カメラグリップ部にはヘッドフォン端子を搭載し、動画撮影にも重宝する↑別売のパワーバッテリーホルダーは、カメラグリップ部とバッテリーホルダー部が分離できる。カメラグリップ部にはヘッドフォン端子を搭載し、動画撮影にも重宝する

 

【初級機】ボディ内手ブレ補正や連写などが魅力

今秋にはエントリークラスの最新モデル「OM-D E-M10 Mark III」が登場。410gと小型・軽量ながら、強力な5軸手ブレ補正や秒8.6コマの連写、4K動画撮影などに対応する。「SCN(シーン)」や「AP(アドバンストフォト)」などの4つのカメラアシスト撮影モードにより、カメラ初心者でも簡単にクリエイティブな写真が撮影できる。

↑399gの小型・軽量機ながら、動画撮影にも有効な5軸手ブレ補正や秒8.5コマの連写、タイムラプス動画撮影機能などに対応。高級感のある金属外装を備え、2ダイヤル式の操作系で上位機種にも劣らない素早い操作が可能。EVFも見やすく、使い勝手に優れる。●撮像素子:4/3型、有効約1605万画素LiveMOSセンサー ●背面モニター:3型約104万ドット、チルト式タッチパネル ●シャッター速度:1/4000 〜 60秒、バルブ ●サイズ:119.5×83.1×46.7㎜ ●質量:約399g ●参考価格/6万5880円↑●撮像素子:4/3型、有効約1605万画素Live MOSセンサー ●背面モニター:3型約104万ドット、チルト式タッチパネル ●シャッター速度:1/4000 〜 60秒、バルブ ●サイズ:121.5×83.6×49.5mm ●質量:約410g ●参考価格(ボディ)/8万7480円

 

【オリンパス一眼6つの特徴】ボディ内手ブレ補正や画像合成機能が魅力

最新のオリンパスのOM-DシリーズやPENシリーズは、強力なボディ内5軸手ブレ補正を備え、静止画、動画ともにブレなく撮れる。特にOM-D E-M1 MarkIIでは、対応レンズとの組み合わせで最大6.5段分の補正効果が得られる。このほか、深度合成機能など、ボディ内での画像合成機能も魅力だ。

 

特徴1/手ブレ補正

同社の現行一眼の全モデルが5軸のブレに対応した強力な手ブレ補正を搭載している。特にE-M1 MarkIIとM.ZUIKO DIGITAL ED12〜100mm F4.0 IS PROとの組み合わせでは、ボディとレンズの手ブレ補正が協調することで最大6.5段分もの補正が可能だ。

↑E-M1マークⅡ+対応レンズでは、レンズ内手ブレ補正とカメラ内の補正機構がシンクロ。最大6.5段の補正効果で、この写真のような1秒を超える夜景の手持ち撮影も可能だ。50ミリ相当 マニュアル露出(F5.6 1.3秒) ISO200 WB:オート↑E-M1 MarkII+対応レンズでは、レンズ内手ブレ補正とカメラ内の補正機構がシンクロ。最大6.5段の補正効果で、この写真のような1秒を超える夜景の手持ち撮影も可能だ。50mm相当 マニュアル露出(F5.6 1.3秒) ISO200 WB:オート

 

特徴2/防塵・防滴

E-M1 MarkIIやE-M5 MarkIIは、ボディのつなぎ目はもちろん、ダイヤルや、シャッターボタンなどの可動部までシーリングが施されている。レンズやバッテリー交換時に水が入らないように注意すれば、ほこりの多い環境や、雨や水しぶきのかかる状況でも安心して使える。

↑赤い線で示されているのがシーリングされた部分。ボディの気密性が高く、対応レンズを使えば、多少の水なら気にせず撮影可能だ↑赤い線で示されているのがシーリングされた部分。ボディの気密性が高く、対応レンズを使えば、多少の水なら気にせず撮影可能だ

 

↑PROシリーズレンズはボディと同じようにシーリングが施されている。E-M1マークⅡなどと組み合わせれば、雨対策は万全だ↑PROシリーズレンズはボディと同じようにシーリングが施されている。E-M1 MarkIIなどと組み合わせれば、雨対策は万全だ

 

特徴3/アートフィルター

カメラ内で画像を加工し、演出を加えるデジタルフィルターを同社では「アートフィルター」と呼ぶ。ポップアート、ファンタジックフォーカスなど種類が多く、設定ごとに効果の強弱が変えられる。バリエーションも豊富で気軽に個性的な写真が楽しめる。

↑部分的にコントラストを強くして明暗差を強調する「ドラマチックトーン」を使用。動物のオブジェを不思議な雰囲気に仕上げた。42mm相当 プログラムオート (F8 1/160秒) −0.7補正 ISO200 WB:オート↑部分的にコントラストを強くして明暗差を強調する「ドラマチックトーン」を使用。動物のオブジェを不思議な雰囲気に仕上げた。42mm相当 プログラムオート (F8 1/160秒) −0.7補正 ISO200 WB:オート

 

特徴4/深度合成モード

ピントをずらして撮影した複数の写真をもとに、広範囲にピントが合った写真を生成する画像合成の一種。マクロ撮影など、被写界深度の浅い被写体で重宝する。これをカメラ内で自動で行えるのが深度合成モード。深度の深い写真を簡単に撮影できる。

↑小さな被写体は、絞り込んでもすべてにピントを合わせることは難しい。深度合成モードなら、画面全体にピントの合った写真にできる↑小さな被写体は、絞り込んでもすべてにピントを合わせることは難しい。深度合成モードなら、画面全体にピントの合った写真にできる

 

特徴5/高速AF

E-M1 MarkIIは、121点オールクロス像面位相差AFセンサーを搭載し、被写体にピントを合わせ続けた18コマ/秒連写が可能。これは、数値的にいえば一眼レフのフラッグシップ機を凌駕している。また、そのほかの機種もコントラストAFの改良により、かなり高速なAFを実現している。

↑列車を約18コマ/秒の高速連写で捉えた。従来のミラーレス機のAFでは厳しい条件だが、EM-1マークⅡなら問題なく撮影できる。80ミリ相当 シャッター速度優先オート(F2.8 1/2000秒) ISO800 WB:オート↑列車を約18コマ/秒の高速連写で捉えた。従来のミラーレス機のAFでは厳しい条件だが、E-M1 MarkIIなら問題なく撮影できる。80mm相当 シャッター速度優先オート(F2.8 1/2000秒) ISO800 WB:オート

 

特徴6/ハイレゾショット

0.5画素単位でセンサーを動かしながら8回撮影し、それらの画像をもとに5000万画素相当の画像を生成するのが「ハイレゾショット」だ。被写体の動きに弱いという弱点もあるが、E-M1 MarkIIでは、最新画像処理エンジン「TruePicⅧ」により被写体の動きによる画像の乱れを最小限に抑え、自然な写りを実現している。

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↑ハイレゾショットは、センサー位置をごくわずかに動かして高画素の画像を生成するため、撮影には三脚が必要だ。被写体の動きには強くなってはいるが、動いた部分の解像が低下することもあるので、動かない被写体が向いている。ハイレゾショット使用(左)と通常撮影(右)を比較すると、約5000万画素となる左の写真のほうが、細かい部分まで描写されているのがわかる↑ハイレゾショットは、センサー位置をごくわずかに動かして高画素の画像を生成するため、撮影には三脚が必要だ。被写体の動きには強くなってはいるが、動いた部分の解像が低下することもあるので、動かない被写体が向いている。ハイレゾショット使用(左)と通常撮影(右)を比較すると、約5000万画素となる左の写真のほうが、細かい部分まで描写されているのがわかる

 

 

写真/吉森信哉 解説/青柳敏史