福岡・博多を代表する名産、明太子。ご飯のお供やおにぎりの具、パスタや明太マヨなどでもおなじみですが、高級品を味わう機会はそこまで多くないのではないでしょうか。実は、人気が定着している一方で贈答用の消費量は減少しており、そんな背景から興味深い企画が開催されています。

 

それが「博多めんたいプロジェクト」。本場の老舗3社が趣向を凝らした、それぞれのプレミアム明太子を食べ比べできるというものです。現在、クラウドファンディング「Makuake」で展開されており、商品は3月末までに届くという内容ですが、ひと足早く体験。味や違いをレポートしていきます。

 

↑届いたのはこの3つ。パッケージからして高級感は抜群

 

200以上の作り手を代表する3つの匠が集結

聞けば、福岡の明太子の作り手は200社以上もあるのだとか。そして今回の3社は、それぞれが独自の特色やルーツをもつ超実力派。各社がどのような特徴をもっているのか、まずは今回の商品とともに紹介していきます。

 

企画の発起人。たらこありきの“辛子明太子屋”「島本食品」

冒頭で述べた、贈答用明太子の消費量減に危惧しつつ、それ以上に「作り手によって個性が異なる明太子の魅力を知ってほしい!」という思いから、「博多めんたいプロジェクト」を立ち上げたのが「島本食品」。

↑「博多古地図」という、渋い色合いの洒落たパッケージが特徴的。明太子は箱の中の袋に密封されています

 

↑明太子の色味は3つのなかで最も淡く、素材のよさを生かしていることがわかります

 

同社のこだわりは、まず素材ありき。工場長は「明太子の味の約90%は素材に左右されると思う」と言っており、原材料のたらこの持ち味を生かすのが真骨頂です。そのため、調味料に使う酒は日本酒よりも主張が少ない焼酎を使用。今回はそういったこだわりをさらに突き詰め、幻ともいえる北海道・噴火湾産のなかで最も薄皮のたらこをロックオン。さらに、1年間でも2日程度しかない産卵直前のチャンスを狙って収獲したそうです。

 

料亭ならではの贅沢素材とひと手間で魅せる「稚加榮」

福岡では「ここでの食事はとてもワクワクする特別なこと」と言われる、憧れの老舗料亭が「稚加榮」(ちかえ)です。料理のおいしさはもちろん、生け簀をぐるりと囲むカウンターも有名で、土産や贈答品としては明太子が一番人気。関東圏でも人気を博し、贈呈明太子の代表格として知られています。

 

↑料亭の貫禄を感じさせる包装。明太子は半透明のケースと銀色のシートで手厚く守られています

 

↑色だけ見ると最も濃厚。サイズも大きめで、どっしりとした印象です

 

今回の明太子に使用しているのは、工場長自らが極寒の北海道に出向いて吟味した上質なたらこ。さらに、地元福岡の醸造元でこの明太子のために仕込んだ日本酒を、時間をかけて煮切り、鹿児島・枕崎のかつお節と、最も辛くて香り豊かといわれる「本鷹の爪」の一味唐辛子とともに漬け込み、料亭ならではひと手間で贅沢な味に仕上げています。

 

調味料の名門が手掛ける、ダシを極めた「椒房庵」

ラストは「椒房庵」(しょぼうあん)。こちらは「久原醤油」や「茅乃舎だし」で知られる調味料の名門、久原本家グループが手掛ける明太子ブランドです。それだけに、味作りに関しては天下一品。長年の商品開発による知見が、明太子作りにも生かされています。

 

↑明太子色の鮮やかなパッケージが印象的。明太子はクリアのケース入りで、銀色のシートでフタがされています

 

↑色味は「島本食品」と「稚加榮」の中間。箸でつまんだところ、ピンとしてハリがある感じがしました

 

そんな「椒房庵」がプロジェクト用に選んだのは、社運をかけて新開発した「あごだしめんたいこ」。北海道産のたらこに九州でおなじみの焼きあご(トビウオのこと)ダシを合わせ、従来の明太子よりも塩分を抑えつつも力強く奥深いうまみをプラスした、同社ならではの逸品です。

 

明太子に対する味覚センサーが広がった!

いよいよ実食へ。やはり定番はご飯のお供、ということで、ほかほかご飯とともに食べてみることに。ちなみに前記同様「島本食品」から紹介しますが、試食時には順番を変えたり交互に比べたりしながら、味の特徴を深掘りしました。

 

↑北海道・噴火湾の超希少なたらこを使った「島本食品」の明太子

 

「島本食品」のファーストタッチは、シルキーな口どけが印象的。辛さはおだやかで、やさしいうまみがじゅわぁ〜っと広がります。皮も粒も繊細で、全体的に極めて上品。凝縮したコクのなかにマイルドな甘さや塩味があり、円熟のおいしさを感じました。

 

↑老舗料亭の美学が詰まった、貫禄豊かな「稚加榮」の明太子

 

「稚加榮」は皮が厚めでブリっとした食感。粒も大きめで、全体的に食べ応えがあります。トップからラストまで豊かなボディがあり、見た目だけではなく味も濃厚。辛さも3つのなかでは強めで、余韻でピリピリが追いかけてくる大人な味わいです。

 

↑“生のたらこ以上においしくなければ明太子にする意味がない”とまで言い切る、味付けにもこだわった「椒房庵」の明太子

 

「椒房庵」で最初に感じるのは、ブライトでシャープな塩味。そのあとから、丸みを帯びたうまみの波が口いっぱいに広がっていきます。これがたらことダシと調味料のハーモニーが生み出す明太子のファンタジー。粒は大きめで、口どけはしっとりジューシー。高級明太子のお手本といえる、正統派のおいしさだと感じました。

 

↑高級明太子を食べ比べるのは初めてでしたが、今回の試食によって魚卵に対する味覚センサーが広がった気がします。限界値はまだ先にあったと。明太子を見る景色が変わったのは言うまでもありません!

 

Makuakeでは「博多の人気明太子が競演!三つ巴による頂上決戦」としてweb投票も行っていますが、個人的な感想としては、甲乙つけがたいというのが正直なところ。ただ、食べ方についてのオススメは何となく見えたので、紹介したいと思います。

 

「島本食品」はシルキーで馴染みやすいテクスチャーなので、白米には特にオススメ。味も強すぎないので朝食がいいと思います。「稚加榮」は味の濃さと粒の凝縮感があるので、おにぎりがオススメ。「椒房庵」は万能なのですが、ふくよかなうまみが特徴なので、パスタなどの麺類をはじめアレンジに使うと、その料理自体がレベルアップすると思います。

 

↑今回の商品を使うのは贅沢ですが、「椒房庵」の明太子でスパゲッティを作ってみました

 

Makuakeのプロジェクトは2020年3月16日までで、5400円〜。明太子ファンやおいしいもの好きは必ず、そうでない人も、ぜひ己の味覚の限界値を超える体験をしてほしいと思います。

 

 

Makuakeプロジェクトページ:https://www.makuake.com/project/ultimentaiko/

 

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