アウトドアやキャンプめしなどに人気が集まっている昨今。どこか社会に閉塞感がただようなか、開放的なふれあいが求められている証拠だといえるでしょう。今回紹介するのは、そんな体験を応援する人気ブランド、スノーピークが提供している独創的な宿泊体験ツアー「LOCAL FOOD TOURISM」。

↑会場は雄大な北アルプスを望む白馬の施設。今回は大人1名3万3000円(テント持ち込みで6000円キャッシュバック)という内容でした

 

こちらは全国の伝統文化や食、モノづくりに触れ、追体験することでその魅力や産業を未来へ継承していく「LOCAL TOURISM」の、食を軸とした体験型イベントです。筆者が参加したのは、2020年の夏に開業した新施設Snow Peak LAND STATION HAKUBAで行われた2回目の催し。見どころを抜粋してレポートしていきます。

 

キャンプ初心者でも経験者でも楽しめる仕掛けが満載

Snow Peak LAND STATION HAKUBAは、白馬駅から徒歩10分程度。建物は隈研吾さんが設計した個性あふれる施設となっていて、スノーピークの直営店とレストランのほかにスターバックスコーヒーも併設。アウトドアファンはもちろん、地元住民の憩いの場ともなっています。

↑電動アシスト自転車のほか、スノーピーク製品とともにランチセットや観光情報を提供する「Snow Peak GO」も人気(2021年3月31日まで冬季休業)。毎週土曜には「週末マルシェ」が開催されています

 

今回のツアーは施設目の前の広場が会場で、開会式とトークセッションからスタート。ウェルカムドリンクとスイーツ(この日は焼きいも)が心に染みます。

↑一番右に写っているのは「LOCAL FOOD TOURISM 特製エコカップ」。これは本ツアーで使うステンレス製のグラスで、持ち帰りできるアイテムです

 

概要説明やスタッフさんの紹介などがあり、その後はスタッフさんの協力を得ながらテント設営へ。

↑設営したのは「アメニティドームL」(販売価格は5万4780円)。入門用として圧倒的な人気を誇る、スノーピークの超ベストセラーテントです

 

偶然にも、筆者が持っているテントはまさにこの「アメニティドームL」。とはいえポールを伸ばす順番など初耳のこともあり、教えてもらうとためになることばかり。キャンプ初心者でも経験者でも、この設営は勉強になるはずです。

↑設営完了。シュラフやマットなども借りられて、就寝はまだ先ですが準備はこれで万全です

 

次はアウトドアクッキング体験。自社レストラン「Restaurant 雪峰」の西本シェフに田舎風パンの作り方を教えてもらい、生地を捏ねたあとはスタッフが焚火で焼いてくれました。

↑上手な捏ね方のほか、小麦粉と酵母の関係性やハーブの豆知識などをレクチャー。参加した方々の子どもたちは興味津々

 

実際に粉、水、酵母を混ぜて捏ねたら、温かくしたシェルター内で発酵させます。そうしているうちにあっという間に陽が暮れ、十分に生地がふくらんだら「コロダッチオーバル」(販売価格は1万2430円)というスノーピークのダッチオーブンで野外調理。

↑調理はスタッフが担当。時折フタを開けて焼き加減などを確認してくれます

 

↑完成したパンを切ったところ。生地の下に朴葉(ほおば)を敷いているので香りが付き、焼き立ての香ばしさも相まって言葉にならないおいしさです

 

とはいえ夕食が控えているので、ここでの完食はガマン。次は施設に隣接している「みみずくの湯」で入浴。こちらの料金は別途となりますが、大人650円の良心価格で入れます。空気はかなり冷えているものの、「白馬八方温泉」の効果で身体の芯までポカポカに。

↑「みみずくの湯」はもとからこの場所にあり、登山者などに長年親しまれている温浴施設。Snow Peak LAND STATION HAKUBAの目と鼻の先にあります

 

風呂を出たあとはツアーの目玉のひとつ、夕食の時間。「信州食材を使用した、暮れの秋特別コース」ということで、地元の恵みをふんだんに使ったご馳走の数々が登場します。

↑この日は参加者を温かく迎えるようなハーヴェストムーン。夕食は写真中央左のシェルターで味わいました

 

家でも店でも味わえない、野外メシならではのおいしさ

ジャンルは和洋折衷で、すべてスタッフが調理してサーブもしてくれます。コースは3品の料理にデザートとパン3種が付く内容で、ボリューム満点でした。飲み物はビール、日本酒、ウイスキー、ワイン、ソフトドリンクなどが飲み放題で、ホットも充実。

↑新潟のスノーピークが同郷の朝日酒造と共同開発した、アウトドアで楽しむための特別な純米大吟醸酒「久保田 雪峰」「爽醸 久保田 雪峰」(販売価格はともに500mlで3410円)や、森の蒸溜所で生み出されるサントリーの「白州」なども自由!

 

↑1品目の「飯蒸し 信州サーモン」。「飯蒸し」(いいむし)という和食を、地元の川魚である信州サーモンを使ってアウトドアアレンジ

 

この料理は「スノーピークグローストーブ」(販売価格は5万4780円)と「コンボダッチデュオ」(販売価格は2万6180円)の一部で蒸し焼きにして、皿にのせたら和風だしのあんをかけて完成。フルーティで甘味と酸がほどよくのった、久保田の酒がマッチします。

↑デカい寿司みたいな料理に、ポテッとしてやさしい味わいの和風あん。サーモンが絶妙なミディアムレアで激ウマです

 

2品目は、より自然の恵みをダイレクトに味わう料理。「白馬産ニンニクのバーニャカウダ 朴葉の香り」です。採れたての信州野菜を、朴葉の上で焼いたバーニャカウダソースに付けていただきました。

↑ソースを朴葉焼きにしたのは「グリルバーナー 雪峰苑」(販売価格は2万1978円)。野菜はもちろんソースもウマすぎて足りなくなり、おかわりさせてもらいました

 

3品目はメインにあたる肉料理「信州牛 頬肉の赤ワイン煮込み」です。ぶどうの名産地でもある信州産の赤ワインで肉をじっくり煮込み、仕上げに地元のじゃがいもを加えたもの。お皿に盛り付けて完成です。

↑ワインの甘味と信州牛ほほ肉のうまみが凝縮。トロッとしたテクスチャーのソースも絶品で、パンが進みました

 

デザートは、「さとうカボチャのプリン リンゴのフランベとチョコソース」。西本シェフが調理シーンから披露してくれました。

↑ブランデーを使ってフランベするシェフ。甘い香りがただよってきます

 

↑濃厚なチョコレートソースをかけて完成。個人的にはウイスキーがベストマッチでした

 

大満足の夕食のあとは、場所を移して焚火をしながら食にまつわるトークセッション。先ほど味わった信州サーモンなどの水産業に携わる関 淳さんと、水稲を中心に農業を営む大谷敏也さんが登壇し、スノーピークスタッフとともに地元の食にまつわる話を聞かせてくれました。

↑料理を味わったあとにその生産者の話を聞くと、より自然の恵みへの感謝が沸き上がってきます。

 

そして会場はそのまま焚火ラウンジへ。暖かく照らす炎の明かりと、神々しくそびえる北アルプスの山々。それを見守るハーヴェストムーンと星の数々。かじかむ手を温めてくれるのはホットコーヒーとホットワイン。そして五臓六腑に染み渡る、森が育んだウイスキー。至福のロケーションです。1日目の終了後、ぐっすり眠れたのは言うまでもありません。

 

 

本来だれもがもっている人間性の回復がここにある

朝は霜が降りる寒さでしたが、完璧な寝具のおかげでぬくぬく。2日目は、トークセッションで登壇した大谷敏也さんの指導のもと、新米の脱穀体験からスタートです。

↑現役で活躍している足踏み式の脱穀機を使用。古いミシンのようにペダルを足踏みして扱胴(こきどう)を回し、稲わらからもみをとっていきます

 

脱穀はコツをつかめばどんどん取れていって面白いものの、量が多いとなかなか大変。家庭用に自家栽培している人はいまでも足踏み式を使っているとのことですが、稲を育てて収穫、脱穀、精米、炊飯という作業を経てはじめて食べられるということを改めて実感しました。

↑この「せせらぎ米」は精米されたもの。大谷さんがプレゼントしてくれました

 

脱穀体験の間、調理スタッフは朝ごはんの準備をしてくれていました。脱穀体験の終了後はこれらを堪能。動いたあとに味わうごはんは格別のおいしさです。

↑信州サーモンの西京焼き、野沢菜の浅漬け、白米、みそ汁のセット。「土鍋膳」(販売価格は1万4278円。お碗×2、お皿×2付き)で炊かれた白米は甘味や弾力が素晴らしく、これだけでもご馳走といえるおいしさでした

 

朝食のあとはテントや寝具の片付けへ。結露でテントが濡れていたため干して乾燥させてから収納しました。そしてフリータイム。参加者特典として、11時にオープンする前のSnow Peak LAND STATION HAKUBAストアで、10時からショッピングさせてもらいました。アイテムのなかには限定品やセール品もあり、見どころは盛りだくさん。

 

↑Snow Peak LAND STATION HAKUBAストア。ここはギアもアパレルも、国内最大級の品ぞろえを誇ります

 

↑ストアの先は「Restaurant 雪峰」。昼食はここでいただきました

 

そして昼食。まずはコンソメで仕立てた大根と人参のポトフから。メインは信州牛を使ったミートソースのラザニア。この日は前日がハロウィンだったため、カボチャをメインに、なすとチーズもたっぷり入ったボリューミーな内容でした。

↑ゴロッとしたカボチャの甘味が、コク深いミートソースやチーズとひとつになって美味。パンも前日と同じく絶品でした

 

↑ドルチェに提供された、北イタリア風の硬めで濃厚なプリン。上には信州・小布施のジャージー牛を使ったソフトクリームがのっていてメリハリ感も楽しめました

 

昼食のあとはイベントのラストを飾る閉会式。そして記念撮影を経て解散となりました。改めて実感したのは、「人生に、野遊びを。」をコンセプトに「人間性の回復」を提案するスノーピークの愛とまごころ。普通のキャンプよりも手軽で贅沢ながら、グランピングほどかしこまってはいない。いい意味でのフレンドリー感、ヒューマニズムがそこにありました。

 

スタッフさんがほどよい距離感で接してくれる身近さも、大きな魅力です。次回は2021年を予定とのことですが、密を避けた開放的なふれあいを欲している人はぜひサイトをチェックのうえ応募してみてください。想像以上に「人間性の回復」ができますよ。

↑スターバックスコーヒー側のテラスから。山の下部に見えるのは、名言「ふなき〜」でも知られる1998年長野オリンピックのジャンプ台が見えます。とにかく空気やロケーションだけでも最高なので、立ち寄るだけでもどうぞ!

 

【SHOP DATA】

Snow Peak LAND STATION HAKUBA

住所:長野県北安曇郡白馬村大字北城5497

アクセス:JR大糸線「白馬駅」徒歩約10分

営業時間:施設による
定休日:水曜 ※定休日・営業時間はイベント等の開催により変更される場合があります。

 

LOCAL TOURISM URL

https://www.snowpeak.co.jp/experience/localtourism/

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】