私の趣味は飲食店で出される「おひや」の写真を収集することなのですが、この「おひや」という単語が大和言葉だというのを『大和言葉つかいかた図鑑』(海野凪子・著/誠文堂新光社・刊)で知り、最近の言葉なのだと思っていた私はすこぶる感動してしまいました。

 

最近はリモートワークやチャットツールでのお仕事が増えてきて、対面して感情を伝える場面が減ってきましたよね。数千年以上も語り継がれてきた大和言葉を知ることで、このモヤモヤした気持ちや、うまく伝えられないことが伝えられるようになるかも! 今回はそんな「大和言葉」の世界をご紹介します。

大和言葉ってどんな言葉のこと?

大和言葉とは、簡単にいうと外国から言葉が入ってくる前から日本で使われていた言葉のこと。そう言われても、ピンと来ないなーという人も多いと思うので、以下の例をご紹介しましょう。

 

たとえば「お風呂」。「風呂」は「大和言葉」です(音読みではありますが、語源は「室(むろ)」であるという説をとります)。「漢語」でいうと「浴室」で、外来語だと「バスルーム」。言葉から受ける印象は違いますがすべて同じもので、場面によって私たちは無意識に語を使い分けています。

(『大和言葉つかいかた図鑑』より引用)

 

よく外国人の方が「日本語難しい」と言いますが、私たち日本人は気がつかないうちに「大和言葉」「漢語」「外来語」さらには「混種語」など新しい言葉もどんどん生み出しているんですよね。そりゃ難しいわ! と改めて感じました。

 

『大和言葉つかいかた図鑑』には、イラストと単語がセットで例とともに掲載されています。大和言葉自体がよくわからないなーという方の入門書としてもおすすめですよ。

 

「ぞっとしない」は“恐ろしくない”という意味じゃないよ!

ここからはいくつか大和言葉をご紹介していきましょう!

 

この「ぞっとしない」という大和言葉、どんな意味だと思いますか? 私は「ホラーを見てゾッとした」と同じ意味かな? と思ったのですが、こんな例文で紹介されています。

 

彼の話はあまりぞっとしないものだった。

(『大和言葉つかいかた図鑑』より引用)

 

ホラーの方で考えると、怖くないはないってこと? と思ってしまいますが、解説を読むと違っていました。

 

【ぞっとしない】

この場合の「ぞっとしない」とは「(恐ろしくて)ぞっとする」の反対の意味の言葉ではなく、「面白くない、感心しない」という意味です。「ぞっと」で区切らず「ぞっとしない」で一つの慣用的な表現になります。

(『大和言葉つかいかた図鑑』より引用)

 

よくバラエティ番組で面白くないことを「さむっ!」とリアクションしたりしますが(もうこの表現もサムいのかなw)、その表現とも近いんですかね?

 

日常生活で使える場面としては、「うわぁ〜全然面白くない」とテンション低めに面白くなかったことを伝える時に「うわぁ〜ぞっとしない」と言えばよさそうですね。あまりテンション高く「ぞっとしないわ!」と使う言葉ではなさそうなので、気持ちに合わせて使い分けたいなぁと感じました。

 

文字だけで感情を伝えるのに役立つ大和言葉

大和言葉には「感情」を伝える言葉も多くあるため、対面することが少なくなり、文字や画面越しでのやりとりが増えてきた現代においてもおすすめできます。

 

LINEならスタンプで感情をイメージで伝えることができますが、目上の方や初めましての方には「ちょっと送りにくいなー」と思いますよね。

 

例えば、コロナで大変な時期なのにたくさん協力や気遣いをいただいて、申し訳ないなぁ、ありがたいなぁという気持ちを一言で伝えたい! という時には、こんな大和言葉が良いかもしれません。

 

お気遣い、いたみいります。

(『大和言葉つかいかた図鑑』より引用)

 

ちょっと堅苦しく感じるかもしれませんが、この「いたみいる」の意味をご紹介しましょう。

 

【いたみいる(痛み入る)】

相手の親切や配慮をありがたく思う時に使います。「そんなにまでしていただいて申し訳ない、心苦しい」という気持ちが含まれます。「ご忠告、いたみいるよ」というように、ちょっと皮肉っぽく使うこともあります。

(『大和言葉つかいかた図鑑』より引用)

 

皮肉になっちゃったらヤバいですが(笑)、心から感謝している&心苦しいと思っている気持ちを伝えたいのなら、「いたみいります」は使えますよね!

 

『大和言葉つかいかた図鑑』には他にも天気に関する言葉や食べ物、仕事や日常の中でも使える大和言葉がたくさん掲載されています。見ているだけでもかわいいイラストと柔らかい言葉に癒されますし、自分の言葉のレパートリーを増やしたい方にもおすすめの一冊です!

 

 

【書籍紹介】

 

大和言葉つかいかた図鑑

著者:海野凪子
発行:誠文堂新光社

使ってみると、日常がちょっとウキウキする。日本人の感性にしっくりくる優しい響きの和の言葉。身近な例文となごむイラストで、楽しみながら使い方が身につく!

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