キャッシュレス決済のなかでも、利便性の向上が顕著なQRコード決済。決済をよりスムーズにする機能や、決済以外のサービスなど、この数年で様々な進化を遂げている。

今回は、前編・後編に分けて主要7サービスをピックアップ。各社独自の機能や、おトクな使い方を紹介する。

※本記事はGetNavi4月号に掲載された記事を再編集したものです

 

QRコード決済の利用者数は50%超え

新型コロナウイルスの流行を機に、衛生意識の高まりからキャッシュレス決済の利用機会が増加。クレカや電子マネーの利用者数は横ばいだが、QRコード決済は2019年3月から2020年12月の間で4倍以上となり、初めて50%を超えた

[出典]インフキュリオンが2020年12月4日〜7日に実施した「決済動向2020年12月調査」より。対象は16〜69歳の男女5000人

 

PayPayとau PAYのユーザー増が顕著

2020年5月より決済でPontaポイントがたまるようになり、キャンペーンも継続的に実施してきたau PAYが約3倍に急増。元々利用者数1位で知名度の高いPayPayは、QRコード決済初心者の入り口として選ばれているのだろう。

[出典]イプソスが2020年10月28日〜11月9日に実施した「2020年キャッシュレス大規模調査」より。対象は18〜79歳までの男女20万9883人

 

QRコード決済は便利で安心なサービスに!

利用シーンが増えたことに加え、サービス自体が整備されてきたこともQRコード決済の普及を後押し。消費生活評論家の岩田昭男さんに、QRコード決済の“現在地”について聞いた。

 

【解説してくれる人】

消費生活評論家 岩田昭男さん

大30年以上に渡り、クレジットカードをはじめキャッシュレス決済の研究・取材に携わるオピニオンリーダー。GetNaviにて「クレカ『錬金』道場」を連載中。

 

スーパーアプリ化により多彩なサービスを提供

『スーパーアプリ』とは、様々なジャンルの『ミニアプリ』を有する統合的なアプリのことで、身近なものではLINEが最たる例です。いちいち異なるアプリを立ち上げる必要がなく、ユーザーにとっても利便性は高い。PayPayなど、QRコード決済サービスの多くがスーパーアプリ化を進めています」(岩田さん)

 

↑PayPayアプリ内では、ネットショッピングやテイクアウト予約、タクシー配車などのサービスを提供している

 

不正利用に対する補償を強化

「当初QRコード決済はセキュリティ面のサポートが不安視されていましたが、現在は多くの決済サービスが補償を用意。ただし、不正利用されてから時間が経っていたり、利用者に重過失があったりする場合は補償されないこともあるので、規定事項は要確認です」(岩田さん)

 

以上のような業界動向に加え、QRコード決済サービス各社は次々と便利な機能をリリースしている。

ここからは、各サービスの特徴や注目の機能について紹介していく。

【その1/PayPay】利用者数No.1! 使える店が多くキャンペーンも積極的

PayPay

使うほどおトクな「PayPayステップ」を導入し、PayPayボーナスを最大1.5%還元。PayPayモールなど対象サービスの利用でさらに大幅ポイントアップも。抽選での全額ポイントバックなど、多彩なキャンペーンを毎月実施している。

 

運営 PayPay
還元率 0.5〜1.5%
貯まるポイント PayPayボーナス
支払い・チャージ方法 クレジットカード払い、ソフトバンク/ワイモバイルまとめて支払い、銀行口座チャージ、セブン銀行ATMから現金によるチャージ
利用上限額 過去24時間50万円、過去30日間200万円(PayPay残高/支払い時)

 

【こんな人にオススメ!】

ヤフー・ソフトバンク経済圏やTポイントと好相性。モバイルオーダーなど決済以外の機能も積極的に活用したい人に!

 

PayPayの特徴】QRコード決済を浸透させたおトクなキャンペーンは健在

QRコード決済利用率で首位を独走するPayPay。加盟店は280万か所を突破し、2021年1月からは全国のスターバックスコーヒーにも導入され話題に。スーパーアプリ化も着々と進み、利用シーンはますます拡大している。

 

PayPayの魅力といえば、毎月開催の「ワクワクペイペイ」などキャンペーンやクーポンを積極的に打ち出している点だ。例えば、現在(〜2021年4月27日)はセブン-イレブンアプリからPayPayで支払うと抽選で最大1000%戻ってくる「ペイペイジャンボ」を開催中(※)。ホーム画面にある「おトク」タブを選択すると、ユーザー自身の対象キャンペーンをチェックできる。

※Yahoo! JAPANカード以外のクレジットカードは対象外。後日PayPayボーナスを付与

 

また、ソフトバンクとヤフーが共同出資するPayPayは、両社のサービスとの親和性が高い。Yahoo!ショッピングでは、ソフトバンクスマホのユーザーが日曜日に買い物し、PayPay残高で支払うと、最大18%もの還元が受けられる(※)。

※うち1%はストアポイントとしてTポイントを付与。それ以外はPayPayボーナスでの付与となる

 

2月にはOneTap BUYが「PayPay証券」に、4月にはジャパンネット銀行が「PayPay銀行」に商号が変更されたことに加え、その他のヤフーグループの金融サービスも今後「PayPay」ブランドに統一することが予定されている。“PayPay経済圏”としてさらなる利便性・利得性の拡大に期待したい。

 

【編集部の推しはココ!】

① モバイルオーダーで来店後すぐに受け取れる!

PayPayアプリ上でテイクアウトメニューの事前注文・支払いができる「PayPayピックアップ」。近隣の対象店舗を表示するほか、エリア/駅名で検索も可能。指定の時間に来店すれば、待たずに商品を受け取れる。

↑カテゴリや現在地に近い店舗から検索できる

 

② 支払い時に自動適用されるPayPayクーポンがおトク

「PayPayクーポン」は、クーポンを事前に獲得しておけば、対象店舗での支払いの際に自動で適用される。ホーム画面にある「クーポン」タブを選択すると、現在配布中のクーポンをチェックできる。

↑過去に配布されたクーポンの一例

 

[この機能もCheck!]

ログイン端末を確認して不正利用を防止!

不正利用への対策も万全だ。「ログイン管理」機能では、PayPayアカウントに、どの端末からログインしたのかを確認できる。

↑心当たりのない端末があれば、強制的にログアウトできる

 

[相性の良いクレジットカード]

PayPayと紐付けてトクする唯一のカード

Yahoo! JAPANカード

年会費無料

基本は利用額の1%ぶんのTポイントを付与。Yahoo!ショッピングやLOHACOでの買い物では計3%還元される。PayPayでの決済で唯一PayPayボーナスの還元が得られるカードでもあり、前月の50回以上の利用で+0.5%、同10万円以上の利用で+0.5%の合計1.5%ぶんが付与される。

【その2/楽天ペイ】楽天ポイントが使いやすく、Suicaチャージにも対応!

楽天ペイ(アプリ決済)

楽天カード払いで常時1%ぶんのポイント還元となり、楽天ポイント加盟店なら重ね取りも可能。貯めたポイントは支払い充当やSuicaチャージに使える。ポイント払いでは、キャンペーンなどで貯まる期間限定ポイントも充当可能だ。

 

運営 楽天ペイメント
還元率 1〜1.5%
貯まるポイント 楽天ポイント
支払い・チャージ方法 クレジットカード払い、楽天銀行口座払い、楽天キャッシュのチャージ払い、ポイント払い
利用上限額 会員ランクや利用状況、店舗などにより異なる

 

[こんな人にオススメ]

楽天市場をはじめ楽天経済圏を活用している人には使い勝手が良い。楽天ポイントをSuicaで貯めたい・使いたい人にも有利。

 

楽天ペイ(アプリ決済)の特徴】ポイント還元率は最大級! Suicaとの連携も便利

楽天グループは、系列サービスを使えば使うほど、ポイントを効率良く獲得できる〝楽天経済圏〟を拡大している。そんな楽天のユーザーにとって楽天ペイは、ポイントを貯めたり使ったりするのに最適なサービスと言えるだろう。

 

最大の特徴は、還元率の高さ。楽天ペイで支払いをすれば、利用額の1〜1.5%ぶんの楽天ポイントが常に還元される(※)。貯めたポイントは楽天ペイの支払いに充当でき、使ったポイントにもポイントが付与される。そのため、タイミングを気にせずにポイントを利用できるのがうれしい。

※紐付けたクレジットカードで支払う場合は、各社のポイントプログラムによる。楽天カード、楽天デビットカードでの支払いなら1%。楽天キャッシュにチャージして楽天ペイで支払うなら1.5%

 

2020年5月にはAndroidスマホ(※)の楽天ペイでSuicaが連携可能になった。楽天ペイからのSuicaチャージで0.5%ぶんの楽天ポイントを還元。公共交通機関への乗車や、Suicaの加盟店でも利用できる。12月には楽天ポイントのチャージ充当にも対応し、ポイントの使い道はさらに広がった。

※「おサイフケータイ®」機能を搭載した端末のみ対応

 

2021年1月には楽天銀行からの即時支払いにも対応し、デビットカード感覚で利用可能に。支払いと同時に銀行口座残高に反映されるため、使いすぎが心配な人も安心して使えるようになった。

 

[編集部の推しはココ!]

① Suicaにチャージすると0.5%ぶんをポイント還元!

Android端末(※)では手持ちのSuicaを連携でき、チャージや新規発行にも対応。楽天ペイからのSuicaチャージなら楽天ポイントを0.5%ぶん還元する。ポイントでのチャージも可能だ。

※「おサイフケータイ®」機能を搭載した端末のみ対応

↑Android版の楽天ペイアプリ上でSuicaを利用できる。残念ながら、2021年4月現在iOS版では非対応だ

 

② 瞬間チャージ設定で不足ぶんを即充当

ポイント払い時にポイント残高が不足していた場合、設定した額が即時チャージされる機能を搭載。不足ぶんを現金などで精算する必要がなく、チャージ額の0.5%ぶんがポイント還元される。

↑「瞬間チャージ」タブから予め設定しておこう

 

[この機能もCheck!]

楽天ペイで使えて送金も可能な「楽天キャッシュ」を使おう

楽天キャッシュは、楽天ペイや楽天市場など楽天のサービスをはじめ、街やネットで利用できる電子マネー。楽天カードや楽天銀行、楽天ラクマの売上金からチャージできる。送金にも対応。

↑楽天カード、楽天銀行、ラクマの売上金からチャージ可能

 

[相性の良いクレジットカード]

楽天ペイでの還元はチャージ払いで1.5%に!

楽天カード

年会費無料

年会費無料で、常時利用額の1%ぶんの楽天ポイントが付与される高還元率カード。楽天市場で買い物をすると、ポイントが3倍になる。楽天ペイを利用する際、楽天カードから楽天キャッシュにチャージしてその残高で支払うと、チャージぶん0.5%と楽天ペイの利用ぶん1%の計1.5%が還元される。

【その3/d払い】ポイント還元率とミニアプリの充実ぶりに注目!

d払い

街の店で0.5%ぶん、ネットでの買い物で1%ぶんのdポイントが還元され、使えば使うほど還元率アップ。キャンペーンが豊富なほか、タクシー配車やテイクアウト注文などミニアプリも充実している。ドコモユーザー以外でも利用可能。

 

運営 NTTドコモ
還元率 0.5%(店頭利用)、1%(ネット利用)
貯まるポイント dポイント
支払い・チャージ方法 クレジットカード払い、電話料金合算払い、d払い残高払い、ポイント払い、銀行口座チャージ、セブン銀行ATM・コンビニでの現金チャージ
利用上限額 1か月あたり1〜10万円(電話料金合算払いの場合〈※〉)

※ドコモ携帯電話の契約状況や利用状況、支払い状況などに応じて、NTTドコモが利用限度額を設定する。クレジットカード払いの場合の利用限度額は、そのカードの上限となる

 

[こんな人にオススメ]

ポイントを一本化したい人に最適。dポイントはローソンやファミリーマート、ドトールなど身近な店舗で貯めやすい。

 

【d払いの特徴】ポイントの使い勝手が良くスーパーアプリ化も加速中

d払いは、還元率の大きいキャンペーンや、利用状況に応じて還元率がアップする仕組みにより、ドコモユーザーに限らずおトクを享受できる機会の多いサービス。dポイントの使い道は幅広く、d払いでの支払いや、携帯料金の支払いに充当できるほか、ポイント投資で増やすことも期待できる。

 

PayPayと同様、スーパーアプリ化を目指し、年々サービスを拡充している。2019年秋にタクシー配車や自転車シェアのミニアプリをリリース。その後も牛丼の吉野家のテイクアウト注文や、レンタルモバイルバッテリーの予約など様々なサービスを提供している。

 

2020年12月には「テーブルオーダー」を実装。対応飲食店内でQRコードを読み取ると、自分のスマホで注文から決済まで完結できるようになった。

 

新機能の開発は止まらない。ユーザーにおトクを届ける機能も追加された。クーポンは従来の提示型に加え、支払いと同時に自動的に適用となる決済連動型や、買い物の時間や金額によってもらえるレシートクーポンなどに対応。

 

また、利用した店からキャンペーン情報やクーポンが配信されるメッセージメニューも装備し、買いどきを逃す心配も少なくなった。今後は請求書払い機能も実装予定で、ますます利便性が向上しそうだ。

 

[編集部の推しはココ!]

① スーパー還元プログラムで還元率が最大7%プラス!

d払いやdカードのiDを使うほどポイントの還元率がアップ。前月のネットの店での買い物が5万円以上で+2%、dポイントを貯めた回数が100回以上で+1%など、条件をクリアすると最大7%もプラスして還元される(※)。

※還元対象となる決済額の上限は1万5000円/月

↑条件をクリアするといつでも最大+7%還元に!

 

② 店員と接触することなくオーダーや支払いができる!

「テーブルオーダー」は、飲食店に設置されたQRコードを読み取ることで注文が可能。自分のスマホでオーダーと決済が完結し、店員との接触も減るニューノーマル時代に即した機能だ。

↑注文時のイメージ

 

[この機能もCheck!]

セキュリティを強化したドコモ口座も便利!

d払いは電子マネーであるドコモ口座残高も利用できる。残高はほかにも携帯料金やネットショッピング、送金など様々な用途に使えるのが魅力。不正利用問題以降、セキュリティも強化された。

↑一時問題視されたセキュリティ性能は現在改善されている

 

[相性の良いクレジットカード]

d払いの決済に使うと計1.5%還元に!

dカード

年会費無料

利用額の1%ぶんのdポイントを還元。d払いに紐付ければ、d払いの利用ぶん0.5%と併せて1.5%還元になる。dポイント加盟店ではポイントカードの提示で3重取りも可能。ドコモユーザーなら携帯電話料金の10%が還元され、スーパー還元プログラムの対象になる「dカード GOLD」もオススメだ。

 

後編では、au PAY、メルペイ、FamiPay、ANA Payを紹介する。