3月26日に、モトローラの最新フラッグシップ「motorola razr 5G」が発売されました。ガラケー時代に世界的なヒットを記録した薄型ケータイ「RAZR」のコンセプトを受け継ぐモデルで、6.2インチの大画面を折りたためて、コンパクトに持ち歩けることが最大の特徴。

 

ソフトバンク版とSIMフリー版が発売され、ソフトバンク版の価格は19万8000円(税込・以下同)で、2年後に機種変更時に端末を返却する「トクするサポート+」を利用すると実質負担金は9万9000円に抑えられます。SIMフリー版は公式オンラインストアでの価格が17万9799円。なお、ソフトバンク版はシングルSIMでロックがかかっていますが、SIMフリー版は物理SIM+eSIMのデュアルSIM仕様になっています。その他の仕様は共通しています。

 

筆者は、モトローラ・ジャパンからお借りしたSIMフリー版を1週間ほど使ってみました。

 

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メリット1:触れただけでハイグレードを実感できるボディ

razr 5Gに触れて、すぐに気に入ったのはボディの質感。背面パネルにはガラス、ヒンジやフレームにはメタル素材を用いて、全体的に丸みを帯びたラウンドフォルムになっています。折りたたみ時のサイズは91.7×72.6×16.0mmで、手のひらに収まるほどのコンパクトさ。鏡面仕上げでツルツルとして手触りで、質感のリッチさはトップクラスだと感じました。裸のままで使いたい反面、うっかり落としてしまいそうで怖かったりします。

↑折りたたみ時は、手のひらに収まるほどコンパクト

 

側面を見ると、ほとんど隙間なく、ピタリと折りたためます。と言っても、ディスプレイが鋭角に折り曲がるわけではなく、折り曲がる部分の小さなカーブがヒンジに収まる仕組み。右側面に音量キー、左側面に電源キーを搭載し、とくに折りたたみ時は操作しすい印象です。

↑右側面に音量キーを搭載

 

↑左側面に電源キーを搭載。隙間なく折りたためる

 

折りたたみ時の正面には2.7インチ(800×600ドット)のサブディスプレイと4800万画素カメラを搭載。背面には、モトローラのロゴをデザインした指紋センサーを備えています。

↑サブディスプレイで電話をかけることも可能

 

↑光沢の強い鏡面仕上げで、背面には指紋センサーを搭載

 

本体を開くと、6.2インチ(2142×876ドット)の大画面スクリーンを利用可能。使うときだけでにパカンと開く感覚は、ガラケーを長く使っていた世代には懐かしく感じること請け合いです。

↑開くと、フツーの大画面スマホとして使える。音量キーと電源キーは高い位置になり、やや操作しづらくなる

 

なお、モトローラによると、ヒンジ部は約20万回(1日100回で5年以上)の開閉操作に耐えられるそう。なので、頻繁にパカパカして、見せびらかしてもOK! ただし、ワンタッチで開閉できるボタンは付いていないので、片手でかっこよく開くには慣れが必要です。コツをつかむまでは、うっかり落として傷を付けてしまわないように注意しましょう。

↑ヒンジの上部

 

↑このヒンジの部分に、ディスプレイが丸く折り曲がって収まる仕組み

 

↑隙間に親指を入れて、上部を跳ね上げるようにして開ける。ただし、不慮の落下を防ぐためには、片手で持って、もう片方の手で開くほうが安全だ

 

メリット2:閉じたままで、あれもこれもできる!

折りたたみ時は「クイックビューディスプレイ」というサブディスプレイで、時刻を確認したり、通知のチェックが可能。上辺から下方向にスワイプするとクイック設定パネル、下辺から上方向にスワイプすると通知パネルを表示します。

↑折りたたみ時はクイックビューディスプレイで多くの操作が可能

 

↑メインディスプレイと同じように、各種設定のオン・オンができるクイック設定パネルを搭載

 

さらに、このクイックビューディスプレイだけでアプリも使えます。まず、右方向にスワイプするとカメラが起動。4800万画素のアウトカメラで自撮りができます。右側面の音量キーがシャッターとなり、片手でさりげなく撮れることも利点です。

↑閉じたままでカメラを起動して、セルフィーが撮れる

 

↑撮影モードの切り替えもできる

 

左方向にスワイプすると、アプリを選択できる画面が表示。3つのアプリ(ミニゲーム、電卓、YouTube)がプリセットされていますが、自分が使いたいアプリを追加したり、要らないアプリを削除したりしてカスタマイズできます。すべてのアプリがサブディスプレイを使えるわけではありませんが、「LINE」や「Twitter」など、「Playストア」からダウンロードしたアプリが追加できることを確認できました。

↑クイックビューディスプレイで使いたいアプリを設定し、素早く起動できる

 

さらに左にスワイプすると「連絡先」と「電話」が利用できる画面に。ダイヤルキーパッドを表示させて、電話をかけることができ、よく連絡を取り合う人の電話番号のショートカットを貼り付けることもできます。

↑連絡先のショートカットを設定して、素早く発信することも可能

 

実際に使ってみて便利だと思ったのは、クローズ時とオープン時の連携性。例えば、電話を着信した場合、折りたたんだ状態で応答すると、スピーカーホンが起動します。開くだけで応答することもでき、その場合は、受話レシーバーからの出力となり、耳にあてて通話が可能です。まず、折りたたんだままで通話を始めて、開いて通話を続けることもできます。

↑電話を着信すると、閉じたままでもスピーカーホンで応答可能。開いて応答することもできる

 

↑開くとメインディスプレイでの表示に切り替わる

 

メールを受信した場合は、クイックビューディスプレイでメール本文まで読めますが、長いメールの場合は、開くと大画面表示に切り替わるので、読みやすくなります。返信メールを作成したい場合にも、開いたほうが便利でしょう。

↑閉じたままでもキーボードを表示させてメールを作成できる

 

プリインされている基本アプリで、クイックビューディスプレイで使えなかったのは「Chrome」くらい。ほとんどのアプリは使えます。メールやSNSのチェックなど、ちょっとした作業をクイックビューディスプレイで済ませることは電池の節約にもつながりそうです。

↑音楽を聴いている時の一時停止やスキップの操作にも重宝

 

メリット3:21:9のワイドスクリーンでウェブや動画を楽しめる

オープン時は、6.2インチの大画面ディスプレイを利用できます。ユーザーインターフェイスは、一般的なAndroidスマホと変わりはなく、フツーの大画面スマホと変わらない使い勝手。しかし、開くという操作と、画面アスペクト比が21:9と縦に長いこともあり、操作感がガラケーに近いようにも感じます。

 

オープン時のサイズは169.2×72.6×7.9mm。横幅が細めで、最薄部が7.6mmと薄いので、片手でもスムーズに操作できます。ウェブやニュース、SNSなどの閲覧は、やはりメインディスプレイを使ったほうが便利でしょう。

↑縦に長いウェブページの閲覧性が向上。ディスプレイの下の出っ張り部分が重石のような安定感をもたらす

 

横向きにすると、ワイドなスクリーンで写真や動画を楽しめます。フルスクリーン表示に対応するアプリでは、より没入感がアップするはず。なお、写真や動画を見る際も折り曲げ線などは気にならず、最初からフラットの画面と同じように表示されます。もちろん、長期的に使うと、どうなるのかはわかりませんが……。

↑21:9のワイドな画面は動画視聴にも最適

 

↑折り曲がる部分に線や跡が付いたりしない

 

メリット4:4800万画素カメラは、昼でも夜でもキレイに撮れる!

アウトカメラは4800万画素で、4つの画素を1つに結合して、効率よく光を取り込む「クアッドピクセルテクノロジー」を採用。F値1.7の明るいレンズで、光学式手ブレ補正も備えているので、とくに夜景や薄暗い場所の撮影でも、その威力を発揮しそうです。実際に撮影してみたところ、夜景は鮮明な画質で撮影でき、薄暗い室内でもフラッシュ不要。屋外でもナチュラルな色・明るさで写りました。

↑アウトカメラは4800万画素。LEDライトも備えているが、撮影時に必要になることは少ないだろう

 

↑夜景はすっきりとした色で写る

 

↑逆光でもほどよい明るさで、ナチュラルな色で撮影できた

 

↑花を写した作例。鮮やかな色で写り、後方はナチュラルにぼけた

 

↑居酒屋の店内で撮影。AIが「料理」と認識し、鮮やかな色味に補正された

 

AIによるシーン認識や、水平の検出など、便利な機能もひと通り揃っています。モトローラ独自の、指定した色だけを残す「スポットカラー」、動く写真が撮れる「シネマグラフ」といったユニークな撮影モードも健在。

↑カメラの設定画面

 

↑撮影モードも充実している

 

↑開いてアウトカメラで撮影する際に、サブディスプレイにアニメーションを表示できる「アイキャッチアニメ」という新機能も搭載。被写体の目を引いて、カメラ目線の写真が撮れる趣向になっている

 

インカメラは2000万画素でF値2.2。アウトカメラと同じくクアッドピクセルテクノロジーを搭載しています。しかし、自撮りはアウトカメラで撮れるので、インカメラの主用途はビデオ通話になるでしょう。

 

メリット5:パフォーマンスや細かい使い勝手にも満足

プロセッサーはSnapdragon 765G。メモリはRAMが8GBで、ROMが256GB。他社のフラッグシップはSnapdragon 8シリーズ(800番台)を採用し、12GBのRAMを搭載する機種が多いので、それらよりはやや抑えたスペック。グレードとしては「ミドルハイ」と呼ぶのが妥当でしょう。しかし、基本アプリの操作で、パフォーマンスに不満を感じることはまずなさそうです。

↑「Geekbench 5」というアプリでベンチマークを測定した結果。Snapdragon 865などを搭載するハイエンドモデルには及ばないが、普段使いには必要十分以上の処理速度が得られるだろう

 

先述のようにSIMフリー版はeSIMを追加でき、2つの電話番号で同時に待ち受けできるDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応しています。筆者はeSIMでの動作確認はしていませんが、日本でもeSIMを提供する事業者が増えつつあるので、見逃せないアドバンテージと言えるでしょう。なお、物理SIMは、対応キャリアは公式には発表されていないようですが、3大キャリアに加えて、楽天モバイルのSIMでも使えることを確認できました。

↑底部にUSB Type-CポートとSIMスロットを搭載。SIMはnanoサイズで1枚しか挿せない。microSDは非対応

 

↑SIMフリーモデルはeSIM(組み込み型のSIMで、データを書き換えられる)を追加できる

 

モトローラのスマホには「Motoアクション」という独自機能が搭載されています。機種によって使える機能が異なりますが、razr 5Gでは、端末の仕様上必要ない機能(「片手操作切替」と「伏せて置いて無音化」)を除き、すべての機能が使えます。2回ひねってカメラを起動、2回振ってライトを点灯できる機能は、閉じている時でも開いている時でも、どちらでも使えます。

↑ユーザーから人気が高いMotoアクションも搭載

 

↑2回素早く振り下ろすとLEDライトが転倒。再度振って消灯できる

 

デメリット:開閉操作が面倒で、電池持ちに不満を持つ恐れも……

razr 5Gは、このフォルム、このギミックに強く惹かれる人には、マストバイのモデルです。ガラケーのような持ちやすいサイズ感で、5Gの高速通信の恩恵を受けられ、必要に応じて大画面も利用できます。「画面が大きいほうがいいが、片手で操作しやすいコンパクトなスマホが欲しい」と矛盾した欲求に駆られていた方は、その矛盾があっさり解消するはずです。

↑ソフトバンクの5Gエリアで通信速度を計測してみた。下り600Mbpsを超える速度を記録。上り速度が速いこともメリット

 

強いてデメリットを挙げるとすると、板状のフツーのスマホにもそれなりの良さがあります。フツーのスマホの操作に慣れきっている人には、開閉操作が手間に思えるかもしれません。

 

コンパクトさを優先したためか、バッテリー容量は2800mAhと少なめです。他社の5Gスマホは4000mAh以上の大容量バッテリーを搭載するモデルが多く、使い比べてみると、razr 5Gの電池持ちは今ひとつというのが率直な印象。

↑バッテリー容量は少なめ。ヘビーユーザーだと1日もたせるのは難しいかも

 

アウトカメラが1基しかないのも残念なポイント。もはや2眼は当たり前で、3眼、4眼の機種も増えているので、せめて超広角レンズは搭載してほしかったところ。防水・防塵、おサイフケータイにも対応していませんが、これらは人によって必要か否かは分かれるでしょう。

 

筆者が挙げたデメリットを「そんなことはたいしたことではない」と思ったあなたは、ぜひいち早く入手して、カッコよく使い倒してくださいね。

↑パッケージは特別仕様で、そこにも価値がありそう

 

↑DENON プレミアムヘッドセット、15Wの急速充電器、アクセサリーポーチなどが同梱されている

 

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