次世代パーソナルモビリティ「Future mobility “GOGO!”」を開発・販売するFutureは3月31日、報道関係者を対象とした製品説明会および試乗会を開催しました。GOGO!はいわゆる“電動三輪ミニカー”のスタイルを持つ一人用の乗り物です。最近登場している電動バイクのほとんどが二輪である中で、三輪という新感覚の走りを体験してきました。

↑「Future mobility “GOGO!”」の発表&試乗会が開催された会場

 

原付のような二段階右折は不要で、ヘルメット着用も法律上は求められず

GOGO!を目の前にすると、デザインはどこか愛らしく、レトロな雰囲気が漂います。特にシート付近は手作り感たっぷりの仕上がり。ボディカラーにはピンクや淡いグリーンなどがラインナップされ、若い世代や女性を対象にしていることがわかります。

 

GOGO!は原付スクーターのようにも見えますが、実はその構造はまったく別のものです。車体の構造は前輪がふたつ、後輪がひとつで構成される三輪車となっており、法律上は「普通自動車のミニカー」として取り扱われる車両なのです。これによりGOGO!を運転するには普通自動車免許が必要となります。原付免許では乗れません。ここは注意してください。

↑ベースモデル「Future mobility “GOGO!”S」。ミニカーであるため、ナンバーは水色となる。全長1m×全幅0.6m×全高1m

 

一方で、普通自動車のカテゴリーとなっていることで、原付バイクのように二段階右折をする必要もなければ、ヘルメットの着用も義務付けられません。ここがGOGO!最大のポイントとも言えるでしょう。実はGOGO!はシェアリングでの利用も予定しており、その際にヘルメットが必要となれば利用のハードルはどうしても高くなってしまいます。感染症が治まらない現在の状況ではヘルメットを借りるのも躊躇してしまうでしょう。その点、このカテゴリーならヘルメットなしで乗ることができ、利用者のハードルは一気に低くなるのです。

 

ただ、法律上は義務ではないとはいえ、安全を考慮すればヘルメットの着用はすべきでしょう。自前でヘルメットを用意するなり、身を守る手立てをした上で乗車することをオススメします。

 

ラインナップは全4種類。ハイエンドモデル「F1」は最高速45km/h!

そんなコンセプトで開発されたGOGO!だけに、その使い勝手は誰でも簡単に取り扱える設計となっていました。特に注目なのが車体重量で、三輪車とは思えない22〜25kgに抑えられています。この日、説明に登壇した同社の代表取締役CEO・井原慶子氏によれば、「これまでの3輪車は車体が重く、倒してしまった時は戻すのに苦労することが多かった」と言います。この重量なら女性でも簡単に起こせるというわけです。

↑「Future mobility “GOGO!”」について説明するFutureの代表取締役CEO・井原慶子氏

 

GOGO!のラインアップは、装備ごとに「S」と「カーゴ」、「デリバリー」の3種類。バッテリーはステップ下に内蔵され、「標準バッテリー」とオプションの「大容量バッテリー」の2タイプを装着することができます。公表されているスペックによれば標準バッテリーで最高速度は30km/h、フル充電での航続距離は30kmとのことでした。

↑バッテリーはステップ下に内蔵される。「標準バッテリー」(3万9800円)や「大容量バッテリー」(5万9800円)、「標準充電器」(7800円)、「急速充電器」(1万5800円)といった周辺機器がある※すべて税込み

 

↑「Future mobility “GOGO!”カーゴ」。リアに荷物が載せられるカゴが装着される

 

さらにGOGO!にはカーボン製モノコックフレームを用いて重量を18kgにしたハイエンドモデル「Future mobility F1」を用意。こちらはモーターのハイパワー化も果たしており、最高速度は45km/hにもなるということです。

 

さて、ここからがいよいよ試乗です。運転にあたっては、ステアリングバーの左側にあるメインスイッチを右にスライドさせた上で、その右にある「M」ボタンを長押しすれば準備OK。この状態でブレーキを離して右側のアクセルを回せばスタートできます。

↑「Future mobility “GOGO!”S」の操作スイッチ部。上からウインカー、メインスイッチ、ホーンスイッチ。右側の黒いスイッチはモード切り替えボタン

 

↑ステアリング中央に配置される速度やバッテリー残量などを表示するディスプレイ部

 

アクセルを回すとGOGO!は力強く前進し、クルマの流れに遅れることもなくスムーズにスタートできました。走り出しこそ若干左右に振られますが、速度が乗ってくると安定性は高まっていき、ミラーを確認しながら車線変更も余裕でできるようになりました。

↑ステアリングの左右に備えられたウインカー。昼間の走行では点灯していることは気付きにくい

 

↑リアのLED点灯部。中央はテールランプで左右がウインカーとして機能する

 

この日は神宮外苑の道路を周回して試乗しましたが、路面の段差を乗り越えてもしっかりとした剛性が伝わってきました。かといって路面からのショックもボディ全体で和らげてくれているようで、キックバックもそれほど強くなく、乗車中は想像以上に快適でした。

 

マルチリーンサスが生み出す、コーナリングの吸い付き感に感動!

特に感動したのがカーブを曲がった時の前輪の吸い付き感です。これが愛らしい姿からは想像できないアクティブな走りを生み出していたのです。実はGOGO!の前輪には、井原氏がカーレースで体験した技術をフィードバックして完成させたマルチリーンサスペンションが採用されています。これが安定したコーナリングに結びついていたのです。

↑前輪に組み合わせたマルチリーンサスペンション。このリンクによって優れたコーナリングを生み出す

 

ただ、スペックの最高速度30km/hには、全開にしてもなかなか到達できません。試乗中は信号に引っかかったこともあり、速度は25km/h強程度までしか出ませんでした。スタッフによれば「体重50kg程度の人が乗った場合のスペックなので、それより重いと最高速度は低くなる可能性がある」とのこと。私は体重が80kg近くあるのでその影響が出ていたのかもしれません。

↑リア車輪には駆動のためのインホイールモーターが組み込まれる

 

とはいえ、その走りは想像以上にしっかりとしたものです。井原氏によれば、このGOGO!を使い、驚いたことに工場がある三重県鈴鹿市から東京の六本木まで耐久テスト走行を敢行したとのこと。しかもその過程でのトラブルはゼロ! これは相当にすごいことです。レーサー上がりの井原氏ならではの企画が見事成功したというわけですね。

 

現在、GOGO!は三重県鈴鹿市の工場で月産50〜100台体制で生産中。2021年4月からは、代理店契約を行った店舗でも購入可能な予定となっています。価格は「Future mobility “GOGO!”S」が26万1800円、「Future mobility “GOGO!”カーゴ」が27万2800円、「Future mobility “GOGO!”デリバリー」が28万3800円、「Future mobility F1」が47万800円。※価格はすべて税込み。

↑東京・神宮外苑の絵画館前に集結した「Future mobility “GOGO!”」のラインナップ。ブラックやミントなどカラーリングも豊富

 

 

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