ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回取り上げるのは、発売以来大人気で、ステーションワゴンの希望の星となっているスバル・レヴォーグ。2代目はどうだ?

※こちらは「GetNavi」 2021年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のGODカー】スバル/レヴォーグ

SPEC【STIスポーツEX】●全長×全幅×全高:4755×1795×1500㎜●車両重量:1580㎏●パワーユニット:1.8ℓ水平対向4気筒直噴ターボエンジン●最高出力:177PS(130kW)/5200〜5600rpm●最大トルク:30.6㎏-m(300Nm)/1600〜3600rpm●WLTCモード燃費:13.6㎞/ℓ

310万2000円〜409万2000円

 

ボディや足まわり、アイサイトXは素晴らしいがエンジンがダメ

永福「安ドよ。レヴォーグの評判が良いな」

 

安ド「日本カー・オブ・ザ・イヤーも獲りましたしね」

 

永福「たしかにこのクルマ、ボディと足まわりが素晴らしい」

 

安ド「つまり骨格ですね」

 

永福「特にこのSTIスポーツは、価格が高いだけに猛烈に素晴らしい。これほどしなやかに揺れを吸収するクルマに乗ったのは初めてかもしれん」

 

安ド「スバル車って、昔から乗り心地は良かったでしたっけ?」

 

永福「いや、そんなに良くはなかった。ガチガチに固い時代もあった。まあ現在でもガチガチのスポーツモデルを作っているが」

 

安ド「スバルは硬派なメーカーですもんね」

 

永福「だな」

 

安ド「僕がこのクルマで一番良いと思ったのは、このクールグレーカーキというボディカラーです」

 

永福「たしかに」

 

安ド「それで先代型よりだいぶカッコよく見えました」

 

永福「いかにもスバルらしい硬派な色だが、それでいてオシャレさんだ。スバルのセンスは垢抜けたな」

 

安ド「昔は垢抜けてなかったですよね?」

 

永福「実用以外一切考えてないようなクルマが多かった」

 

安ド「でも、殿も乗られていたSVXはカッコ良かったじゃないですか」

 

永福「あれは突然変異だ。なにしろジウジアーロデザインなのだから」

 

安ド「でも売れなかったんですよね」

 

永福「まったく売れなかった。スバル車はカッコ良すぎてはダメだな。これくらいがちょうどいい」

 

安ド「アイサイトXはどうですか?」

 

永福「これも素晴らしい。GPS測位とマップを精密に連動させているので、ACC(前車追従型クルーズコントロール)を作動させているときに進路の乱れがまったくない。もちろん安全性も高い」

 

安ド「渋滞中の高速道路では手放し運転もできますしね」

 

永福「実にラクチンだ」

 

安ド「悪いところがないですね」

 

永福「いや、ある。エンジンがダメだ」

 

安ド「ダメですか!」

 

永福「全然パワーがないし、燃費も驚くほど悪い」

 

安ド「僕も、なんだか薄味だなぁとは思いましたが」

 

永福「薄味で元気がないのに燃費が悪い。新型エンジンなのに信じられないほどダメだ」

 

安ド「そんなにダメですか!」

 

永福「普通に走っているときは良いが、アクセルを床まで踏んでもロクに加速しない。燃費はロングドライブで12㎞/ℓ程度。新型エンジンなのだから、最低15㎞/ℓは走ってほしいぞ」

 

安ド「地球温暖化ガスがたくさん出てしまうんですね?」

 

永福「このままではスバルは生き残れないぞ」

 

【GOD PARTS 1】大型ディスプレイ

タッチ式ディスプレイでデジタル感を強調

「デジタルコクピット」と呼ばれるインテリアは未来っぽい雰囲気です。特に、センターディスプレイは非常に大型で11.6インチもあり、このクルマのデジタル感を増幅しています。もうひとまわり大きければテスラといい勝負です。

 

【GOD PARTS 2】ステアリング

スイッチが多すぎてちょっとわかりにくい

様々な操作をステアリング上のスイッチでこなせます。あまりにもスイッチが多すぎてわかりにくいですが、ステアリングフィールは最高です。なお、「STIスポーツ」グレードでは、レッドステッチがスポーティ感を演出しています。

 

【GOD PARTS 3】水平対向エンジン

重厚感は失われたがレギュラーガソリンでOK

1.8ℓの4気筒水平対向ターボエンジンは、先代型より排気量がアップしましたが、最高出力の向上はわずかなのが残念です。ボクサーエンジンらしい重厚感も薄れていますが、レギュラーガソリン仕様とはうれしいかぎりです。

 

【GOD PARTS 4】2本出しマフラー

後ろ姿をスポーティに見せる2本出しマフラー

かつて2本出しマフラーといえば、高性能モデルの象徴のような仕様でした。レヴォーグはステーションワゴンでありながら単なる道具ではなく、スポーティな走りもこなせるということで、2本出しも似合います。

 

【GOD PARTS 5】ドライブモード

まるでスマホをいじるかの感覚

ステアリングの「MODE」ボタンを押すと、ディスプレイ全体にドライブモードの選択画面が表示されます。タッチパネル操作なので、スマホをいじる感覚でエンジンやサスペンションなどの制御具合を変更できます。

 

【GOD PARTS 6】STI

スポーツモデルの象徴が大人な乗り心地を実現

スバルのスポーツモデルに冠された名称が「STI」です。かつては激しい走りを連想させましたが、現在は上質な仕様になりました。このSTIグレードにはZF製電子制御ダンパーが搭載されていて、乗り心地も安定感も最高です。

 

【GOD PARTS 7】エアインテーク

ターボ車らしさをデザインで表現

ボンネット上に開けられた穴は、空気の取り入れ口です。かつてターボ車といえば、必ずボンネット上にこのような穴がありましたが、最近は穴のないターボもあります。新型レヴォーグには穴が残され、ターボ車らしくてうれしいです。

 

【GOD PARTS 8】ヘッドライト

ピストン型でシャープな印象

スタイリングは先代型より質感が高く、ラグジュアリーな雰囲気になりました。なかでもこの“コの字”型のヘッドライトはシャープで大人っぽい印象です。ちなみに、この形状はボクサーエンジンのピストンを表現しているそうです。

 

【GOD PARTS 9】ラゲッジルーム

用途を悩むほど広い床下収納スペース

これぞステーションワゴンという容量492ℓの広いラゲッジルームを備えています。当然、リアシートは前方へ倒して荷室を広げることもできます。さらに床下のボードを持ち上げれば、こんなに大きな床下収納(写真下)が! 何を収納するか悩みます。

 

【これぞ感動の細部だ!】アイサイトX

「ぶつからないクルマ」の進化は続く

いまやスバルの象徴ともいえる先進安全装備「アイサイト」は、さらに進化して、名称も「アイサイトX」へと変更されました。自動車専用道路で60㎞/h以下という条件はありますが、「渋滞時ハンズオフアシスト」機能は、自動運転への第一歩。センターディスプレイ上部にあるカメラはドライバーの居眠りまでチェックしてくれます。より操作がイージーになって「ほぼ絶対ぶつからないクルマ」への進化に期待できます。