車高が少し高く、荷物もたくさん積めるカッコ良いクルマ——SUVのイメージはほぼ同一だが、運転のしやすさや使い勝手はやはり異なる。SUVの購入検討時に必ずチェックすべき点を、多くのSUVに乗車経験があるプロが伝授する!

※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【私が解説します!】

モータージャーナリスト

岡本幸一郎さん

1968年生まれ。コロナ後に家族で旅するためのSUVの購入を検討中。メカニズム関連にも詳しい。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

【Point.1】エンジン車 or ハイブリッド車

燃費だけでなくドライビングフィールにどんな違いがあるか

いくらハイブリッドが低燃費でも、価格差の元を取るのはまず無理で、むしろ走り味の好みで選ぶべき。最近ではレスポンスが良くトルクフルで走りが気持ち良いハイブリッドが増えているので、そこに価値を見出せるかどうかでどちらを選ぶか決めたほうが賢明だ。

 

<トヨタ・CH-Rの場合>

トヨタのコンパクトSUV。リアのドアノブをCピラーに隠すなどクーペライクなデザインが特徴。1.2Lモデルには6MTも用意され、その走りをアピールする。

 

■エンジン車

価格:238万2000円〜271万5000円

燃費:14.9km/L(WLTCモード)

ターボ搭載の1.2Lエンジンはアクセルの操作に応じて瞬時に反応。滑らかに素早く伸びていく加速フィーリングを楽しめる。

 

■ハイブリッド車

価格:274万5000円〜304万5000円

燃費:25.8km/L(WLTCモード)

モーターが生み出すトルクをフル活用。動き出しの瞬間からアクセルに反応してスムーズに走行できる気持ち良さを実感できる。

 

【Point.2】運転のしやすさ

・乗降がしやすくドライビングポジションを取りやすいか

・前方だけでなく後方や斜め後方の視界も良いか

地上高が高いので、まずは乗降性が大切。最近ではサイドシルの下まで回り込んでドアが開閉するタイプが増えており、乗り降りしやすく服が汚れにくいなどメリットが多い。乗り込んでからは、ドライビングポジションの取りやすさや全方位の視界を確認しよう。

 

↑セダンなどに比べ床の位置が高いSUVは、当然シート位置も高くなる。乗車時の頭上空間と降車時の膝の動く量やグリップなどは要チェックだ

 

↑運転席で最適なポジションを取れるかをチェック。モデルによって異なるがステアリングのチルト&テレスコ、シートの高さ調整も忘れずに確認

 

↑背の高いSUVにとって後方視界は特に重要。ルームミラーの死角をカバーする補助ミラーの見え方や、その位置などはチェックしておきたい

 

【Point.3】フロントシートまわり

・どのような収納スペースがあるか

・いまや必要不可欠なUSBなどの端子類はあるか

運転環境と同じく、利便性も大切。USB端子がどこにあり、スマホがどこに置けて、コードをどのように取り回せるかなどもイメージしてみると良い。さらにスイッチ類の設定がどうなっているか、車種によって様々なタイプがあるので、しっかり確認しておくべきだ。

 

↑インパネまわりの収納力はある程度欲しいもの。またそれらの位置やフタの有無も使い勝手に影響するので、使い方を想定して見ておきたい

 

↑スマホ全盛の時代、充電やインフォテインメントシステムへの接続を考えるとUSBの位置は重要。ケーブルの取り回しも考慮して確認したい

 

↑Qi規格のワイヤレス充電器が装備可能なモデルも増加。ここではその位置や置きやすさ、取り出しやすさも併せて試してみたいところだ

 

【Point.4】リアシート

・乗降性と、着座したときにどれだけの余裕スペースがあるか

・快適にドライブできる装備はあるか

前席と同様、まず乗降性が大切。特に後席はドアの開く角度やドアの内張り、シートの角の形状の影響を受けやすい。さらに着座時の各部のクリアランスを確認。フロア中央部の張り出し具合や、リクライニングできるかどうかも一応調べておいたほうが良い。

 

↑普段3人以上で乗る場合には後席の乗降性は重要。凝ったデザインのモデルだと乗降がしにくいことも。ドアの開く角度も試しておきたい

 

↑座り心地や前席との距離、頭上スペースを確認。またシートのリクライニングやスライドが可能かもチェック。調整可能なクルマは多いのだ

 

↑いまや後席専用のエアコン吹き出し口は高級車だけの装備でなくなりつつある。その風向きや風量、USBや12V電源端子の有無を確認したい

 

【point.5】ラゲッジスペース

・テールゲートの開口形状やフロアの地上高

・リアシートを前倒ししたときの拡張性はどれだけか

テールゲートがどのように開くか、開くとどのような形状になっているか、ゴルフをする人はバッグが積みやすそうかどうか等をチェック。さらにリアシートを前倒しするとどうなるのか、フロア下のアンダーボックスがどのような形状になっているかもチェックしたい。

 

↑テールゲートは使い勝手に大きく影響する。地上高や荷物の載せやすさは必ず確認したい。荷室内部左右の張り出し幅も要確認ポイントだ

 

↑最近ではスペアタイヤを搭載しないモデルが増加し、そのぶん収納スペースを広くするモデルも。その広さや深さ、使い勝手をチェック

 

↑頻繁には使わないかもしれないが、後席を倒した時の段差は確認ポイント。長尺物の積載時に段差が影響するため、しっかりチェックしたい

 

【Point.6】安全運転支援技術

・機能の内容と他社との違いは何か

・高速道路でのACCはスムーズか

どのような機能があるか、他社との違いは何か、どんなセンサーを使っているか、得意/不得意な点をできるだけ詳しく理解しておいたほうが良い。試乗時に高速道路に乗れれば、ACCの追従のスムーズさや、車線維持機能がどのように利くかも確認してみよう。

 

↑衝突被害軽減ブレーキの対象は知っておきたい。メーカーごとに夜間の歩行者検知などに違いがあるからだ。万一の装備こそしっかり把握したい

 

↑死角を補ってくれる後側方車両検知機能もチェック。これもモデルによってその検知範囲に違いがある。後退時の安全支援装置も確認したい

 

↑高速道路走行時の運転をラクにしてくれるACCの範囲は確認事項のひとつ。稼働可能な車速帯、渋滞追従機能の有無なども併せてチェック

 

【Point.7】快適・便利機能

・グレードごとの標準装備と、オプションで必要な費用はどのくらいか

車種によっては他車にない特徴的な装備が設定されているケースもある。同じ車種でもグレードによって設定が異なり、好みのオプションが選べないこともあるので、そのあたりはできるだけ詳しく情報を収集すべし。上級グレードを選んでおけばほぼ間違いはない。

 

○……標準装備 △……メーカーオプション ×……装着不可

 

↑寒い季節に便利なシートヒーター。寒冷地仕様では標準装備が増えてきたが、オプションで設定可能かどうかもチェックしておきたい