この数年、2〜5万円前後の高価格帯の扇風機が、当たり前のように売り場に並んでいます。このプレミアム扇風機は、デザイン性や機能、そして風の質など、さまざまな点が従来までの「ただ羽根を回して風を送るだけ」である数千円の扇風機とは一線を画しています。

 

そんななか、「3D立体首振り」という首振りの自由度で人気なのが、三菱電機のサーキュレーション扇風機 SEASONS(シーズンズ)シリーズです。左右180°と上下100°という、圧倒的に可動範囲が広い首振りで、扇風機やサーキュレーターとして使えるのはもちろん、部屋干しのサポートまでしてくれる製品。今回は最新モデル「R30J-DDA」(実売価格3万7400円・税込)を使用し、実際に使ってわかったメリット・デメリットについて、詳細をレビューしていきます!

↑プレミアム扇風機はデザイン性の高さも特徴。R30J-DDAもシンプルながら高級感のあるデザイン。安っぽさがないのでリビングへの設置にピッタリ

 

2段階の高さ調整で扇風機にもサーキュレーターにもなる

まずはR30J-DDAの基本性能からチェックしていきましょう。通常時の本体サイズは幅370×奥行370×高さ1020mmと一般的なサイズ。ただし、本体重量は5.1kgと少々重め。移動には向きませんが、しっかりとした安定感があり、子どもやペットのいる家庭でも安心して使えそうです。また、本体の高さはポールを外すことで580mmまで低くすることもできます。

↑標準時(左)は高さ1020mm、ポールを外すと(右)580mmにすることも。580mmサイズにすると扇風機というよりサーキュレーターのような見た目。冬は短くして暖房のサポートとして利用すれば、一年中便利に使用できます

 

3D立体首振りは部屋干しのサポートに便利

本製品の大きな特徴のひとつが、3D立体首振り機能。左右180°、上下100°の首振り機能を搭載しており、自動首振り機能をONにすれば広い範囲に風を行きわたらせることができます。一般的な扇風機は左右の自動首振り機能はあるものの、上下は手動で角度が変えられるだけ、という製品がほとんど。そんななか、R30J-DDAは左右上下どちらも自動首振りに対応しています。また、一般的な扇風機は左右100°、上下40°程度の可動域が標準的なので、比較するとR30J-DDAの可動域の広さが際立ちます。

 

我が家でこの立体首振りと可動域の広さが特に役立ったのは部屋干しのサポート。左右首振り範囲が広いので、並べた洗濯物の端から端までしっかり送風。さらに、上下左右に首振りをするので、洗濯物の乾燥サポートと部屋の空気の攪拌が同時にできるのもうれしいポイントでした。

↑左右はなんと180°の首振りが可能。一般的な扇風機は左右100°くらいしか可動域がないため、この自由度の高さはうれしいポイントです

 

↑上下は100°の首振り。ちなみに上方向90°(左)、下方向10°(右)の首振りとなります

 

↑我が家では真上に向けて部屋干しのサポートに使用。 乾燥時は衣類の下部分に湿気が溜まるので、本体の高さを縮めて扇風機を衣類の真下にセットできるのは便利でした。しかも真下に置けば邪魔になりません

 

ただし、メリットばかりではなく、気になる点もありました。それが、縦方向の首の角度を調整する方法。左右の角度は10°ずつ調整できる専用の操作ボタンがあるのですが、縦方向の変更にはこういった専用ボタンがありません。とはいえ、普通の扇風機のように手で無理やり角度を変更するのは厳禁。というわけで、首振り機能を作動させて「この角度!」というタイミングで首振りをストップする手間が必要。洗濯乾燥のために真上に向いている首をもとの位置に戻すのに毎回、最適な角度になるまで待つのが少々面倒に感じることもありました。

 

シンプルなデザインに昔ながらの操作性が使いやすい

扇風機をリビングに設置するなら、インテリアを壊さないデザインも重要です。その点、R30J-DDAは羽根前面のアミ部分がらせん状になっており、高級感のある印象。羽根が透明な樹脂で軽やかなイメージがある点も気に入っています。

↑シンプルなようでいて複雑な造形。今回試用した実機のカラーは爽やかなピュアホワイトですが、重厚感のあるチャコールブラックも用意されています

 

R30J-DDAのデザインでもうひとつ気に入っているのが、ベースに操作ボタンを配置していること。最近のデザイン扇風機は、ベース部をスッキリ見せるためにヘッド裏にボタンを配置している製品が増えています。そうなると、足で操作できないのがズボラな筆者には少々悩ましいところ。ベースにボタンが集中したR30J-DDAなら、両手がふさがっていても電源を入れたり、風の強さや首の位置を変更したりすることが可能です。

↑ベース部分に配置された操作ボタン。選択中の操作がLEDで光るのもわかりやすいです

 

反対に、デザイン面で気になったのがコードとリモコン。R30J-DDAのコードは使用していない間は本体裏面に収納できるのですが、そのためかコードを引っ張り出すとクセがついてヨレてしまっていました。また、リモコンは使用していない間は本体ベース部分に収納可能。このリモコン、薄型コンパクトなのは良いのですが、本体のデザイン性の高さと比較すると、もう少し高級感がほしかった……と感じるところです。

↑ベースを裏返すとコードの収納スペースがあります。コードは細い上にグネグネと曲がってしまうので、床を這わせると正直、見た目がいまひとつ。ただ、プラグの端子の根元に絶縁処理を施しているなど、細かな部分での安全設計は「さすがは三菱製!」と感じます

 

↑付属のリモコンはベース側面に収納可能。台から出すのにかがむのは面倒ですが、収納場所が決まっているのでリモコンをなくさないメリットはあります

 

テレビの音を邪魔しない! 優しい風も魅力的

ここまでは本製品の基本性能について言及しましたが、R30J-DDAは使ってみるとその価値を実感できます。R30J-DDAを使用して、まず驚くのは静音性の高さ。風量は1から5までの5段階で変更できるのですが、2までの風量ならば比較的静かな部屋でも、耳をそばだてなければ駆動音にほとんど気がつきません。3以上だと、さすがに扇風機特有の「フワァーン」という音がかすかに聞こえますが、最大風量にしても安い扇風機の「弱」レベルの音しかしません。

 

これは、ちょっと感動するレベルの静音性の高さです。DCモーター搭載のプレミアム扇風機には静音性が高い製品が多いのですが、そのなかでもトップクラスの静音性だと感じます。あまりにも静かなので、風呂上がりに扇風機前で涼みながらテレビを視聴していたところ、風量2で扇風機の前50cmに座っても、扇風機の駆動音がまったくテレビ視聴の邪魔をしませんでした。これはかなりスゴイ静音性です。

↑室内は扇風機を動かしていない状態で38.8dB。我が家で一番よく利用した風量2だと41dBでした。ちなみに、最大風量では58.1dB。写真では羽根から10cmの距離で計測していますが、最大風量でも50cm離れると40dB台後半(静かな事務所レベル)とかなり静か! 狭い部屋でも安心して使えそうです

 

↑静音性の秘密は、航空機の低騒音化対策にも使われるという「エクストラウィングレットファン」の羽根形状。横からみると羽根が一枚一枚複雑な曲線を描いているのがわかります

 

整った優しい風が遠くまで届く

また、驚くのが「風の優しさ」。風量3以上にするとそれなりの風圧があるのですが、肌にあたる風が「整っている」ように感じます。安い扇風機にありがちな乱れた気流を感じないのです。

 

実際に風量をチェックしたところ、羽根から10cmあたりで最大風量だと3.4m3/s。これは、標準的な扇風機と同じくらいの風量です。しかし、風を整えて送り出しているためか、最大風量時なら10m近く離れてもフンワリと優しい風を感じられます。微風モードでも触れると涼しく感じる優しい風のため、長時間風にあたっても疲れない点も気に入りました。

↑10cmほどの位置で風量を計測すると3.2m3/sでした。この数値だけみると普通の扇風機なのですが、面白いのが3m離れても2.0m3/sほどの風量をキープしていたこと。風が整っているためか、普通の扇風機より風の減衰が少ないように感じます

 

リビングや寝室に置くのにオススメ

最近は扇風機とサーキュレーターが一体化した製品が増えているため、扇風機は一年中リビングに出しっぱなし、という家庭も増えてきました。そんななか、デザイン性が高く、さらに3D立体首振りと広い可動域により、広いエリアに風を送れるR30J-DDAはまさにリビング向けの製品だと感じました。

 

そして、R30J-DDAを実際に使って実感したのが、扇風機が静かであることの快適さ。リビングは映画を観たり、家族や来客と話をしたりと音に集中することが多い場所なので、この静音性の高さは本当に魅力的。今回、我が家では部屋干しなどの関係で主にリビングで利用しましたが、駆動音が小さいので、寝室で使用するのにも向いているでしょう。

 

また、騒がしい家電量販店でこの静かさを体感するのは難しいかもしれませんが、もし店舗でR30J-DDAをチェックできるなら、ぜひ「風の優しさ」を確認してもらいたいですね。本製品は可動域の広さ、デザイン性、静音性、風の優しさと、いずれも兼ね揃えたワンランク上の扇風機だと感じました。

↑使用しないときは分解してコンパクトに収納もできます。細かなところまでよく考えられている製品です