一人暮らしにとって、この一年は外食がしづらい日々。自宅で調理して食事する機会が増えれば、食器を洗う機会も同じように増えます。地味に時間を食うし、手が荒れる人もいますよね。食器洗い乾燥機は使いたいけれど、賃貸では水道工事もままならないし、シンク横に置き場所なんてない……。そんな一人暮らしにとって魅力溢れる製品が、工事不要のタンク式です! ただし、本当に一人暮らしにとってムリのないアイテムなのかは使ってみないとわからないところ。今回は一人暮らし視点で、シロカの食器洗い乾燥機の最新モデル「SS-MA251」(実売価格5万9800円・税込)をレビューしてみました。

↑シロカの食器洗い乾燥機 アドバンスシリーズ オートオープンタイプの「SS-MA251」。本体サイズは約W42×D44×H47cm、質量は約13.5kg(本体、かご、小物入れ、小物かご)。水道水圧は0.04MPa〜1MPa、使用水量は約6L、専用洗剤の標準使用量は約4g。消費電力は726W/740W(50Hz/60Hz)

 

タンク式は設置場所の自由度が高い

タンク式は水をあらかじめタンクに溜めておき、そのタンクから洗浄水を供給する仕組みです。SS-MA251は分岐水栓を使って水道直結も可能ですが、今回はそれをせずに、給水カップを使いました。これなら水道工事は不要というわけです。

↑本体の背面下部。中央に出ているのは電源ケーブル。左端の黒いものが排水栓で、その右が給水栓(今回は使用せず)です

 

タンク式は水道から離れていても使えるため、設置場所の自由度が高いのが魅力。シンクやキッチンカウンターが狭くて、食洗機を置く場所がないという場合も、ワゴンやレンジ台などに設置できます。それどころか極端な話、台所以外の部屋にも設置できるんです。

 

一人暮らしや少人数世帯では、台所にスペース的な余裕があるというケースは、実はそれほど多くないのではないかと思います。かくいう我が家の台所も当初シンク脇に設置しようと考えていたのですが、吊り下げタイプのラックにギリギリでぶつかるため設置できないことが判明……。ラックを外すには工事が必要なので、他に置き場を考えることになりました。色々な場所に置いてみて試すことは考えていましたが、一番標準的なはずのシンク脇が試せなかったのは残念。排水はホースがシンクに届かないので、バケツを用意しました。

↑排水栓に付属の排水ケーブルを取り付けます。金属の留め具を回してしっかり固定します

 

設置場所は水平で安定した場所が推奨されています。傾いた場所だと、水漏れしたり、正しく動作しなかったりする場合があるようです。取扱説明書を読むと、本体の上部は70cm以上空けるようにという記述がありました。冷蔵庫の上に設置することも考えていたのですが、これだとこの条件がクリアできません。

 

また、排水をバケツなどに行う場合、排水ホースの先端は製品の設置面より低くする必要があります。つまり、床置きはほぼ不可能。……というわけで結局、台所のテーブルの上と、メタルラックの中の2か所の設置を試しました。メタルラックには普段オーブンレンジを入れてあり、それと入れ替えての利用です。

 

給水トレイのおかげで水入れが意外と簡単

使用時は必ず給水前に電源を入れ、ブザーが鳴って給水アイコンが消えるまで給水します。給水は給水カップ4〜5杯。使用するたびにブザーが鳴るまで水を入れます(お湯の使用は故障の原因となるので不可)。なお、満水以上給水すると本体の底面から水がこぼれてしまうので注意が必要。

 

この水を入れる作業に関して、特筆しておきたいことがあります。従来機種から進化した部分の中でも、特に優れものだと思ったもの。それが、付属品の給水トレイです!

↑意外に良かった付属品の給水トレイ。「なんだよこれ」などと言うことなかれ

 

この給水トレイは本体上部の給水口に水を注ぎやすくするアイテムで、実は先にテーブルの上に設置して使っているときは「要らないんじゃないの?」と思っていました。ところが、メタルラックに設置してみて、この給水トレイの優秀さに気が付きました。壁際に設置すると、給水口が奥になるので、給水トレイがなかったら手を伸ばして給水するのが結構大変なのです。

↑給水トレイを使えば、給水口から遠い手前側からでも、2L近い水をこぼさないように簡単に入れられます

 

食器の数を上限まで入れるのは実は結構難しい

一度に洗える食器は約16点とのこと。取扱説明書では、大皿2点、中皿2点、小皿2点、中鉢2点、小鉢2点、茶碗2点、汁碗2点、コップ2点、小物類(箸、スプーン等)という内訳になっています。大皿は直径27cmまで対応。一人暮らしなら一日一度の運転で十分まかなえる量ですが、これだけ一度に入れるのは実は結構大変です。特に碗物に大きめのどんぶりを使っていたりすると、バランスが崩れて小鉢が入らないなんてことも……。あくまで目安です。

 

食器洗い乾燥機専用洗剤は、ドアの内側の所定のスペースに入れます。ドアを閉めると内側にたれてしまう構造なので、最初は使い方が間違っているのではないか? と疑問でしたが、特に支障なく洗浄できました。しばらく使っても違和感が拭えないものの、ここは慣れるしかなさそうです。

↑ドアのくぼみ(写真手前)に食器洗い乾燥機専用洗剤をセット。ドアを閉めるとこぼれそうですがこれでOK

 

運転音は予想以上に静かで振動も少ない

最後にコースを選んで「スタート」を押します。洗浄コースは「標準」「念入り」「おいそぎ」「ソフト」「高温すすぎ」「庫内洗浄」の6つから選べます。

 

SS-MA251は従来機種「SS-M151」と比べ、各コースでの洗浄時間がほぼ3分の2に短縮されています。標準では1時間5分、念入りでも1時間12分で終了します。

↑「おいそぎ」コースは軽い汚れのもの、あらかじめつけ置きや水洗いしたものを洗浄するコース。送風乾燥はなく、37分で終了します

 

運転開始時間を調整するタイマー機能も備えています。1時間単位で6時間後まで洗浄開始時間をセット可能なので、出かける前にセットして、帰宅するころに終了するように調整したり、就寝前にセットして起きるころに終わらせたりできます。

↑「予約」ボタンはいわゆるタイマー機能です

 

運転が始まると本体下部の噴射式の回転ノズルから水が勢いよく吹き出し、食器を洗浄していきます。ゴシゴシとこすって洗浄しない代わりに、専用洗剤は一般の台所用洗剤よりかなり強力になっています。時間も掛けて洗浄してくれるのでゆっくり待ちましょう。

↑下から水が噴き上がっているのがお分かりいただけますでしょうか。結構勢いもあります

 

使用前は騒音と振動も気になりましたが、思っていた以上に静かで振動も抑えられていました。稼働中の騒音をスマホアプリで計測してみると、運転コース「念入り」での動作音は45〜50dBといったところ。他のコースでもほぼ同じでした。エアコンの稼働音より少し大きい、一般的なオフィスくらいの音です。隣室で扉を閉めて計測すると壁際でも30dBくらいに抑えられていました。遅い時間でもそこまで気にしなくて良さそうなレベルです。

↑稼働中の騒音は45〜50dBでした

 

オートオープン機能で洗浄後に蒸気を逃がす

オートオープン機能を利用していると、終了まで残り2分になった時に「ピーッ」という電子音がして「ガチャッ」とドアが開きます。オートオープン機能は、洗浄後に蒸気を逃がし、食器と庫内を自然乾燥する独自機能(※)。このまま2分間待つと再び電子音が鳴ってカウントの表示が「The End」に。これ以上ドアを開くのは手動です。

 

なお、庫内に明かりは用意されていないので、ドアを明けた時に庫内が暗くなる場所に設置していると、庫内を確認しづらくなりそうです。

※おいそぎコースやその他のコースでオートオープンを設定している場合は、送風(1時間)を行いません

↑オートオープン機能でドアが自動的に開きます。なお、オートオープン機能が作動してドアが開いたあと5分間は扉を閉めてはいけません。故障の原因になるからだそうですが、この点は少し分かりにくいと感じました

 

しばらく待ってからドアを開き、奥からかごを引き出します。お皿や器の入れ方によっては、水が溜まっているところもありますが、汚れはキレイに落ちています。ふきんでサッと水滴を拭き取って片付ければおしまいです。

↑洗浄完了!

 

カピカピのカレーとごはん粒もキレイに落ちた

一通り使い方を把握したところで、汚れ落ちをテストしてみましょう。カレーとごはん粒がついた皿を用意し、小一時間ほど乾燥させてカピカピにしてから、SS-MA251のカゴに入れました。

 

特にごはん粒はスポンジで洗うときの大敵。なかなかきれいに落とせなくてイライラすることもありますよね。果たして結果は……?

↑テストのために用意したカレーとごはん粒が付着した皿。筆者の名誉のために触れておきますが、普段はもっとキレイに食べていますからね!

 

テストは「念入り」コースで実施(ついでに他の食器も入れて洗浄)。洗浄後のお皿はどちらもキレイに汚れが落ちていました。

↑洗浄後。汚れ落ちはバッチリです

 

設置の課題をクリアできれば便利なアイテム

実際に使ってみて感じたこととして、やはり本体の置き場所を考える必要があるという点が挙げられます。本体サイズは約W42×D44×H47cmと比較的コンパクトではありますが、一人暮らしという限られた生活空間のなかで、このスペースを確保するのは結構大変です。

 

洗った食器を乾かしておく場所が不要になるはずと思う人もいるかもしれませんが、筆者の場合は洗ったそばからふきんで拭き取って片付けているので、そもそもそんな場所は最初からありません。また、今回はテーブルの上とメタルラックの中を試し、使い続けるならメタルラックの中だろうという結論に達しました。とはいえ、オーブンレンジの置き場所を考え直さねばならないので、ここが悩みどころ。そう考えると、一人暮らしの筆者の場合、やはり設置の面での制約の大きさを感じてしまいました。

 

とはいえ、筆者と違って台所に設置スペースが確保できる人は、ぜひ検討して欲しい製品だと思います。実際のところ、使い慣れてくると一人暮らしにはこの容量でちょうどいいとも感じました。日々の食器洗いに掛けている時間を節約したい、キレイに洗うのが苦手、台所用洗剤で手が荒れてしまう……そんな人にはかなり魅力的ではないでしょうか。

 

水道工事が不要で、賃貸でも手軽に導入できるのも非常に大きな利点です。引っ越しのタイミングに併せて導入し、最初から台所のレイアウトに本機の置き場所を組み込んでしまうのも良さそうですね。

↑ちなみに、排水をシンクに直接流し込めない環境では、ホースストッパー付きのバケツがあると便利です(写真)。バケツも一緒に揃えるつもりなら、覚えておいて損はないですよ

 

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