「さつま白波」や「神の河」などで知られる本格焼酎の蔵元・薩摩酒造が、地元の魅力を生かした個性派の新商品を発売しました。その名は「燻枕崎(いぶしまくらざき)」。枕崎で燻す、と聞けば和食好きの人にはピンとくるのではないでしょうか。特徴や味わいを中心に、レビューしていきましょう。

↑6月7日から薩摩酒造公式通販サイト「白波通販ショップ」で限定発売されている「燻枕崎」(2000円/税込)。アルコール分25%、720mL

 

焼酎の匠とかつお節の名手が郷土愛を込めて生み出した

薩摩酒造は1936年から続く老舗で、その拠点が鹿児島県の枕崎市。薩摩半島の南部に位置し、約2万人が暮らす海沿いの港町ですが、潮風とともに流れるのがスモーキーな香りです。それは、枕崎が「かつおのまち」として全国でも有数の名産地だから。

↑枕崎におけるかつお節の製法は、300年以上続く伝統的な職人技となっています

 

1年間で枕崎に揚がるかつお(鮮魚)の数は、人口の約1100倍(年間水揚量:約7万トン)。人よりもかつおのほうが多く、かつお節に関しては全国で鹿児島県がダントツのシェアを誇り、その中心地が枕崎なのです。

 

一方、鹿児島県のお酒といえば芋焼酎であり、この地で長年酒造りを営んできたのが薩摩酒造。そこで「枕崎の空気を詰め込んだ本格焼酎を届けたい」との強い思いから、地元で60年以上の歴史を持つかつお節の造り手「金七商店」と協業。約2年の試行錯誤を経て「燻枕崎」が完成したそうです。

↑さつまいも(左)を、かつお節由来の薫煙にさらしながら約2時間燻します

 

金七商店も屈指の名手で、2016年には4年に1度の鰹節類品評会で「一本釣鰹本節」が農林水産大臣賞の栄誉に。モーツァルトの楽曲を聴かせて作る「クラシック節」も全国的に有名で、その妥協なきクラフトマンシップはNHKで放送されている「プロフェッショナル仕事の流儀」でいっそう広まりました。

↑家族で代々受け継がれる「金七商店」のものづくり。左から2人目の方が四代目の瀬崎祐介さん

 

そんな「燻枕崎」は、どんな味わいなのか。グラスに注いで飲んでみました。

 

 

芋の甘みに燻製の芳香。未体験のウマさがここに!

「燻枕崎」ならではの、うまみとかつお節のスモーキーな香りを最大限に楽しむには、ロックやお湯割りが特にオススメとのこと。そこで、いまの季節に合うロックでひと口。グラスを近づけると、未知なる芳香が鼻孔をくすぐります。

↑ラベルデザインは、枕崎に立ち上る燻煙をイメージ。墨色の背景に、うっすらと煙が浮かんでいます

 

野性味あふれる燻香ながら、シャープではなくまろやか。樽の香りよりもウイスキーのピート(泥炭)による香りに近いですが、とはいえウイスキーのスモーキーフレーバーとは方向性がやや異なる独自のものです。

↑液の色味はクリアで味わいはどっしり。甘やかさを感じるのはさつまいもによるものでしょうか、リッチなうまみにスモーキーフレーバーがのり、絶妙なバランスです

 

ペアリングにはチーズやナッツのほか、和風のおつまみや、いぶりがっこなどクセのあるものがオススメとのことで、こちらも用意しました。

↑スモークチーズにスモークナッツ、いぶりがっこをペアリング

 

これはたまらない組み合わせ! 焼酎の香りと燻製つまみの風味が調和し、杯の手が止まりません。焼酎単体の飲み口もペアリングのテイストも、これまで体感したことのない味わいで、驚きのおいしさです。

↑次はハイボールを試すことに。焼酎1に対して強炭酸水を3の割合で作りました

 

味は、ボリュームのあるスモーキーフレーバーに焼酎の甘やかさと爽やかな炭酸の刺激がひとつになった、ワイルドな清涼感が広がる印象。余韻の香りはしっかりめでありながら、シュッとキレのある余韻で心地よいおいしさです。

↑こちらはかつおとのペアリングを試します。用意したのはかつおのたたきに、かつおの油漬けとかつお節をのせた山芋の千切り

 

焼酎の味にかつおのニュアンスはありませんが、かつおたたきの皮の香ばしさと、焼酎のスモーキーフレーバーがマッチ。山芋のつまみとの相性もよく、やはりかつお節との一体感はドンピシャです。

↑今回は家飲みでしたが、キャンプの炭火焼きにも合うこと間違いなし! 今夏、ぜひお試しあれ

 

ウイスキーでスモーキーフレーバーが豊かなのは、スコットランドのアイラ島で生まれるアイラウイスキー。あのたくましい香りが好きな人に絶対試してほしい焼酎が、この「燻枕崎」です。数量限定なので、気になる人は要チェック!