筆者は今年の夏、2台のフラッグシップスマホを購入。シャープ製の「AQUOS R6」とOPPO製の「OPPO Find X3 Pro」です。

 

AQUOS R6はライカが監修したカメラを搭載するモデルとして注目を集め、ドコモ(税込11万5632円)とソフトバンク(税込13万3920円)から発売。

 

一方のOPPO Find X3 Proは、ディスプレイとカメラ性能の高さが話題となったモデルで、au版(税込12万2095円)とSIMフリー版(税込11万8000円)が販売されています。

 

↑左がOPPO Find X3 Pro、右がAQUOS R6。筆者はドコモ版のAQUOS R6とSIMフリー版のOPPO Find X3 Proを購入しました

 

↑OPPO Find X3 Pro(左)は顕微鏡カメラを含む4眼カメラを搭載。AQUOS R6(右)のカメラは単眼で、カメラには1インチの画像センサーを搭載

 

【両モデルの外観をチェック】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは表示できません。

 

どちらも高価格ですが、カメラ性能の高さやフラッグシップモデルにふさわしい優れた基本性能を備えており、選び切れずに両モデルを買ったという次第です。そこで、せっかくなので両モデルを使い比べてみました。

 

AQUOS R6 OPPO Find X3 Pro
ディスプレイ 約6.6インチ Pro IGZO OLED(2730×1260ドット) 約6.7インチ AMOLED(3216×1440ドット)
リフレッシュレート 最大240Hz 最大120Hz
アウトカメラ 約2020万画素/F値1.9 広角(約5000万画素/F値1.8)+超広角(約5000万画素/F値2.2)+望遠(約1300万画素/F値2.4)+顕微鏡(約300万画素/F値3.0)
インカメラ 約1260万画素/F値2.3 約3200万画素/F値2.4
SoC Snapdragon 888 Snapdragon 888
メモリー/ストレージ 12GB/128GB 12GB/256GB
外部ストレージ microSD(最大1TB) ×
バッテリー 5000mAh 4500mAh
eSIM × ○(SIMフリー版のみ)
FeliCa(おサイフケータイ) ×
防水/防塵 IPX5・IPX8/IP6X IPX8/IP6X
サイズ/重量 約162×74×9.5mm/約207g 約163.6×74.0×8.26mm/約193g
OS Android 11 ColorOS 11 based on Android 11

 

【本体デザイン】サイズ感は同等、高級感ではOPPO Find X3 Proに軍配

まずは外観からチェックしていきましょう。AQUOS R6とOPPO Find X3 Proはサイズ・重さともに近いので、ホールド感に大きな差はありません。また、どちらもディスプレイの左右に曲面処理が施されているほか、ベゼルは細く仕上がっています。

 

↑本体サイズは同等で、手にしたときに感じる厚みや重さにも差は感じられません。なお、パンチホール型のインカメラの搭載位置は異なりますが、使い勝手には影響しませんでした

 

操作ボタンは、AQUOS R6は右側面に音量キー、アシスタントキー、電源キーを搭載。アシスタントキーは「Google アシスタント」を起動する初期設定になっていますが、AQUOSに搭載されている人工知能「エモパー」のほか、ドコモ版ではユーザーに合わせた情報を提示してくれる「my daiz」を設定することも可能です。

 

一方のOPPO Find X3 Proは、左側面に音量キー、右側面に電源キーを搭載し、アシスタントキーはありません。

 

↑AQUOS R6の右側面。上から音量キー、アシスタントキー、電源キーを搭載

 

↑OPPO Find X3 Proは左側面には音量キーを、右側面には電源キーを搭載

 

また、AQUOS R6は3.5mm穴のイヤホンジャックを備えていますが、OPPO Find X3 Proにはなく、USB Type-Cポートが音声出力を兼ねています。これにともない、OPPO Find X3 Proには、USB Type-C端子のイヤホンが同梱されています。

 

↑AQUOS R6の底面にはイヤホンジャックとUSB Type-Cポートを搭載。SIMスロットは本体上部に備えています

 

↑OPPO Find X3 Proの底面にはUSB Type-CポートとSIMスロットを搭載。SIMフリー版は、SIMスロットに2枚のnano SIMを装着できます

 

なお、AQUOS R6はmicroSDカードを搭載してストレージを拡張できるうえに、FeliCa(おサイフケータイ)に対応しています。一方のOPPO Find X3 ProはSIMフリー版だと、デュアルSIMでeSIMに対応。使いたい機能によって、どちらのモデルを選ぶか変わってくるでしょう。

 

↑AQUOS R6はFeliCaを搭載し、おサイフケータイを利用可能

 

↑OPPO Find X3 ProのSIMフリー版はeSIMに対応し、物理SIMと組み合わせて、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)で利用可能

 

背面はどちらもカメラを主張するデザインに仕上がっています。AQUOS R6は高性能カメラの存在感をアピールするように、中央上部にカメラを配置。かなり出っ張っていますが、それゆえにレンズに指が当たる心配はなさそうです。

 

OPPO Find X3 Proは4眼カメラのあたりが緩やかに隆起するユニークなデザインになっています。なお、OPPO Find X3 Proにはスマホケースが同梱されていて、これを取り付けるとカメラ部の盛り上がりは目立たなくなります。

 

↑左がAQUOS R6で、右がOPPO Find X3 Pro。カメラ部のデザインが大きく異なります

 

↑OPPO Find X3 Proに同梱のケース。これに収めるとカメラ部の出っ張りが気にならなくなります

 

カラバリはAQUOS R6が「ブラック」と「ホワイト」で、どちらも光沢仕上げ。OPPO Find X3 Proは鏡面仕上げの「グロスブラック」と磨りガラスのような手触りの「ホワイト」から選べます(au版はグロスブラックのみ)。質感としては、AQUOS R6はベーシックな印象で、OPPO Find X3 Proは従来のスマホとは一味違う新しさがあります。個人的には、OPPO Find X3 Proの方が高級感を感じることができました。

 

↑AQUOS R6のカラバリ

 

↑OPPO Find X3 Proのカラバリ

 

【ディスプレイ】明るさはOPPO Find X3 Pro、指紋センサーはAQUOS R6が上

両モデルのディスプレイはどちらも有機ELで、画面サイズはAQUOS R6が約6.6インチ、OPPO Find X3 Proが約6.7インチとほぼ互角。そして、それぞれのブランドにおいて “最高画質” のディスプレイを搭載していることをアピールしています。

 

実際に使い比べた印象は、AQUOS R6よりもOPPO Find X3 Proのほうが明るく鮮やかな色で表示されるように感じました。撮影した写真や動画を見るのに適しているのはOPPO Find X3 Proでしょう。ただ、Webページを見ているときには自動調整をオンにしていると眩しく感じられ、明るさを下げることもありました。

 

↑明るさを最大限にして比較。左がOPPO Find X3 Pro、右がAQUOS R6です。OPPO Find X3 Proのほうが明るく表示されました

 

↑Google フォトにアップしたデジカメ撮影の写真を表示。やはりOPPO Find X3 Proのほうが明るいです

 

スマホのディスプレイの仕様が詳細に公開されることは少ないですが、両モデルはセールスポイントでもあるため、詳しく見ることができます。

 

・AQUOS R6

解像度:2730×1260ドット

色彩階調:10億色

最大輝度:2000nit

コントラスト比:2000万:1

リフレッシュレート:最大240Hz

 

・OPPO Find X3 Pro

解像度:3216×1440ドット

色彩表示:10億色

最大輝度:1300nit(通常時は800nit)

コントラスト比:500万:1(ダイナミックコントラスト比は1200万:1)

リフレッシュレート:最大120Hz

 

解像度はOPPO Find X3 Proに軍配が上がりますが、輝度とコントラスト比はAQUOS R6のほうが高く、コンテンツに適した画質調整に優位性があると考えられます。とはいえ、両モデルともに画質調整機能は充実しているので、どちらも満足できる画質に設定できるはずです。また、どちらも10ビット(約10億7000万色)の色深度表示に対応し、グラデーションも美しく表示できます。

 

リフレッシュレートは、AQUOS R6が最大240Hz、OPPO Find X3 Proが最大120GHzと差があります。ただし、AQUOS R6は、1秒間に120回更新されるフレームの間に黒いフレームを挿入することで最大240Hzを実現した仕様。つまり、実際の240Hzと120Hzほどの大きな差はないと考えたほうがよいでしょう。

 

↑AQUOS R6は自動でコンテンツを認識して、最適なリフレッシュレートが設定される仕組み。高リフレッシュレートで利用したいアプリを手動でオンにすることも可能です

 

↑OPPO Find X3 Proは、リフレッシュレートの最大速度を選択できます

 

また、どちらもディスプレイ内に指紋センサーを搭載。特にAQUOS R6は、米クアルコムが開発した最新の「3D超音波指紋センサー」をいち早く搭載しています。このセンサーの指紋認識エリアは広いため、指を1回当てるだけで登録可能です。さらに、2本の指で同時に認証して、セキュリティを高めることもできます。指紋センサーの性能としてはAQUOS R6の方が高いと言えます。

 

ただ、OPPO Find X3 Proもスピーディーにロックを解除できるため、素早く使えるという点で差はありません。

 

↑AQUOS R6の指紋センサーは認識エリアが広く、登録も認証もスピーディー。2本指の認証によるセキュリティ性の高さも魅力です

 

↑OPPO Find X3 Proも画面内に指紋センサーを搭載。登録の際は、何度も指を当てる必要があります

 

【カメラ】ナチュラルなAQUOS R6、色鮮やかなOPPO Find X3 Pro

両モデルの大きな差分となるのはカメラです。

 

ライカ監修のAQUOS R6のカメラは、スマホとしては最大の1インチ画像センサーを搭載。有効画素数は約2020万画素と、最近のフラッグシップモデルとしては控えめですが、その分、1画素あたりの面積が大きくなります。つまり、光を多く集めやすく、より高精細な写真撮影を可能にした設計と言えます。

 

一方のOPPO Find X3 Proは、広角+超広角+望遠+顕微鏡の4眼構成。一般的にはメインとなる広角カメラの性能を重視して、超広角カメラはスペックを抑えることが多いのですが、OPPO Find X3 Proは、広角・超広角ともに約5000万画素で、どちらもメインと呼べるスペックを備えています。また、望遠は光学2倍で、画質劣化が気にならないハイブリッドズームは5倍まで。さらに、唯一無二の顕微鏡カメラも備えています。

 

構成の違うカメラでどのような差が出るのか、両モデルで撮った写真を比べてみましょう。両モデルともAIによる被写体・シーン認識機能を備えていますが、まずはAIオフで撮影しました。

 

↑AQUOS R6の超広角(0.7×)で撮影

 

↑AQUOS R6の広角(1×)で撮影

 

↑AQUOS R6の2倍ズームで撮影。デジタルズームですが画質の劣化は気になりません

 

↑OPPO Find X3 Proの超広角(0.6×)で撮影

 

↑OPPO Find X3 Proの広角(1×)で撮影

 

↑OPPO Find X3 Proの光学2倍ズームで撮影

 

↑OPPO Find X3 Proのハイブリッド5倍ズームで撮影

 

AQUOS R6は単眼ながら、画角を3段階に切り替えて撮影できるほか、同じ画像サイズで記録できます。撮影写真は明るくナチュラルな色で写るのが印象的です。

 

一方、OPPO Find X3 Proの広角と超広角は、AIをオフにしても、実際に見えるよりも鮮やかな色で写ります。ただ、望遠ではやや色味を抑えた写真になりました。

 

続いて、夜景モードを撮り比べてみました。

 

↑AQUOS R6の「ナイト」モードで撮影

 

↑OPPO Find X3 Proの「夜景」モードで撮影

 

どちらも、「うわっ!」と驚くほどキレイに撮れましたが、色調には差が出ました。AQUOS R6はナチュラルで暖かみのある色合いの写真になり、OPPO Find X3 Proは色彩が強く、ドラマティックな印象です。

 

続いて、料理をAIのオン・オフで撮り比べ。

 

↑AQUOS R6でAIをオフにして撮影

 

↑AQUOS R6でAIをオンにして撮影

 

↑OPPO Find X3 ProでAIをオフにして撮影

 

↑OPPO Find X3 ProでAIをオンにして撮影

 

AQUOS R6は、AIをオンにすると、暖色系が一気に強くなり、かなり鮮やかに見えます。

 

AIオフでも鮮やかに写る傾向があるOPPO Find X3 Proは、AIをオンにすると、グッと明るくなった印象で、“映える” 写真になりました。

 

↑OPPO Find X3 Proには「10ビットカラー」で撮影して、10ビット表示に対応するディスプレイで楽しめるという機能も。ただし、10ビットカラーで撮った画像は、汎用性の高いJPEGではなく、HEIF形式で保存されます

 

さらに、OPPO Find X3 Proに搭載されている顕微鏡カメラにも触れてみましょう。このカメラは30倍または60倍で撮影でき、布や紙、食材など、身近にあるものを撮影すると、肉眼では見えない表情を写せます。使ってみるとシンプルに楽しいです。また、5種類の特殊効果を使って、万華鏡を覗いたかのような模様を写すことも可能。オリジナルのデザイン素材として活用できそうです。

 

↑OPPO Find X3 Proの顕微鏡カメラでは、肉眼では見えない繊維の細部まで写せます

 

↑顕微鏡カメラでの撮影時に特殊効果を使うと、さまざまな模様を作れます

 

続いて動画もチェック。両モデルともに最大で4K(60fps)で撮影可能ですが、初期設定の1080p(30fps)で撮り比べてみたところ、静止画と同様に、AQUOS R6のほうがナチュラルで、OPPO Find X3 Proのほうが明るく鮮やかな色で撮れました。

 

なお、AQUOS R6には、ビデオ撮影時にAIがシャッターチャンスを認識して、自動で静止画も記録される「AIライブシャッター」という機能が搭載。ペットを撮影する際などに便利です。

 

↑AIライブシャッターはフルHDビデオの撮影時に有効。AIが被写体の向きや構図を認識して、自動でフルHD画質の静止画が撮影される仕組みです

 

【処理性能】パフォーマンスが互角だが、誤タッチや発熱でAQUOS R6がやや不利

最後に処理性能やバッテリーの違いを比較してみましょう。

 

性能の決め手となるSoC(チップセット)は、両モデルともに現行機種向けでは最高峰のSnapdragon 888を採用しています。また、メモリーも両モデルともに12GBと、カタログスペックは非常に近いです。

 

実際、どちらもタッチレスポンスは軽快で、アプリの起動・切り替えもスピーディーに行えます。

 

処理速度を比較するアプリ「Geekbench 5」でベンチマークを比べた結果、AQUOS R6のほうが若干高いスコアを記録しました。ただ、体感としての差はありません。

 

↑「Geekbench 5」でAQUOS R6のベンチマークを測定した結果。現行機種でトップクラスのスコアをマークしました

 

↑OPPO Find X3 Proも、AQUOS R6よりも若干低いものの、高スコアを記録

 

ただし、AQUOS R6には、使っていて気になることが2つあります。まず、画面縁に指が当たると誤作動しやすいこと。軽く指先が触れるだけで画面が切り替わったり、画面端に手や指が触れているとそれを認識して、画面のほかの部分をタッチしても反応しないということが起きたりします。レスポンスがいい、と言えばそれまでですが、慣れないのであれば市販のケースを使って解消したほうがいいでしょう。

 

もう一つは、長時間使っていると端末が熱くなること。特に動画撮影時には熱が高くなり、一時的にカメラを起動できなくなることもありました。

 

続いて、バッテリー容量はAQUOS R6が5000mAhであるのに対して、OPPO Find X3 Proは4500mAh。実際の電池持ちを比較するために、フル充電時に「Netflix」の映画を2時間再生してみると、AQUOS R6はバッテリーが約13%減り、OPPO Find X3 Proは約15%減った結果になりました。

 

ただし、通常の使い方ではOPPO Find X3 Proのほうが電池の減りが少なく感じられました。

 

↑AQUOS R6をフル充電してから、2時間の映画を再生。電池残量は87%で、さらに約14時間使用できる見込みが表示されました

 

↑OPPO Find X3 Proで2時間映画を再生した後の電池残量は85%。そこからさらに1日と13時間以上使える見込みが表示されました

 

スマホを使う楽しさはOPPO Find X3 Proが勝る

AQUOS R6とOPPO Find X3 Proは、スペックや価格は近いものの、比べてみると個性は大きく異なるモデルだと感じられました。

 

AQUOS R6は、おサイフケータイやセキュリティ性の高い3D超音波指紋センサーなど、多くの人が求める機能を漏れなく備えて、さらに高級デジカメに匹敵する画質で写真を撮れることが特徴。万人が使えるモデルという印象です。

 

一方のOPPO Find X3 Proは、おサイフケータイが使えなかったり、microSDに非対応だったりと残念な面はあるものの、フラッグシップモデルらしい先進性を体験できることが魅力。スマホ初搭載の顕微鏡カメラ、eSIM対応など、利点はいくつもあります。スマホを使いこなすヘビーユーザーに適していると言えます。

 

両モデルを1か月ほど使った感想としては、どちらも使用感には満足しています。ですが、強いてどちらか1台を選ぶならOPPO Find X3 Proです。AQUOS R6のカメラはナチュラルな色で撮れるのが魅力と伝えてきましたが、それゆえに曇天や薄暗い場所などでは、やや冴えない色味になることもあります。

 

一方、OPPO Find X3 Proは、デフォルトで多くの人に好まれそうなドラマティックな色調で撮影できます。また、発色の良いディスプレイは「Netflix」や「YouTube」を観るのにも適しているうえに、ヘビーに使っても端末がさほど熱くならない点も気に入っています。OPPO Find X3 Proの方が、スマホを使う楽しさで勝っているように感じました。

 

ただし上記の結論は、筆者がスマホのヘビーユーザーである点を含めてもらった方がいいでしょう。また、繰り返しにはなりますが、AQUOS R6は万人に評価されるであろう作り込みが魅力です。これらを考慮したうえで、個性の違う両モデルをしっかり吟味してから選ぶのをおすすめします。

 

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