いま、外食業界で最もアツいニュースのひとつがチキンバーガーの主権を争う戦いです。なかでも目玉と言われているのが居酒屋「鳥貴族」の「トリキバーガー」。オープンするという初報は今年3月だったと記憶していますが、それから半年弱の8月23日、大井町に1号店が開業しました。

 

↑「トリキバーガー 大井町店」。メインの客席は2階で、1階はオーダーカウンタ―とキッチンとなっています

 

本稿では業界の“チキンレース”に触れながら、「トリキバーガー 大井町店」の特徴をレポートしていきます。

 

トリ逃していた市場。打倒KFCがケッコーアツい!

なぜいま、チキンバーガーなのか。これにはいくつか理由があり、大きいものとしてはファストフードがコロナ過でも強いからです。テイクアウトやデリバリーと親和性が高いことからも明らかでしょう。事実、マクドナルドやKFC(ケンタッキーフライドチキン)などは好調です。

 

海外に視野を広げると、米国のファストフードでは最近クリスピーチキンサンドが人気。さらに米国でシェア5割のデリバリー「ドアダッシュ」で、2020年に2番目に注文が多かったメニューがチキンバーガーなのだそうです。

 

さらに日本国内における背景には、「からやま」「から好し」といった唐揚げ専門店が、テイクアウト需要で絶好調という点も見逃せません。唐揚げとフライドチキンとでは料理として若干の違いがあるものの、とにかく揚げた鶏肉は人気があるのです。

 

一方、フライドチキンやチキンバーガーを得意とチェーン店はKFCのひとり勝ちと言っていいでしょう。長年、競合といえる業態が出てこなかったこの状況に、いくつかの大手外食企業が待ったをかけたのが最近の市場動向なのです。

 

↑焼肉のファストフード「焼肉ライク」などを運営するダイニングイノベーションは、昨秋のDXハンバーガー「ブルースターバーガー」に続き、7月20日にチキン専門ファストフード「Doo Wop」を代官山にオープンしました。写真は「BBQエッグ」360円

 

ダイニングイノベーションの「Doo Wop」のほか、「ロイヤルホスト」などを手掛けるロイヤルホールディングスは今年5月、東京・武蔵小山に「ラッキーロッキーチキン」をオープン。これらはチキンバーガー、フライドチキンの両方を提供していて、その一方韓国発のフライドチキン店「bb.qオリーブチキンカフェ」を招へいの形で展開していたワタミは、今春から本格的な出店攻勢をはかると発表しています。

 

では「トリキバーガー」の特徴やメニューの味、価格はどうなのか。内覧会の体験レポートの形で解説していきます。

クリスピーな衣としっとりの肉のメリハリが絶品

「トリキバーガー」の注文はカウンターで行いますが、注文は店員への口頭でも、端末操作の完全非接触のどちらでもOK。支払い方法も現金、クレカ、一部交通系ICカードと多岐にわたり、現金支払いは自動レジで行えるハイテク仕様となっています。

 

↑1階のオーダーカウンター。テイクアウトの場合、専用のモバイルオーダーシステムを使うこともできます

 

スゴいシステムはオーダー回りだけではありませんでした。厨房にも最新型の調理器具が導入され、チキンフィレなどは個別のフライヤーやスチームコンベクションオーブンで仕上げられているようです。

 

↑内覧会時は研修中のようでしたが、機械もスタッフもフル稼働

 

筆者がオーダーしたのは、代表メニューの「トリキバーガー」と「焼鳥バーガー〜てりやき〜」。なおメニューの価格には、「鳥貴族」イズムを感じました。というのも、価格設定が均一でわかりやすいのです。

 

↑朝10時半からのデイメニューのバーガー単品は390円均一で、ポテトSとドリンクMのセットは590円均一。税込です

 

味も大満足。「トリキバーガー」はクリスピーな衣としっとりの肉のメリハリが絶品です。むね肉ですがパサパサ感はなく、レモン風味のマヨネーズソースとも好相性。ふっくらしたバンズ、シャキッとしたレタスともいいバランスです。

 

↑「トリキバーガー」単品390円。フィレには黒胡椒がほんのりまぶされています

 

「焼鳥バーガー〜てりやき〜」は、もも肉の照り焼きにオリジナルのソースとマヨネーズ、玉ねぎの食感がポイント。肉は「トリキバーガー」のフィレより小さめの印象でしたが、やわらかい肉質と甘じょっぱくくどくないソースがマッチして絶品でした。

 

↑「焼鳥バーガー〜てりやき〜」単品390円。なお、チーズ、トマト、たまごが各+50円で全バーガーにトッピングできます

 

「鳥貴族」イズムは価格だけでなく、おいしさでも継承。チキンや野菜のほか、バンズの小麦やポテトの食材などのサイドメニューも国産にこだわっています。また、コーヒーは環境や生産者との公平な取引などに認証を受けた「レインフォレスト・アライアンス」の豆を採用し、専門店クオリティの品質を提供しています。

 

↑コーヒーなどのドリンクはSサイズ190円均一で、セットのドリンクはMサイズ(単品の場合250円)となります

 

デイメニューは全8種類のバーガーがあり、7時から10時半までのモーニングは6種の朝食メニューに。なおモーニングは一部に米粉を使って蒸し上げた白バンズとなり、ふんわりもっちり食感の低糖質な生地を楽しめます。

 

↑モーニングメニューの「コロッケバーガー」(左)と「ベーコンエッグ」(右)どちらも単品290円で、セットは490円。なお白バンズを使ったサラダチキンのバーガーは、デイメニューでも注文できます(価格は変動)

 

↑「たまごロール」(左)と「あんバターロール」(右)はドリンクS付きで290円という、よりお得な価格設定

 

フライドチキンはないものの、プリンやエッグタルトなどの鶏と親和性が高いスイーツがあるなど、独自性をもった「トリキバーガー」。年に4品程度の新商品投入や入れ替えを予定し、出店計画は3年以内に直営による10〜20店舗を目指すとか。

 

↑「トリキプリン」と「エッグタルト」は店内製造にこだわっていて、これらサイドメニューは190円均一

 

大井町駅は23区のなかでも3線が接続するターミナルであり、なおかつ住宅地がある昼夜人口の多い街ということで1号店に選んだとか。そして2号店は都内の駅前や繁華街を中心に検討しているそうです。同店の参入で一層加熱するチキンバーガー。今後の市場動向も見逃せません。

 

【SHOP DATA】

トリキバーガー 大井町店

住所:東京都品川区東大井5-16-9

アクセス:JRほか「大井町駅」東口徒歩2分

営業時間:7:00〜21:00
定休日:12月31日、1月1日

 

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