テーマ別に便利な道具のいろいろを紹介する本企画。今回は、正確できれいな木取りの前に欠かせない作業「墨つけ」のための道具の後半編を紹介(前編はこちら!)。切断のための線引きの道具といった単純な見方ではくくれない、墨つけにこだわった便利な道具を紹介しよう。

 

分度器のついたスコヤ/プロトラクターステンNo.19

自由に動く腕と分度器を組み合わせたプロトラクター

自由スコヤは、任意の角度の対称から角度を写すので、角度を数字的に測定する必要がない。そのため目盛りなどはついていないが、プロトラクターは竿の端に分度器がついていて、墨つけする角度を測定することができる。設計図に従って墨つけする場合や、作品から設計図を起こして数値的に記録する場合に便利に使える道具だ。

分度器の目盛りを必要な角度に合わせれば正確な角度で墨つけできる

 

筋を切り込んで墨つけする/ケビキ

硬木で作られており、竿(横方向のパーツ)の先には小刃がついている

竿の端に取りつけた小刃で筋を引く道具。小刃で引いた筋は鉛筆で引いた筋に比べて圧倒的に細いので、それだけ精密な墨つけができる。ホゾで組む家具作り、指物作りには、シラガキとともに欠かせない道具だ。小刃は鋼なので、切れ味が悪くなったら鋭く研ぎ、いつでも軽くケビキが引けるように手入れが必要だ。

必要な長さに竿を設定し固定したら、材の端に台を密着させ、小刃で筋を引く

 

筋で墨つけするための小刀/シラガキ

シラガキは写真のようにシンプルなデザインの道具

柄のない小刀といったデザインをした、材に筋を引く(墨つけする)ための刃物。工作用の小刀にくらべて刃の角度が少なく刃幅が短いのが特徴で、鉛筆のように持って筋を引きやすくなっている。刃は片刃で、ときどき研いでいつも軽く筋を引けるように手入れしておく必要がある。この道具はケビキと同様に、ホゾで組む家具作りや指物作りでよく使われる。

鉛筆と同じように使って材にけがく(筋を引く)ことができる

 

欧米の木工家がケビキと言えばこれ/ホイールマーキングゲージ

ホイールマーキングゲージは先端にホイールカッターのついたシャフトと、真ちゅうのフェンスを組み合わせた欧米で使われるケビキの仲間

ステンレスのシャフトに、木製の柄がついた真ちゅうのフェンスを組み合わせたウッドリバーのホイールマーキングゲージ。ホイールマーキングゲージは西洋ケビキと呼ばれる道具で、フェンスを材に滑らせながら、シャフト先端についたホイールカッターで材に筋を引く。シャフトの先端にカッターがついているので、小刃の位置が竿の先端でないケビキよりも、筋を引ける範囲の自由度が高い。

フェンスから必要な寸法でシャフトを伸ばし、シャフト先端のホイールカッターで筋を引き、墨つけできる

 

自然木や多角形でも簡単に中心に墨つけできる/センターファインダー

センターファインダーは一辺が15cm程度のプラスチック板にフェンスを立てた道具

製材された丸棒はもちろん、自然木の丸太や、多角形の角材の木口のセンターを簡単に墨つけできる道具。半透明のプラスチック板の上に90度と60度に設定されたフェンスが立ててあり、そこにセンターを墨つけしたい材をあてて、板の真ん中にあいたすき間の定規で墨線を引く。材にあてる部分をずらして何本か線を引けば、全部の線が交わったところが、その材のセンターということになる。

フェンスで材をはさみ、写真のように線を引くとセンターを墨つけできる

 

円やカーブを墨つけする/コンパス、手作りコンパス、缶類、雲形定規

円を墨つけする道具の基本はコンパス。学生時代から使っていたものがあればそれで十分。普段の墨つけに鉛筆を使っているなら写真のように鉛筆を取りつけて使えるモデルが便利だ。

鉛筆を取りつけるタイプのコンパス

コンパスで引けないような大きな円を墨つけする場合は、木製の定規などを使って大きな半径で墨つけできるコンパスを手作りすることができる。一方の端にビスを打ち、必要な半径で鉛筆を差し込む穴をあけるだけでできあがりだ。

使わない木製の直定規の端にビスを打ち、必要な寸法に鉛筆を差す穴をあける

 

センターをビスで固定すれば大きな半径の円を墨つけできる

材の角に角丸を墨つけするときは、写真のように缶やテープなどのカーブを利用すると安定した墨つけができる。

缶類も安定したカーブの墨つけに利用できる

 

テープやテープの芯を利用して カーブを墨つけできる

もっと複雑なカーブを墨つけするには、製図用の雲形定規を使う。雲形定規はさまざまな半径のカーブを組み合わせた定規で、定規の中から自分の必要なカーブを選んで墨つけする。必要なカーブをつなげていけば複雑な墨つけも可能だ。

複雑なカーブを組み合わせた雲形定規

 

定規から必要なカーブを探して墨つけする