“いま”爆売れ中のモノを「フード」からセレクト。識者陣がヒットの背景を解説する。消費者ニーズに“ビッタビタ”な“ゴン攻め”商品の数々、知らないとマジでヤバいです!!

※こちらは「GetNavi」2021年10月号に掲載された記事を再編集したものです

 

フードライター

中山秀明さん

本誌でおなじみの、食のトレンドに詳しいフードアナリスト。GetNavi webでも高頻度でグルメ記事をアップしている。

 

ヒットその1 映えを狙って“ハイチーズ”……華やかな見た目&意外な食感の新潮流チーズケーキが百花繚乱

 

味の想像がギリギリできない絶妙な意外性でヒットに

スイーツ業界にはヒットの法則がいくつかあり、そのひとつが定番メニューにユニークな発想を加えて新しいプロダクトを生み出す手法だ。過去の例を挙げれば、クロワッサンドーナツやスフレプリンなどがある。同様の流れでいま大ヒットしているのが、この「飲むチーズケーキ」なのだ。

 

「元来は食べるスイーツを“飲む”という発想で新提案。まったくの未知の味ではなく、キャッチーなチーズケーキをベースにすることで、味の想像がギリギリできない位置にポジショニングさせた点も見事です。この絶妙な意外性が『飲んでみたい!』という消費者心理をかきたて、ヒットの要因となりました。美しい色や盛り付けの“映える”ビジュアルも見逃せません」(中山さん)

 

【トレンドのツボ】スイーツの大定番を新発想で置き換えヒットに

古くはティラミス、最近ではバスチーやD2Cチーズテリーヌなど、チーズケーキはヒットスイーツの宝庫。この定番を、ユニークな発想で提案した「飲む」パッケージがトレンドに。フォトジェニックさも備え納得の人気だ。

 

【新潮流チーズケーキその1】看板メニューをイメージしたコク深さと食感が絶妙

【飲むチーズタルト】 2015年5月発売

パブロ

パブロスムージー 飲むチーズタルト

600円

不動の人気を誇るチーズタルト専門店の「スイーツ店らしいドリンクを開発したい」という思いから誕生。クリームチーズ入りホイップクリームとアプリコットソースの調和と、シュガーコーティングしたタルト生地のサクサク食感が絶妙だ。

↑11月30日までの期間限定で「飲むマスカット」(650円)を販売中。上品で爽やかな甘みがクリームチーズのコクとマッチする

 

【新潮流チーズケーキその2】フレッシュチーズが効いた大阪・梅田の新名物スイーツ

【飲むチーズケーキ】 2018年9月発売

ウメダチーズラボ

飲めるチーズケーキ

500円

「新しいチーズスイーツを探求したい」をモットーに大阪・梅田で開業したチーズスイーツ専門店の名物。2種類のフレッシュチーズと牛乳、ミルクアイスをブレンドし、豊かな食感に仕上げている。

 

【新潮流チーズケーキその3】テクスチャーが変化するコク深いレアチーズの誘惑

【飲むチーズケーキ】 2020年6月発売

青山フロマージュ

クレームフロマージュ

648円

チーズの奥深さを探求し、新しい魅力を発信するスイーツショップが商品化。中身は甘酸っぱくコク深いレアチーズで、タッチはポテッと、飲み進めるとなめらかな口どけに変化する。容器を振るたびに変化する食感が飽きさせない。

 

↑ティーカップのパイ包み「ル・フロマージュ」(648円)も展開。映えるルックスも好評だ

 

ヒットその2 大満足のウマイをお届け!……横浜市民に愛されるパーティメニューが全国区へ

外出できないストレスはシェアフードで発散

自宅で楽しめ、サプライズ感のある巨大なシェアフードが人気だ。
「昨今ではドミノピザ『ウルトラチーズ』や『ペヤング 超超超超超超大盛やきそばペタマックス』にトライするYouTube動画も話題を呼びました」(中山さん)

 

シェアフードの人気が高まるなか、満を持して本商品が発売へ。
「崎陽軒本店の宴会でしか体験できないパーティ感が自宅で楽しめる。このプチ贅沢なワクワク感が、閉塞した社会情勢のオアシスとして礼賛されています」(中山さん)

 

【トレンドのツボ】集まる機会が貴重になり特別感を求める人が急増

集まることが貴重となったいま、その幸福感を自宅の食卓に求める人が増えている。そこで注目されているのがシェアフード。本商品は注文が殺到し、通信販売での予約受付は1日100個までの制限が設けられている。

 

シウマイの超名門が贈る喝采必至のシェアメニュー

【シウマイ】 2021年7月発売

崎陽軒

おうちでジャンボシウマイmini

3500円

崎陽軒本店のウェディングメニューとして人気の「ジャンボシウマイ」を家庭で楽しめるようアレンジ。大きなシウマイをカットすると、ひと口サイズのシウマイ22個が溢れ出てくる。生地には「昔ながらのシウマイ」のあんを使用。

 

ヒットその3 理性ショートする神ビジュアル……「缶入り」や「とろける」で見る人の食欲を刺激しまくり

 

日本を代表する定番ケーキが装いを変えて大ブレイク

「飲むチーズケーキ」でも触れた、定番品にユニークな発想を加えた新スイーツは、ショートケーキでも注目されている。SNS映えするビジュアルに加えて、受け入れられる土台があったという。

 

「ショートケーキは日本生まれという説が有力で、国民にとって馴染み深い定番中の定番スイーツ。見せ方を変えるだけで大きな需要が生まれるのは、それだけショートケーキが日本人に愛されているメジャーなスイーツだからといえます。また『スイーツ缶』については一部店舗でベンダー展開もされているのもポイント。テイクアウトや非対面が求められるいまの社会情勢にマッチしたこともヒットの理由でしょう」(中山さん)

 

【トレンドのツボ】映えスイーツのシーンに超大型ルーキーが登場

圧倒的 “萌え断”ビジュアルの「ショートケーキ缶」は7月に3回も発売休止を告知。「インスタ映え」が流行語となり久しいが、スイーツでは常に新鋭が求められる。その最旬は「写真映えショートケーキ」なのだ。

 

【ショートケーキその1 】夜パフェの仕掛け人が得意のスイーツで新開発

【ショートケーキ缶】 2021年6月発売

Risotteria GAKU

ショートケーキ缶

1100円

札幌発、夜パフェで人気の「Parfaiteria beL」を運営するGAKUが“パティスリーのケーキを24時間買える”をテーマに開発。今年6月に開業した「Risotteria GAKU渋谷」での先行発売では、即完売の人気ぶり。札幌では自動販売機でも販売中だ。

↑透明の容器に、断面が見えるように詰め込んだビジュアルが圧巻。フルーツピューレを使った「ふわ缶」も人気だ

 

【ショートケーキその2】とろけるようなルックスがSNSで話題に

【ショートケーキ】 2020年4月発売

cafe Furan

とろけるショートケーキ

500円

兵庫・姫路のカフェ「Furan」の名物。スポンジ生地の上からゆるめに泡立てられたクリームがたっぷりかかり、とろけるようなルックスに。しずる感とキュートさがSNSで注目の的に。

 

ヒットその4 バーガー界にチキンレース勃発……“打倒KFC”がケッコー盛り上がっている!!

 

トリ逃していた市場を鶏バーガーが掘り起こす!?

マクドナルドが日本上陸して50年。焼き鳥や唐揚げといった国民的鶏料理もある。しかし、なぜか浸透していないのがチキンバーガー。

 

「ハンバーガー大国のアメリカではチキンバーガー市場も大きなマーケットで、売上1兆円を超えるチェーン店が複数存在します。鶏肉好きの日本でもチキンバーガーがヒットする土壌はあるはず。コロナ禍でテイクアウト市場は追い風のいま各社が目を付け、今年になって新ブランドが続々誕生しています。この“チキンレース”から目が離せません」(中山さん)

 

8月には焼き鳥チェーンの鳥貴族が、チキンバーガー専門店「トリキバーガー」第1号店をオープン。今後の市場白熱は必至だ。

 

【トレンドのツボ】ケンタッキーの独走状態に外食各社が“待った”をかける

コロナ禍でファストフードや唐揚げ店が活況だが、チキンバーガーはKFCのひとり勝ち。そこに各社が目を付けた! 鳥貴族が手掛ける「トリキバーガー」の出店もあり、チキンバーガー市場は一層過熱している。

 

【チキンバーガーその1】6種類のソースから選べ事前注文対応のバーガー店

【チキンバーガー】 2021年7月オープン

DooWop

BBQエッグ

360円

2020年秋、低価格&高品質の非接触型DXファストフード「ブルースターバーガー」で話題をさらったグループが仕掛ける、チキンバーガー店の新定番。全6種のソースをラインナップし、290円のプレーンを除いて価格は同一だ。

 

【チキンバーガーその2】ロイホがファストフードで米国のおいしさを届ける

【チキンバーガー】 2021年5月オープン

Lucky Rocky Chicken

バターミルクフライドチキンバーガー オリジナル

500円

「ロイヤルホスト」などの運営元の新業態。アメリカの国民食「バターミルクフライドチキン」とフレッシュな野菜がウリで、フライドチキンやサラダが味わえる。

 

ヒットその5「檸檬堂」の逆張り……酒が主体ではなくソフトドリンクにアルコールを追加した”気軽さ”がウリ

 

ポップなテイストが新鮮!他社の追随が見逃せない

日本では数年前からレモンサワーがトレンドになっていたが、ソフトドリンク業界ではレモネードのブームが広がっていた。

 

「専門店がオープンしたり、カフェのドリンクにレモネードが採用されていたり。また、飲料メーカーもレモネードの新商品を発売していました。この、ありそうでなかった2つのレモントレンドを掛け合わせたのがレモネードサワーです。レモンサワーとの大きな違いは、アメリカを感じさせるポップでブライトな甘酸っぱさや、洋酒のニュアンスを思わせるカジュアルなビター感。パッケージもレモンサワーとは一線を画すアッパーなデザインで、普段お酒を飲まない若者層にもウケています」(中山さん)

 

【トレンドのツボ】ヒットメーカー「檸檬堂」の動向がブームのカギを握る

先行のサンキストに続き、ノメルズが「檸檬堂」の看板を引っ提げて登場。「檸檬堂」の購入層はお酒が好きな30〜40代が中心だが、低アルコール飲料市場で購入者数が伸びている20〜30代をターゲットに仕掛けている。

 

【レモネードサワーその1】あの「檸檬堂」監修の新ブランドが誕生

【ハードレモネード】 2021年6月発売

コカ・コーラ

ノメルズ ハードレモネード オリジナル

165円

米国で人気のレモネードをお酒で楽しめる新ブランドを「檸檬堂」が監修。ジンで使うスパイス「ジュニパーベリー」を採用して爽やかに。甘酸っぱいオリジナルのほか、酸味強め、ほろ苦なテイストの3種類を展開する。

 

【レモネードサワーその2】名門ブランドが世界初のアルコール飲料を手掛けた

【レモネードサワー】 2020年6月発売

JINRO

サンキスト(R) レモネードサワー

176円

グローバルな老舗柑橘ブランドのサンキストと眞露がコラボし、世界初のアルコール飲料として昨年発売。公認レシピによる本格的なレモネードを軸に、爽やかでどこか懐かしい味に仕上げている。