ASUSから13.3型のノートPC「ASUS Vivobook 13 Slate OLED T3300KA」(以下、Vivobook 13 Slate)が登場しました。ラインアップは上位モデルの「T3300KA-LQ049W」と下位モデルの「T3300KA-LQ046W」をそろえ、価格はT3300KA-LQ049Wが10万9800円(税込)、T3300KA-LQ046Wが9万4800円(税込)です。

↑ASUS Vivobook 13 Slate OLED T3300KA。T3300KA-LQ049W は12月上旬発売予定で、T3300KA-LQ046Wは現在発売中です

 

Vivobook 13 Slateの注目点は、有機ELディスプレイ搭載でしかも着脱式のキーボードを採用しているところにあります。そもそも、液晶ディスプレイ搭載のノートPCに比べて、有機ELディスプレイ搭載モデルは決して多くはありません。そのなかで、キーボードの着脱によって、ノートPCとタブレットの2 in 1で使えるVivobook 13 Slateは、現状で唯一無二の存在と言えます。

 

また、ディスプレイ部に4基のスピーカーを備えたうえ、3次元のサラウンドフォーマット「Dolby Atmos」にも対応。音質にも力を入れており、エンタメ用途に向いている仕様となっています。

 

そこで今回は、下位モデルのT3300KA-LQ046Wを使用して、エンタメ利用でどれだけ実力を発揮できるのかチェックしてみました。

 

ディスプレイのスペックは極めて高く、写真や映像を鮮やかに楽しめる

ディスプレイは、つい有機ELに目がいきがちですが、シネマグレードの色域規格であるDCI-P3を100%カバーするほか、100万:1のコントラスト比、最大500ニトの輝度、0.2msの応答速度などを実現。ノートPCとしては極めて高いスペックを備えています。なお、解像度はフルHD(1980×1080ドット)。4Kとは言わないまでも、エンタメ用途を考えると、もう少し解像度が高いとうれしいところです。

↑極彩色な壁紙がデフォルトのディスプレイ

 

とはいえ、実際に写真や映像を表示してみると、その鮮やかさに驚きます。有機ELならではの“完全な黒”に近い黒の表現と、優れた色表現が見て取れます。

 

また、いくつかの映像作品を「Netflix」で見てみましたが、大自然が映る映像は花や草木の色彩表現が豊かで、夜景は夜に浮かぶ建物の明かりが鮮やかに表現されており、いずれの映像も没入して楽しめました。

↑イルミネーションの夜景写真を表示すると、締りのある黒のおかげか、イルミネーションの明るさや青いライトがより際立つのが感じられました

 

長時間映像を視聴していられそうなディスプレイですが、有機ELパネルで心配なのは色の劣化と焼き付きです。ASUSはそれらを防ぐためにいくつかの対策を取っています。ひとつは出荷時にWindows 11の「ダークモード」をデフォルトにしていること。もうひとつは、一定時間のアイドル状態で特別なスクリーンセーバーを起動し、有機ELを保護していることです。

 

さらに、サムスン電子の焼き付き防止テクノロジーを採用。老朽化したピクセルを、アルゴリズムを使用して検出し、そのピクセルを通過する電流を増加させることで、より明るい色を表示させて、結果的に正確な色に戻せるそうです。

↑ユーティリティソフト「MyASUS」から、特別なスクリーンセーバーを起動する「ピクセルリフレッシュ」のオンオフ設定が可能です

 

迫力ある音を楽しめる4基のスピーカー

スピーカーはディスプレイの左右端に2基ずつ搭載。出力は1基あたり2Wです。これに加えて、クリアな音を表現するうえに、全体の音量を最大約3.5倍大きく出力できる「スマートアンプテクノロジー」を採用しています。

↑スピーカーの音は本体左右の下側から出ます。また、右側のスピーカー部には「Dolby Atmos」の文字も記載されています

 

出力される音は、確かに設定したボリューム以上の音量を感じることができます。音の情報量も、ノートPC内蔵のスピーカーとは思えないほど多く感じました。音楽はもちろん、銃弾が飛び交い派手な爆発が起こるようなアクション映画なども迫力ある音で楽しめます。

 

なお、ディスプレイ部の左側上部にヘッドホン/マイクジャックが備わっているので、お気に入りのイヤホン/ヘッドホンで楽しむことも可能です。

↑ヘッドホン/マイクジャックを含む外部インターフェイスは、本体左側の上部に配置。データ転送と映像出力、および本体への給電が可能なUSB Type-Cが2基と、SDメモリーカードリーダーがそろっています

 

タブレットなら家の好きな場所でエンタメを楽しめるも、スタンドカバーは扱いに注意

エンタメ用途では十分活躍できる実力だと思いますが、Vivobook 13 Slateの魅力はこの実力をタブレットとして発揮できるところにもあります。そうなると気になるのはタブレットとしての使い勝手でしょう。

 

使用したT3300KA-LQ046Wのディスプレイ部のサイズは、幅309.9×奥行き190×高さ8.25mmで、重さは約785g。映画を視聴する際などは両手で持てば問題ないサイズと重さです。リビングのほか、自分の部屋やベッドルームなど、好きな場所に持ち運んで手軽にエンタメを楽しめます。

 

ただ、長時間持っているとやはり腕が疲れてきます。家でリラックスして映画を楽しみたいのであれば、付属のスタンドカバーを装着するのがいいでしょう。

↑スタンド装着時のタブレット

 

↑スタンドは本体背面にぴったりとくっつきます

 

このスタンドカバーはディスプレイの横置きはもちろん、縦置きにも対応しており、縦置きにするとSNSやWeb記事のチェック時に便利です。また、たとえばインターネットでレシピを検索するときは縦置きにして、検索結果のレシピをじっくり見るときは横置きにするといった、検索とコンテンツの閲覧で分ける使い方もいいでしょう。

↑縦置き時。省スペースな場所に置けるので、メインPCのサブディスプレイとしても活用できそうです

 

ただ、スタンドカバーの扱いには少しクセがあります。マグネットでディスプレイの背面とスタンドカバーがくっつくのですが、このマグネットが若干弱いのです。一方でスタンドの角度を変える際はある程度の力が必要。これによって、角度を変えようとスタンドカバーをいじると、スタンドカバーがディスプレイから外れることがあります。使い始めはこの力加減に悩むかもしれません。

 

なお、ノートPCとして使用する場合は、このスタンドカバーとキーボードを装着します。このときの本体サイズは幅310×奥行き198×高さ17.55mmで、重さは約1385g。13.3型としては一般的なサイズと重さと言えます。

↑キーボードはフルサイズ仕様。ディスプレイとはポゴピンで接続します

 

ちなみに、ノートPCのスペックは、CPUがインテル Pentium Silver N6000 プロセッサー、メモリーが4GB、ストレージが128GB eMMC、OSがWindows 11 Home(Sモード)64ビット。10万円前後だとより良いスペックのモデルが多いため、ノートPCとしては物足りないのが正直なところです。おそらく、有機ELディスプレイや2 in 1といった要素が、価格を押し上げているのではないかと思います。

 

もちろん、映画視聴くらいであればまったく問題はありません。ただし、たとえばYouTubeで音楽を再生しながら、ほかの作業をするといった場合などでは、動作が少し重たくなります。アプリやブラウザーを複数立ち上げて、マルチタスクをこなすのは注意したほうがいいでしょう。

 

なお、上位モデルであるT3300KA-LQ049Wのスペックは、インテル Pentium Silver N6000 プロセッサー、8GBメモリー、256GB SSDで、OSはWindows 11 Home 64ビット。メモリーやストレージなどで若干スペックアップしています。

 

高画質・高音質な大画面エンタメタブレットとしては魅力的

Vivobook 13 SlateはノートPCというカテゴリではありますが、メインのモバイルノートPCとして使用するのは、スペック面でおそらく難しいでしょう。

 

一方で、有機ELディスプレイによる高画質や4基のスピーカーから出る迫力のサウンドは魅力であり、写真・映像も音楽も存分に楽しめて、好きな場所に持ち運べる大画面タブレットとしては、優れた製品と言えそうです。

 

いまはWindows OS搭載のタブレットが少ないという事情もあります。ですから、長らく使っていたタブレットを買い替えるニーズもあるでしょう。

 

そんな優れたタブレットに、Webサイトの閲覧やちょっとしたビジネス資料の作成ができる、ノートPCとしての機能も備わっているととらえると、お買い得なモデルと言うことができそうです。

 

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