糖質オフビールや微アル(微アルコール)など、2021年は新たなカテゴリーのお酒が市場をにぎわせました。では、2022年はどんなヒットが予想できるのか。これから飛躍しそうなお酒トレンドを、5つのキーワードで解説します。

 

↑例えばこちらは熊本生まれのスパイス焼酎「カルダモンTAKE 7」。お酒やカレー好きには知られた銘柄で、こういった個性派も2022年はより一般浸透する気がします

 

1:SDGsなお酒が拡大

SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)は全世界的なテーマであり、2022年のフードやお酒もよりSDGsを意識した商品が登場。例えば、健康を意識した低糖質なビールやRTD(缶チューハイなど)はいっそう増えるでしょうし、お酒が飲めない人や酔いたくない人が心地よく飲み会を楽しむための、多様的な微アルのようなアイテム群も拡大していくと思います。

 

↑無糖、ノンアル、微アルはますます存在感を増すでしょう。糖質やアルコール度数が低いハードセルツァーも、引き続き見逃せません

 

また、SDGs的な側面でいうとエシカル(倫理的)なお酒にも注目。有機農法や無農薬で醸造されたワインや、余ったパンを活用したビール、廃棄予定の酒粕を駆使したジンなどなど。お酒の可能性が、いっそう注目される一年にもなるでしょう。

 

2:フルオープン缶酒

2021年に大ヒットしたビールが「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」です。特徴のひとつが、缶の全面が開くフルオープンタイプであること。ビールの缶としては最新技術が用いられていますが、日本初の缶入り生原酒として有名な「ふなぐち菊水一番しぼり」は半世紀前からフルオープン缶を採用しており、このタイプの缶酒が生ジョッキ缶の影響で今後増えるのでは?と期待しています。

 

↑1972年デビューの「ふなぐち菊水一番しぼり」は50周年のアニバーサリーイヤーで、目にする機会も多くなることでしょう

 

なぜなら、口の広いフルオープン缶は香りを最大限に楽しめるのも魅力だから。また、ビール各社も知見としてはフルオープン缶の技術を持っていて、昭和の時代には「サッポロカップ<生>」や「サントリー生ビール CAN」などが発売されていました。昭和礼賛トレンドでもある現在、期待せずにはいられないのです。

 

3:スパイス酒

昨年話題となったRTDにコカ・コーラの「ノメルズ」というレモネードサワーがありますが、特徴のひとつはジュニパーベリーを使っていること。ジュニパーベリーとはジンに欠かせないスパイスのことで、甘やかなビターフレーバーがおいしさの秘密です。「ノメルズ」の登場は、いよいよスパイスを使ったお酒が一般的にも受け入れられ始めた証ではないでしょうか。

 

↑シナモンが香るラムチャイや、ミントの効いたモヒートなど、スパイスやハーブを使ったお酒は人気がジワジワと広がっています

 

スパイスカレーやビリヤニ(スパイシーな炊き込みご飯)が市民権を得つつあるいま、お酒にスパイスが求められることも自然なはず。クラフトジンも年々人気が高まっていますし、冒頭の「カルダモンTAKE 7」のような個性派も続々誕生。スパイスは、食べるだけではなく飲んで楽しむ時代なのです。

 

4:クラフトビール自販機

フード業界全体の最新トレンドのひとつが“イロモノ自販機”。マシン内で調理したラーメンを提供する「Yo-Kai Express」を筆頭に、冷凍の餃子やカツカレーなど様々な個性派自販機が登場しています。

 

↑こちらは高円寺にある「ドリンクアップ!! クラフトビアショップ」。約30種のクラフトビールが買えます

 

お酒のトピックでいえば、自販機でクラフトビールを販売するショップが2020年の末にオープンして、ツウの間で話題に。ほかにもクラフトブルワリー(醸造所)の敷地内や酒販店の軒先、ホテルなどで設置される例も出ていて、もっと広がるのでは?と期待しています。

 

5:卓上蛇口酒場

コロナ禍によって外食業界は強い逆風にさらされましたが、そのなかから頭角を現したジャンルが「卓上蛇口酒場」。非接触が求められるなか、客席のテーブルに設置された蛇口からお客さんが好きなようにお酒を注げるという、画期的なシステムがヒットの要因です。

 

最も有名なのが、2021年中にその数を約50店舗にまで拡大し、2022年は100店舗展開をうたう「0秒レモンサワー 仙台ホルモン焼肉酒場 ときわ亭」。ここはレモンサワーがウリですが、お店によってはハイボールだったり焼酎だったりと様々。

 

↑赤坂にある「牡蠣と和牛の奴隷」は、ときわ亭よりも価格がお得で、なおかつレモンサワーとハイボールの両方が出るサーバーを設置しています

 

「卓上蛇口酒場」はどんどん増えていますが、まだ利用したことがないという人も少なくないはず。徐々に外食を楽しむ人が出てきそうな2022年こそ、一般浸透するのではないかと思います。

 

いま世の中は、飲み方自体が問われる変革期。だからこそ、時代に即した画期的な商品やサービスが登場していくでしょう。

 

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