ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、フルモデルチェンジしたばかりのジープのフラッグシップモデルを、バブル期のチェロキーと比較する!?

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のGODカー】ジープ/グランドチェロキー

 

SPEC【L リミテッド】●全長×全幅×全高:5200×1980×1815mm●車両重量:2170kg●パワーユニット:3.6LV型6気筒エンジン●最高出力:286PS(210kW)/6400rpm●最大トルク:344Nm/4000rpm●WLTCモード燃費:非公表

788万円〜999万円(税込)

 

ラングラーにお株を奪われたが、デカさと美しさが共存する秀逸なデザイン

安ド「殿! ジープの大型SUV、グランドチェロキーが新型になったとのことで借りてきました!」

 

永福「うむ」

 

安ド「車名に『グランド』が付くだけに、さすがにデカいですね!」

 

永福「思えば『グランド』が付かないチェロキーは、バブル期、女子に大人気であった」

 

安ド「そ……そう言えばそうでしたね!」

 

永福「どんなクルマが好き? と聞かれたときに、女性の5割はチェロキー! と答えたものだ」

 

安ド「それはオーバーでは……」

 

永福「そのチェロキーに代わって、現在大人気となっているのが、超本格派オフローダーのジープ・ラングラーだ」

 

安ド「グランドチェロキーじゃないのですね!」

 

永福「世の中、なぜか本物志向が強まっておる。ジムニーやランクル同様、ラングラーが大人気で、多くの女子が『カッコ良いわ〜』と言っておる」

 

安ド「確かにラングラーはカッコ良いですが、このグランドチェロキーもカッコ良いと思います!」

 

永福「サイズはデカいが、デザインは非常にシンプルで美しい。どこか、かつてのチェロキー的だ」

 

安ド「バブル期に流行ったチェロキーは、もっと小さかったですよね?」

 

永福「2ドアモデルだと、全長はわずか4.2m、全幅1.72m。いまのSUVで言えばホンダのヴェゼルより小さかった」

 

安ド「グランドチェロキーは全長5.2m、全幅はほぼ2mです!」

 

永福「まさにアメリカンサイズだ」

 

安ド「でも、デカいだけあって、3列目シートがあるのがうれしいです!」

 

永福「安ドのパジェロと同じだな」

 

安ド「僕がパジェロを選んだのは、デカくて威張れる3列シート車だったからなんですが、このグランドチェロキーくらいデカいクルマを自由自在にコロがせたら、たぶんモテると思います!」

 

永福「腹が出ていてもか?」

 

安ド「腹が出ていないころにこのクルマに乗っていれば、モテた自信があります!」

 

永福「たしかに、細かいことにこだわらない、デカい男という雰囲気をヒシヒシと感じる」

 

安ド「雄大なわりに、細かいつくりもしっかりとしていますよね」

 

永福「うむ。実にしっかりしておる。自動ブレーキ系をはじめ、必要な装備はすべて付いているし、デカくて重いわりに加速も良い」

 

安ド「エンジンもすごくデカいのかと思ったら、排気量は3.6Lなんですね!」

 

永福「しかもノンターボでこのトルクだ。アメ車の技術をナメたらいかんな。ただ、新型グラチェロは何かが足りない」

 

安ド「何が足りませんか?」

 

永福「すべてが自然にデカいだけで、ラングラーのような特別感がないのだ。身長2mのヒラ社員という感じだろうか」

 

安ド「確かに惜しい感じですね!」

 

【GOD PARTS 1】3列目シート

ボディが大きいゆえにしっかり使えるサイズ

グランドチェロキーとしては初採用となった3列目シートは、ボディサイズの大きさもあってそれなりに大きく、広いスペースが割かれています。前方に折りたたむことで、ラゲッジスペースとして活用することも可能です。

 

【GOD PARTS 2】ステアリング

大きくてもしっかり正確なフィーリングがウリ

大きなボディに合う大きめのステアリングですが、運転してみるとしっかりしたフィーリングが感じられて、正確に反応してくれます。シフト変速をするパドルも付いていますが、手が小さな人だと指が届かないかもしれません。

 

【GOD PARTS 3】逆スラントノーズ

上部が突き出た形状はレジェンドへのオマージュ

1960年代の「ワゴニア」というモデルでは、逆スラントノーズ、つまり上部が長く突き出て、下部が手前に引いた形状が採用されていました。新型グラチェロにもそのデザインが継承され、趣のある顔つきに仕上がっています。

 

【GOD PARTS 4】ロータリーシフトセレクター

シフトレバーをなくした新たな操作部を採用

シフト選択はダイヤル式となり、ついにシフトレバーが姿を消しました。とはいえ、AT車なら運転中はほぼシフトチェンジしませんから、すぐに慣れることでしょう。周囲には走行モード切り替えスイッチなども付いてます。

 

【GOD PARTS 5】2列目シート

リクライニングできるくつろぎ仕様

取材した「L リミテッド」グレードの2列目は3人乗れるので、定員は全席で7人になっています(上位グレードの2列目はセパレート型で乗車定員は6人)。またリクライニングもできるので、身体の大きな人でもくつろげます。

 

【GOD PARTS 6】メーター

小さくするとなんだかかわいい

メーターはデジタル液晶画面を採用しており、アナログ感は皆無。表示は5種類に変化させることができて、スピード/回転計を小さくすることもできます。ボディの大きさを考えると、なんだかかわいく感じます。

 

【GOD PARTS 7】エンジン

重量級ボディを支えるパワー系

大きなボンネットの下に搭載される3.6LV6エンジンは、先代モデルからの改良型。パワフルで重量級のボディをいともたやすく加速させます。今回の取材車は下位グレードとなる「リミテッド」でしたが、エンジンに差異はありません。

 

【GOD PARTS 8】セブンスロットグリル

ジープの伝統が息づくデザイン

縦に長い7本のグリルは、ジープブランドの伝統です。軍用車時代はもう少し本数が多いモデルもあったようですが、戦後になってからは多くのモデルでこの象徴的グリルが採用されています。歴史の重みでクルマの魅力は増しますね。

 

【GOD PARTS 9】レギュラーガソリン仕様

レギュラー仕様がうれしいブランド

エコが叫ばれる昨今、さらにガソリン価格の高騰も続いていて、ますます低燃費車がもてはやされています。大型車はボディが重く燃費性能も良くないですが、ジープブランドは輸入車ながら多くのモデルがレギュラー指定になっています。

 

【これぞ感動の細部だ!】USBソケット

前から後ろまできちんと用意された充電口

1列目から3列目まで各シートごとに2つずつUSBポートが装備されています。しかもそれぞれUSB Type-Aだけでなく、USB Type-C用の差し込み口まであります。ドライブをしていて乗員が全員同時に充電をする光景は想像しにくいですが、充電に対する充実度は、さすがスマホ大国! さすがアメリカ! という印象です。

 

撮影/我妻慶一

 

 

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