本記事では、「歴史群像」6月号付録「ティーガーⅠ」ペーパークラフトの作り方を詳しく、そしてできるだけわかりやすく解説します。完成度を高めるためのテクニックも併せて紹介しますので、ぜひ、実際に作られる前に読んでみてください。

 

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「ティーガーⅠ」を再現!

付録は全32ページの冊子になっており、使用する道具についての説明、組み立て方の説明が掲載されたページと、パーツが並んだ「展開図」と呼ばれるページから成っています。

 

「歴史群像」6月号本誌の巻頭カラー記事では、ペーパークラフトの完成見本を使って「ティーガーⅠ」の特徴や各部の解説記事が掲載されています。組み立て前に記事を読んで「ティーガーⅠ」についての知識を得ておくのもよいでしょう。

 

「ティーガーⅠ」は1942年4月の生産開始から1944年8月の生産終了までに1355両が生産されました。生産された時期により、現在は極初期、初期、中期、後期、最後期型に分類されています。今回のペーパークラフトは、東部戦線で活躍したドイツ陸軍戦車エース、オットー・カリウスが乗車した車両(中期型)を再現しました。また、お好みで使える選択式のオプションパーツも付属しています。

 

「ティーガーⅠ」重戦車とは?

「ティーガーⅠ」は、ドイツ陸軍が開発した重戦車で、全長8.45m、全幅3.7m、重量57トン、8.8cm主砲1門を備え、最大装甲厚120mmの重戦車です。実戦には1942年9月に投入されました。そして連合軍戦車の性能を上回る火力と防御力から、各戦線で多数の敵戦車を撃破し、連合軍将兵に恐れられました。

 

まずは道具を用意しよう

ペーパークラフトを作るには道具が必要です。まずは、どんな道具が必要かを見ていきましょう。ちなみに、これらの道具の多くは100円ショップで購入できます。

①定規
切り出すパーツの大小に応じて、15cmと30cmの2つのサイズがあると便利です。

②接着剤
木工や手芸用の速乾性で、乾くと透明になる水性タイプがお薦め。

③ハサミ
刃の部分が短いクラフト用のもの(③-A)があると、曲線部分のカットがしやすいので便利です。一般的な事務用のもの(③-B)でもOK。

④折り線部分をなぞる道具
折り線部分を切れないようになぞって、パーツを折りやすくするために必要。目打ちやインクの切れたボールペン、またはカッターの刃を紙ヤスリで削って切れなくしたものでもOK。

⑤カッター
一般的な事務用のものでOK。細かいパーツの切り取りには、写真右のようなアートナイフや、刃先の角度が30度程度のクラフト用(同左)があれば、より切り出しやすくなります。

⑥ピンセット
細かいパーツの取り付け、のりしろ部分の圧着に使用します。ピンセットの種類は、お好みで選んでください。

⑦丸棒(写真は竹製ニット用と竹串)と爪楊枝
パーツを丸めたり、曲線を出すために使用します。断面の丸い割り箸などでもOK。爪楊枝は、接着剤を細かいパーツにつける際や、のりしろに付けた接着剤を平らにならす時などに使用します。

※カッティングマット
サイズは大きい方が使いやすいですが、作業スペースに合わせたサイズを用意しましょう。

 

組み立て作業に入る前に知っておきたい、いくつかのポイント

パーツに示されたさまざまな線の意味を知る

各パーツには、組み立ての際に必要な各種のラインが印刷されています(下図参照)。それぞれの意味を頭に入れてから、組み立てを始めてください。

 

折線部分をきれいに折るために、折りクセを付ける方法

↑パーツは切り出したあと、組み立てを始める前に折り線をなぞって、折りクセを付けておきます。山折りであれ谷折りであれ、折り線部分は目打ち等の尖ったものでなぞってください。こうすることで、紙のなぞった部分に溝ができて、きれいに折れるようになります。2回ほどなぞるとよりきれいに仕上げられます。直線部分は写真のように定規を使うときれいになぞれます

 

パーツをカットする際の注意点

パーツをカットする際は、切り取り線の真上をカットするようにします。線の内側ではなく、真上です。また、切り取り線の部分が細かい場合は、先にパーツの余白部分を少し大きめに残してカットし、そのあとで細部をカットすると切り出しやすくなります。

 

曲面に仕上げるパーツに曲面のクセを付ける方法

↑砲塔、マフラーカバーなどの曲面や、主砲やキューポラなどの円筒状のパーツを組み立てる際には、パーツを切り抜いた後に丸棒を使ってパーツに予めクセを付けると組み立てやすくなります。丸棒はパーツの大きさに合わせて太さの違うものを用意すると便利です。クセをつける際は、弾力のあるシート状のもの(写真ではマウスパッドを使用)の上で行うとよりクセをつけやすいでしょう

 

いよいよ組み立てに! まずは車体から

さて、それでは実際に作っていきましょう。まず最初に、付録冊子の展開図のページ(P9〜30)をすべて、ページの左側の切り取り線部分でカッターかハサミで切り離してください。以降は、冊子の「組み立ての手順」(4〜8、31ページ)を確認しながら、適宜パーツを切り出して、組み立てを進めていきます。

 

車体の下部

車体下部は全体の土台となります。最初に組み立てるパーツ1はズレや接着後の歪みが生じないように注意しながら組立てましょう

↑パーツの接着部分は、ピンセットなどで挟み、のりしろ部分を圧着させるとはがれにくくなります

 

↑車体を組んだ後は、平らな場所に置いて接着剤が乾くまでペーパーウエイトなどの重りとなるものを入れておくと、パーツのねじれが防げます(写真では、適当な重りが手元になかったたため、乾電池を使用しています)

 

曲線と直線のあるパーツの切り出し

転輪などのパーツの切り出しには、ハサミとカッターを併用すると切り出しやすくなります。

↑直線部分とハサミが入らない部分はカッターで切り出す

 

↑曲線部分はハサミを使用すると切り出しやすいです

 

転輪の組み立て

↑パーツは一度に接着せずに、パーツの端に適量の接着剤をつけて楊枝などで伸ばし、接着位置を確認しながら順に接着していくと、パーツ同士のズレを防げます

 

↑接着後、定規などの平らなものを上からあてて圧着。その後、重りを載せて乾燥させると、パーツの反りを防げます

 

↑転輪はパーツに指示されている丸い部分の色や矢印の方向、接着するパーツ番号を確認して、接着の位置と向きに注意しましょう

 

起動輪と誘導輪の組み立て

手順22、25、32で作る起動輪(パーツ30、33、39、42)と誘導輪(パーツ36、45)のパーツは、丸棒を使い曲げクセを付けてから、歪みが出ないように組み立ててください。

↑円筒形のパーツは接着後、のりしろ部分をピンセットで圧着し、接着面が乾燥してから次の手順へと進む

 

↑転輪右側のパーツ18〜29を組み立てた状態

 

履帯の組み立て

履帯は左右と内側外側があります。分割されている履帯パーツをつなぎ合わせる際には、左右と内外の向きに注意してください。また、パーツ50、51(52、53)をつなげた後、平らな場所に置いて上から重りを載せて接着剤が乾燥するまで待つと、履帯の反りやねじれが防げます。履帯を車体に取り付ける際には左右と前後の向きにも注意してください。

↑履帯をつなげる前に、起動輪と誘導輪の位置にあたる部分に曲げクセをつける

 

↑履帯をつないだ状態。接合面は乾燥するまで剥がれないように注意しましょう

 

車体上部の組み立てと取り付け

車体上部も下部同様に歪みが出ないように組み立て下さい。車体上部の組み立て後、下部との接着は接着面が浮き上がらないように密着させてください。

↑ハサミ印の部分は、切り抜く部分です

 

↑車体上部も重りを入れて接着剤の乾燥を待ってください

 

車体上部と下部の接着

車体上部の組み立てが済んだら、車体下部と接着します。その際に、前後、左右の位置がずれないよう位置を確認しながら行ってください。接着後は、ピンセットや棒を使用して接着面を圧着してください。

 

ここまでで、車体と足回り部分が完成しました。いかがでしたでしょうか。次回の「後編」では、砲塔から主砲、そして完成までの手順を解説します。お楽しみに!