自動調理鍋の人気製品について、これまで「味」「操作性」「独自機能」と各回でじっくりチェックしてきた本企画。今回はそれぞれの「設置性・お手入れ」にフォーカスを当て調査します。

 

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設置性は実生活においてとても重要。本体が重すぎると一度棚の奥にしまってしまうとなかなか取り出さなくなってしまうし、キッチンに置いたときや食卓に設置したときの圧迫感も、大事なポイントですよね。また、使用後のお手入れ方法も気になるところ。

 

今回も前回と同様、GetNavi webの家電担当とフードアナリストの中山(筆者)が、生活のシーンをイメージしながらユーザー目線で徹底調査しました!

↑検証メンバー。左から筆者の中山、家電担当の小林、大型家電担当の松永、動画担当の小山、編集長の山田

 

    <目次>

  • アイリスオーヤマ 「電気圧力鍋ヘルシープラス」の設置性・お手入れ
  • シャープ 「ホットクック」の設置性・お手入れ
  • 象印 「STAN.」の設置性・お手入れ
  • ティファール 「クックフォーミー」の設置性・お手入れ
  • パナソニック 「ライス&クッカー」の設置性・お手入れ
  • まとめ

 

【エントリーその1】アイリスオーヤマ 電気圧力鍋ヘルシープラス KPC-MA3

実売価格2万1780円(税込・以下同)

 

【設置性】

コンパクトかつ落ち着きのあるデザイン

本機のサイズは幅300×高さ224×奥行き301mmで、重さが約3.9kg。今回の5製品のなかでは比較的小さく、重さは最軽量です(調理容量は2.0Lで大差なし)。卓上でグリル鍋としても使用することを想定し背が低く設計されており、コンパクトさは秀逸といえるでしょう。また、マグネットプラグ式の電源コードは約2.0mと、今回のなかでは最長でした。

↑一部に木目調のパーツを配したカジュアルなデザイン。そこまで重厚感はありません

 

カラーはブラック、グレー、グリーンの3色(使用モデルはグリーン)。欧米のキャセロール鍋を思わせるデザインや、マットやパステル系を用いた落ち着きのある配色で、インテリアにもマッチしそうです。

↑キッチンにもなじみ、極端な生活感は出ない印象

 

実寸、存在感ともに圧迫する要素がなく、キッチンやインテリアに溶け込むデザイン性は優秀。比較的コンパクトなのでしまう際にもかさばらず、しまわずに棚などに置いてあっても馴染むでしょう。

 

「かわいらしいデザイン。コンパクトかつ軽めで出し入れしやすく、女性に刺さる魅力が多いですね」(松永)

 

「全体的に軽やかで重厚な高級感はないですけど、チープさはない洗練されたデザイン。収納性もよく、家が広くないという人にもオススメな一台」(小山)

 

【お手入れ】

パーツが細かく洗いづらいという宿命があり

「電気圧力鍋ヘルシープラス」は圧力調理鍋のため、フタ内部の設計が緻密です。パーツも多くて洗浄にやや手間がかかりますが、これは圧力鍋ならではの宿命。洗う際にはなくさないよう注意が必要で、細かいパーツは食洗機(食器洗い乾燥機)で洗わないほうがベタ―です。なお、本機はグリル鍋としても活用できるようにフタが丸ごと外れるのもポイント。

↑パーツが細かく、パッキンが洗いづらい、水はけも悪いなどは圧力鍋の宿命。ただし本機の内鍋は持ち手がないうえに軽く、コーティングも優秀。扱いやすさでは好評でした

 

↑小さいパーツは洗浄もしづらいため、特に注意を

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【エントリーその2】シャープ 水なし自動調理鍋ヘルシオ ホットクック KN-HW24G

実売価格7万7000円

 

【設置性】

多機能なぶんサイズは大きめ

調理容量2.4Lに対し、サイズは幅345×高さ256×奥行き305mmで約5.8kg。今回比較した5モデルのなかで最も調理容量が多く多機能なぶん、サイズも大きめ。カラーはレッド系とホワイト系があり、ほかのキッチン家電に赤が多ければ前者を。そうでなければ、後者を選ぶと全体にマッチするでしょう。

↑使用モデルはレッド系。サイズ、重さともになかなかのものがあります

 

「ホットクック」は丸みを帯びた優美なデザインですが、大きいぶんキッチンやキッチンボードに置く場合でもスペースを取ります。なお、電源は約1.4mのマグネットプラグ式コードが付いてきます。

↑レッド系は華やかな色調。落ち着いた印象を好む人にはホワイト系がオススメです。2021年発売の新モデルでは、2.4Lモデルで約13%減の省スペース化を実現しました

 

「『ホットクック』は独自機能の『まぜ技ユニット』をフタに装着する仕様なので、そのぶん大きくなるのかも。無線LAN連携できたり、しゃべったりと多彩なので、機能性を重視する人向けですね」(小林)

 

「サイズは大きいけど、ゴツくはなく品格を感じるデザイン。キッチンやダイニングがラグジュアリーな雰囲気の家庭であれば、棚に置いてもマッチ」(山田)

 

【お手入れ】

想像以上に洗いやすいが「まぜ技ユニット」の水切りに注意

独自機能「まぜ技ユニット」のパーツがあるものの、洗う点数は少ない「ホットクック」。コーティングが施された内鍋は軽めで洗いやすく、想像以上に手入れは簡単だという意見が多かったです。

↑右端の黒いパーツが「まぜ技ユニット」

 

ひとつ懸念として上がったのが「まぜ技ユニット」の水切りについて。内部に水が残りやすい設計のため、乾かすのに時間がかかるのがネック。

↑「まぜ技ユニット」自体は調理後もあまり汚れない印象ですが、食洗機ではウイングの1本1本まで洗いにくいため、手で洗うのがオススメです。

 

「『まぜ技ユニット』の水切りはやや面倒ですが、分解する必要はなく手入れのしやすさでは合格点。『まぜ技ユニット』はすべてのレシピで必須のパーツではないので、洗う必要がないときもあるからそこまで気にならないでしょう」(山田)

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【エントリーその3】象印マホービン STAN. 自動調理なべ EL-KA23

実売価格3万3000円

 

【設置性】

大きさや重さを感じさせないスタイリッシュさ

2.3Lの調理容量で、サイズは幅285×高さ225×奥行き310mm。重さは約7.0kgと、今回のなかで最重量の「STAN.」。サイズも大きめながら、洗練されたデザインで強い主張はないといえるでしょう。この重さは、頑丈で直火調理ができるホーロー製の内鍋による部分が大きいのかもしれません。

↑「STAN.」は奥行きこそそれなりにありつつも、幅はすっきり。本体の持ち手は底部にあり、1.4mのマグネットプラグ式コードが付きます

 

インテリアに馴染む佇まいが「STAN.」のデザインコンセプトで、実際に置いてみても美しさはお見事。本体の大きさや重さはあるものの、落ち着いた印象です。

↑クリエイティブユニット「TENT」とコラボレーションした、日常生活に溶け込むシンプルなデザイン性がウリの「STAN.」。カラバリは写真のブラックと、ホワイトがあります

 

ホーロー製の内鍋は直火調理できるのも特徴。コンロ用の鍋としても使える点を踏まえれば、7kgという重さは気にならないかもしれません。編集部からもデザイン性の高さが好評でした。

 

「大きさや重さを、スタイリッシュなデザインでやわらげている好例。キッチンでも卓上でも圧迫感がなく、スマートに使えると思います」(小山)

 

「棚へ収納する際も、『置く』というか『飾る』感覚。上品な高級感をもった、美しいプロダクトですね」(松永)

 

【お手入れ】

課題があるとすれば炊飯後の洗浄だけ

洗うパーツが3点でOKと、手軽さでも好評だった「STAN.」。ホーロー製の内鍋は重いのですが、「気になるレベルではない」「熱効率のいいホーローのメリットのほうが勝る」という声のほうが多数でした。

↑内鍋、内フタ、水受け皿の3点。食洗器でも洗いやすく、細かいパーツがないので紛失する心配もありません

 

ホーローの内鍋にご飯がくっつくので、炊飯後のお手入れは大変な印象でした。コーティングされていないので、炊飯した後は漬け置きが必要。自動調理鍋で炊飯もしたいという人は、この点も考慮しておきましょう。

↑内鍋は取っ手までホーロー仕様。他パーツとのつなぎ目がなく、ガシガシ洗えます

 

「炊飯後の手入れが大変なのは、ホーロー鍋ならでは。それ以外の手入れは簡単で、油切れも良好。基本的にはストレスなく使える一台」(松永)

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【エントリーその4】ティファール クックフォーミー ホワイト 3L CY8701JP

実売価格3万9700円

 

【設置性】

コンパクトでデザインは丸くなめらかな印象

「クックフォーミー」は2.0Lの調理容量に対して、サイズが幅324×高さ268×奥行き314mmで重さが約4.798kg。同じ容量で圧力鍋の「電気圧力鍋ヘルシープラス」よりやや大きく、重さがあるのはハイパワーであること(消費電力900Wで100Vぶん高出力)、レシピ数など機能のバリエーションが多いからかもしれません。

↑「クックフォーミー」の3Lタイプで、調理容量は2L。レシピ数は210種、専用レシピ本要らずの「ナビするレシピ」など多機能

 

約1.5mの電源コードが付きますが、マグネット式ではありません。プラグが台形の形をしているので上下構わず差せるわけではなく、「地味な部分だけど意外に面倒かも」という声が上がりました。

↑カラーは、今回使用したホワイトのほかにブラックがラインナップしています

 

「デザインよりも基本性能や機能の豊富さに注力している印象。でも大きすぎるわけではないので、棚などへの出し入れはしやすいと思います」(小林)

 

「全体的に丸くなめらかで、どこかかわいらしさもあります。本国フランスならではの、舶来っぽいデザインが好きな人にはオススメです」(松永)

 

【お手入れ】

大小様々なパーツがあるため要注意

今回比較したモデルで、最もお手入れパーツが多かったのが「クックフォーミー」。「電気圧力鍋ヘルシープラス」同様に圧力鍋の宿命を背負っているのですが、こちらはさらに注意が必要でした。

↑大小様々なパーツが取り外せます。画像中央の受け皿のような部品が内ブタから取り外しにくく、球状の部品が転がるので要注意

 

内鍋はしっかりしたコーティングで洗いやすいものの、両サイドの取っ手が大きめでやや難点という声も。また、細かいパーツが多く紛失のリスクも背負っているので手洗いを推奨。シンクの排水溝にも落ちないよう、注意が必要です。

↑セラミックコーティング加工された内鍋。底には凹凸があり、食材がこびりつきにくく洗いやすい

 

「圧力鍋の手入れは手間がかかりますが、スピーディーに調理できる点は大きなメリット。時短をどうとらえるかによると思います」(小林)

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【エントリーその5】パナソニック IHジャー炊飯器「ライス&クッカー」SR-UNX101

実売価格4万2900円

 

【設置性】

炊飯器をベースにしたコンパクトさと様式美

炊飯容量0.09〜1.0Lに対し、W250×H201×D321mmで約5.0kgの「ライス&クッカー」。外観のデザインは炊飯器がベースになっており、幅や高さは今回のなかで最もコンパクトでした。

↑カラバリはホワイトのみ。また、使用時以外は表示されないタッチパネル式を採用しているので、文字情報が少なくスタイリッシュです

 

炊飯器をベースにしたデザインや設計には、編集部内でメリットとデメリットがあるとの意見で一致。メリットは、電源コードが本体に収納できる巻き取り式であること。長さが1.0mなので「もっと長いと嬉しい」という声がありつつも、収納式は高評価でした。

↑白一色で統一感のあるデザインは、キッチンやダイニングでの馴染み方も抜群。「黒もほしい」という声もありました

 

一方でデメリットは、ハンドルのバランスの悪さ。というのも、ハンドルをつかんで持ち上げた際に重心が不安定になるのです。とはいえ、ハンドル部分にしゃもじを収納できるコンパクトさ、洗練されたデザインには賞賛の声が多数上がりました。

 

「炊飯器って、出しっぱなしになる家電。日用品であるその一台がこれだけすっきりしていて、しかも調理鍋としても使えるのはうれしい」(小山)

 

「やや重めなのは、内釜に高級な『ダイヤモンド竈釜』を採用しているからかも。炊飯器をメインとして使うならあまり持ち運びはしないし、多少重くてもいい」(山田)

 

【お手入れ】

洗うパーツは2点のみでお手入れ簡単

今回最も洗うパーツの数が少なかった「ライス&クッカー」。対象は内釜と内フタ(ふた加熱版)のみ。

↑内フタのパッキンは取り外し不要ですが、内側に汚れが残りやすいので丁寧に洗いましょう

 

洗うパーツが2点のみというのは、実体験としてもきわめてスピーディー。また、内釜に持ち手がないので洗いやすいという点も高評価でした。

↑内フタには「うま味キャッチャー」という突起があるものの、こちらもパッキン同様取り外さずに流水洗いでOK

 

「『ライス&クッカー』はIoTで高性能ですが、ハードウェアは実にシンプルで手入れもカンタン。洗い物が面倒な人にはうれしいですね」(小林)

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【設置性・お手入れの調査のまとめ】

アイリスオーヤマ「電気圧力鍋ヘルシープラス」はコンパクトで軽く、カジュアルなデザインも良い。圧力鍋のため細かいパーツが多く、手入れにはやや手間がかかるが、リーズナブルに電気圧力鍋を使いたい人にはオススメ。

 

シャープ「ホットクック」は容量があるぶんサイズも大きめで、デザインには高級感があり。手入れは比較的簡単で使い勝手も良好。棚に置くなら、キッチンやダイニングが広めの家のほうがよさそう。

 

象印マホービン「STAN.」はサイズが大きめながら、洗練されたデザインが秀逸。キッチンでも卓上でも圧迫感がなくスマートに使える。洗浄パーツは少ないが、炊飯した場合は米がこびりつく点に留意を。

 

ティファール「クックフォーミー」は比較的コンパクトで、丸みのあるデザインが特徴。洗浄は細かいパーツが多く大変だが、圧力鍋の時短を享受したい人、海外デザインが好きな人向けの一台。

 

パナソニック「ライス&クッカー」は炊飯器がベースでサイズは小さめ。インテリアになじみやすい、すっきりとしたデザインも特徴。洗浄はきわめて簡単で、ミニマルライフに重きを置く人、手入れに時間をかけたくない人には特にイチオシ。

 

次回は過去回をおさらいしながら「全体まとめ」をレポートします。

 

撮影/中田 悟