当連載でも繰り返し言っていることだが、筆者は超ド級の悪筆である。少しでもマシな字が書ける筆記具を探して、取っ替え引っ替えしているうちに文房具に詳しくなり、文房具ライターになり……というぐらいだから、なかなか筋金入りの字の汚さと言っていいだろう。

 

で、いろいろと筆記具を試した上で確実に言えることは、マシな字を書きたいなら、筆記具に「なめらかな筆記感」を求めちゃダメ! ということだ。

 

字にコンプレックスがあると、どうしても字を走り書きしてしまう癖がつきがち。そこになめらかな筆記感がプラスされると、走り書きどころか、転がり回って書いたん……? と思うほどの乱れ方になってしまう。悪筆なりにゆっくり丁寧に書くのが重要で、ペン先のコントロールを意識して書けば、どんなに下手だろうと、多少はマシになるはずなのだ。たぶん。

 

美文字を書きたいなら、まずは下敷きを使おう!

つまり我々“字が汚い族”が求める文房具には、(1)書く速度を落として、(2)ペン先のコントロール性を高める、という2つの機能が備わっていると嬉しいわけだ。

 

例えば「カリカリ感強めの細字ボールペン」はこの条件を満たしてくれてオススメなのだが、それ以外のペンが使いづらくなるというのは難点だ。そこで試してみてほしいのが、レイメイ藤井「魔法のザラザラ下じき 0.3mmドット」である。

レイメイ藤井
魔法のザラザラ下じき 0.3mmドット
A4・B5サイズ 各750円(税別)

 

いわゆる学童向けのプラスチック下敷きだが、特徴的なのは、表面にびっしりとある細かな凹凸。手で触るとザラザラとした感触があり、これがネーミングの元となっている。

 

このザラザラがなににどう効くのか? というと、これによって子どもの運筆力を育てる効果がある、というのだ。

↑下敷きの表面には細かに凹凸がびっしり。これが文字を美しくする効果を生む……!?

 

運筆力とは、自分の思うようにペン先をコントロールする能力のこと。まさにドンピシャで僕らが欲しかったヤツじゃないか。

 

これを紙の下に敷くと、ボールペンでも鉛筆でも、書くとザラザラというか、ボコボコとした振動が指先にハッキリと感じられるはず。まずこの振動がすべり防止になるため、書く速度がグッと落ちる……と書くとネガティブな感じもするが、つまりは無意識の走り書きを発生させないため。道路を意図的に凸凹させた減速帯のようなもの、と思ってもらえば分かりやすいかもしれない。

↑ペン先が適度に引っかかるため、走り書きにならず落ち着いて書くことができる。これはあまり体感したことのない書き味だ

 

速度が落ちれば、字のバランスや形に意識を払う余裕も生まれる。自動的に丁寧な筆記ができるというわけだ。実際に試してみても、はっきりと「マシな字が書けた!」という自覚が持てるほど。

 

ただし、筆記線をじっくり見れば、凹凸を拾ったことでの細かな線のブレも見て取れるので、そこが気になる人には向いていないだろう。

↑各筆記具の上段(●が付いている方)が、このザラザラ下敷きを使用して書いたもの。下敷きなしと比較すると、明らかに丁寧な書き方ができている

 

また、ボコ、ボコ、という振動ごとにペン先がどれだけの距離を進むのかをなんとなくでも把握すれば、手の感触と脳内でイメージした運筆が一致させやすい、というのも大事なポイントだ。振動がペン先の動きをナビゲートしてくれるので、思い通りにコントロールしやすくなるのである。

↑ペン先から受ける振動を目安にすると、線の長さや角度も把握しやすい

 

↑ちなみに下敷き裏面はツルツル仕様なので、引っかからずスピードを上げて書きたいときは裏返して使うといい

 

冒頭でも述べたが、書きやすくするためにいちいち筆記具を選ばない、というのが、下敷きを使うメリットだ。

 

極細径のシャープペンシルやボールペンはやや書きづらく感じるかもしれないが、それ以外はだいたいどんな筆記具でも、確実に丁寧な字が書けるようになるはず。特に「ジェットストリーム」など走りすぎになりがちな低粘度油性インクが、意識してコントロールしやすくなる様子は、従来にない面白さである。

 

↑A5ノートを多用する筆者は、A4下敷きを半分にカット。これは便利!

 

そもそもは学童用として作られている製品だが、大人が使って何の問題があるわけでもない。使うだけで字がちょっとでもマシになる可能性があるのだから、むしろ使わない理由の方がないだろう。

 

筆者はノート・紙類をA5サイズに統一しているので、A4のザラザラ下じきを半分にカットして持ち歩いていることも付け加えておきたい。