日本では、あまり注目される工具ではないけれど、欧米ではカンナに代わる研磨道具として活躍する工具。

モデルのバリエーションも多く、研磨の種類に合わせていろいろ使い分けることも可能だ。

サンディングすれば作品の質が一気に上質になるぞ!

 

電動サンダー4種。手前はデルタサンダー、中右からオービタルサンダー、ランダムサンダー、後ろがベルトサンダー

 

モーターの力で素早くきれいに材を研磨できる

電動サンダーは、モーターで本体に取り付けるサンドペーパーを、振動、または回転、もしくは両方を合成して細かく動かして、材を研磨する工具。他にもベルトコンベアーのようにベルト駆動するものや、円筒を回転させてそこに材を当てて研磨するなど、目的によって特化されたモデルも存在する。単純な加工から、塗装前の仕上げ研磨まで、木工の工程の中でも、ひんぱんに使われるべき工具だが、日本の日曜大工では、登場する機会が少ない工具だ。

日本では工作用に販売されている材が、きれいにカンナがけされたものが多く、仕上がりも白木が好かれているので、必ずしもサンダーが必需品ではないと考えられているからともいわれる。

しかし、木工の常識として、研磨した面を作ってから最後に塗装して本当の仕上がりとなるのだし、市販の材がカンナがけ済みといっても、自分でサンダーを使って研磨すれば、よりきめ細かい面を作ることもできる。よりよい作品づくりのために、ぜひサンダーに注目してほしい。

 

サンダーに共通する使い方

一般的なサンダーは振動スピードを調節するスイッチなどはついていない。研磨の程度は振動の速度ではなく、サンディングペーパーやサンディングパッド、サンディングベルトの交換で調節する。

サンディングペーパー類は、細かい目から粗い目まで段階的に作られていて、交換することで粗い研磨から、細かい研磨まで使い分けられる。目の程度は番号がつけられていて、目が粗いほど番号が小さくなる。木工では80番から400番までの間の番手が多く使われる。

研磨する材や作品は動かないように固定しておく。サンダーは研磨したい部分にサンディングディスクを当て、サンダーが十分に振動できるように、あまり強くは握らず、軽く押さえる程度で作業する。材の木端など細い部分の研磨では、研磨中にサンダーが傾かないように支えて作業する。

 

サンダーは研磨面に対して平らに持つこと!傾くとどんどん斜めに研磨されてしまう

 

木工用サンダーのスタンダードモデル・オービタルサンダー

ベテランの間では仕上げサンダーとも呼ばれるモデル。研磨面がオービタルダイヤと呼ばれる微小な軌道を描きながら、細かく振動してサンドペーパーを動かして、材を研磨する。

電動サンダーの中では、一番おだやかな動きをするサンダーで、木工では、塗装時の木地調整や、切断面の簡単な研磨に使いやすい。材の形を変えるほどの大きな研磨はしにくいが、粗目のサンドペーパーを使えば、面取りなどに不自由はない。

他のサンダーが、専用のサンディングパッドを使うのに対して、四角い研磨面のオービタルサンダーは、市販のサンドペーパーを使うことができるので、ランニングコストの面でも有利だ。

またメーカーではオプションでサンドペーパーに、集じんの穴をあけるためのアクセサリーがあるので、これを使ってサンドペーパーに穴あけすれば集じん機能を生かすこともできる。

研磨作業では、あまり強く押し付けることはせず、サンドペーパーが自由に振動できる程度に押さえ、木目に沿って研磨するのがコツだ。オービタルサンダーは、長時間作業しても腕が疲れることが少なく、女性でも保持しやすいスタンダードなサンダーといえる。

 

オービタルサンダーの作動パターン

 

オービタルサンダーで塗装前の木肌調整をする

木肌調整とは、なめらかな塗装に仕上がるように、作品を研磨する作業。塗装自体より木肌調整のほうが、きれいな塗装のためには重要といわれる工程。細かな振動のオービタルサンダーに向いた作業だ。

 

オービタルサンダーに市販のサンドペーパーを取り付ける

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写真◎冨士井明史/取材協力◎白井 糺、ブラック&デッカー、ボッシュ、リョービ

*掲載データは2012年2月時のものです。