初夏を迎えると出回る、とうもろこし。旬の時期にしか味わえない採れたてのとうもろこしは、粒にハリがあり、みずみずしくて香りがいいのが魅力です。そんなとうもろこしを使って、料理家で管理栄養士の新谷友里江さんに、3品のレシピをご紹介していただきました。そのまま食べるだけではない、とうもろこしのおいしさをぜひ味わってみてください。

 

レンチンがおすすめ! とうもろこしの調理と保存のコツとは

とうもろこしは炭水化物、タンパク質、リン、ビタミンB群、ビタミンE、鉄分、食物繊維などを含み、栄養バランスに富んだ食材のひとつ。ごはんよりも糖質が少ないので、カサ増しに使ったりごはん代わりにしたりすると、糖質量を抑えることもできます。

 

「ビタミンB1が不足すると、食欲低下や体のだるさなどの症状が出やすくなりますから、とうもろこしは夏バテ防止や疲労回復にも効果的でしょう。ただし、水溶性の栄養素なので、茹でると茹で汁に栄養素が流れてしまうことに。なるべく電子レンジでの加熱がオススメです。スープや炊き込みごはんにするなど、栄養を逃さない調理法も向いています。芯と一緒に炊くと、芯のうまみや栄養も吸収できます

ちなみに収穫すると糖質がでんぷん質に変わっていってしまい、甘みが薄れていくので、購入したらすぐに加熱しておくのがいいでしょう。すぐに食べない場合は、加熱したあと芯から身を外して冷凍しておくと、使いやすいですよ」(料理家・管理栄養士 新谷友里江さん)

 

では、この栄養素もおいしさも逃すことなく手軽に作れるレシピを3品、紹介していただきましょう。

 

ビタミンB1を効果的に吸収!
チンだけでできるボリュームおかず「とうもろこしとひき肉のレンジ蒸し」

とうもろこしの甘みと、つぶつぶ食感を楽しめるレシピ。こねて電子レンジで加熱するだけなので、忙しい日の一品としても活躍します。

 

「食べるとジュワッととうもろこしの甘みが出てきて、噛むたびにおいしさを感じられるおかずです。ひき肉に火がよく通るよう、中央をくぼませて成形するのがポイント。また、指定の時間加熱したら、お肉が赤くても追加でレンチンしないようにしましょう。加熱時間が長くなると底が焦げてきてしまうので、ラップをしたまま少し置いて予熱で火を通してみてください。また、今回のように玉ねぎやニラなど、アリシンを含む食材を一緒に摂ると、とうもろこしのビタミンB1をより効果的に吸収することができますよ」

 

【材料(2人分)】

・とうもろこし……1本
・豚ひき肉……200g
・玉ねぎ……1/4個
・酒……大さじ1
・片栗粉……大さじ1
・塩……小さじ1/4
・こしょう……少々

 

〈トッピング〉
・大葉……3枚
・からし、しょうゆ……適量

 

【作り方】

1.とうもろこしは身を削ぐ。玉ねぎはみじん切りにする

とうもろこしは三等分くらいの長さに切り、包丁を芯に添わせて身を外していきます。

 

2.ボウルにとうもろこしと豚ひき肉、玉ねぎ、調味料を入れてよく練り混ぜる。

とうもろこしがしっかりまとまらなくても大丈夫。次の工程でお皿に乗せていきましょう。

 

3.2を直径22cmの耐熱皿に平らに広げ、レンジで6〜7分加熱する。

山にならないよう、なるべく平たく伸ばします。中心は火が通りにくいので、少しくぼませてレンジに入れます。

 

4.火が通ったらできあがり。

千切りにした大葉をのせて、からし醤油を添えていただきましょう。家族で切り分けて食べるのはもちろん、残った分を冷凍しておくのもオススメです。

「食べ応えがありますが、とうもろこしの爽やかな香りとみずみずしさで、食欲が落ちる季節にも食べやすい味です。他の野菜をみじん切りにして合わせてもおいしいですよ」

 

緑黄色野菜といっしょに食物繊維をたっぷり!
ごはん代わりにさっぱりといただく「とうもろこしのモロッコ風サラダ」

たっぷりの野菜と一緒にサラダにしたとうもろこしは、ボリュームアップにもぴったりの食材。皮つきのまま電子レンジで加熱することでジューシーさを保つことができ、甘みも逃しません。

 

「クミンとパクチーを合わせて、夏らしい味のサラダにしました。クエン酸を摂ると夏バテ予防にもよいので、レモン汁を入れています。また、一緒に緑黄色野菜を摂ると、便通改善にもよりよくなり、コレステロールの酸化を抑えて動脈硬化を予防してくれますよ」

 

【材料(2人分)】

・とうもろこし……1本
・トマト……1個(200g)
・きゅうり……1本(100g)
・紫玉ねぎ……1/6個(約30g)
・オリーブ油……大さじ2
・レモン汁……大さじ2
・塩……小さじ1/2
・粗びき黒こしょう……少々
・クミンパウダー……小さじ1/3

 

〈トッピング〉
・パクチー……適量

 

【作り方】

1.とうもろこしはレンジで5分加熱し、粗熱が取れたら身をそぐ。

薄皮一枚を残してラップに包み、この状態で電子レンジへ。加熱後は、皮とひげを取り除きます。

 

2.トマトは1cm角の角切りにする。きゅうりは縦4等分に切り、端から1cm幅に切る。紫玉ねぎは粗みじん切りにする。調味料を混ぜ合わせて、すべてを和える。

さっと和えたら、パクチーを飾ってできあがりです。野菜をそれぞれ切る手間はありますが、ごはんが重たく感じるときの朝食やランチにもぴったり。クミンの香りが食欲を助けてくれます。
「とうもろこしは食物繊維も豊富。便通を促して便秘を予防したり、コレステロールに吸着して体外に排出してくれるので、血中コレステロール値を低下させる働きもしてくれます。また、血糖値の急激な上昇を抑えてくれるので、血糖値スパイクの抑制にもつながります」

 

おいしい上にかさ増しも!
おやつにもランチにも、ふわっと焼ける「コーンパンケーキ」

とうもろこしがたっぷり入ったパンケーキは、やさしい甘さと粒の食感がおいしい一品です。ヨーグルトを入れることで外側がサクッとし、中はしっとりとした歯切れのよい生地に。

 

「パンケーキは、生地をあまりしっかりと混ぜすぎないことと、焼くときにあまりいじらないことが、おいしく焼くコツ。ボリュームが出てふっくらと立ち上がり、軽く焼き上げることができます。とうもろこしの甘さを活かすため、生地のお砂糖は少なめに」

 

【材料(2人分)】

・とうもろこし……1/2本
・小麦粉……120g
・ベーキングパウダー……小さじ1
・たまご……1個
・砂糖……大さじ1と1/2
・ヨーグルト……50g
・牛乳……1/4カップ
・サラダ油……適量
・バター、はちみつ……適量

 

【作り方】

1.とうもろこしは身を削ぐ。小麦粉とベーキングパウダーは振るっておく。

包丁を前後に動かしすぎず、スッと下ろすように切っていくと、粒がバラバラに飛び散りません。よく包丁を研いでおくのがコツ。

 

2.ボウルにたまごを溶きほぐし、砂糖を加えて泡だて器で混ぜる。ヨーグルトと牛乳を加え、その都度よく混ぜる。

粉を入れる前までは、しっかり混ぜておきます。

 

3.小麦粉とベーキングパウダーを加えてヘラでさっくりと混ぜ、とうもろこしを加えてさっと混ぜる。

生地にまだ粉っぽさが残っているくらいで、とうもろこしを加えていきます。

 

4.フライパンを中火で熱してサラダ油をなじませる。生地を1/4量ずつ流し入れ、弱火で焼き色がつくまで両面を2〜3分ずつ焼く。

焼き色がしっかりついてからひっくり返すと、高さも出てふっくら仕上がります。

 

5.バターとはちみつをトッピングする。

ほんのり甘い生地には、はちみつとバターがよく合います。腹持ちもよく、甘いものが欲しいときにもちょうどいいおやつです。

 

とうもろこしは6月ごろから出回りはじめるので、“夏”の印象が強いのですが、北海道産は9月下旬あたりまで楽しめます。昼夜の寒暖差があるほど身が甘くなるので、暑さが増す8月よりも少し気温が落ち着く時期のとうもろこしがおいしいのもポイント。生食できる品種や粒が白いものなどもあるので、いろいろな味を楽しんでみてください。

 

【プロフィール】

料理家・管理栄養士 / 新谷友里江

料理家・祐成二葉氏のアシスタント、祐成陽子クッキングアートセミナー講師を経て独立。ダイエットメニューや離乳食、お弁当、手軽にできる日々の献立など、オールマイティーで間違いないおいしさのレシピ開発に定評があり、料理雑誌やファッション誌、テレビ、WEBなどで活躍している。近著に、「冷凍作りおき&下味冷凍 これなら続く!毎朝すぐでき弁当」(ワン・パブリッシング)や、「楽するスープ&みそ汁」(ともにナツメ社)などがある。

 

「冷凍作りおき&下味冷凍 これなら続く!毎朝すぐでき弁当」
(ワン・パブリッシング)


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」