薄くて繊細な桃の皮は、どう剥いたらいい? SNSで話題になったように、果物の上手な剥き方は意外と知られていないのではないでしょうか。

 

そこで、初心者向けの料理教室「彩りクッキング」で講師を務める小林ゆうさんに、桃に加えてアボカド、オレンジ、パイナップルといった皮が剥きにくい果物と野菜について、きれいに剥くコツと切り方、飾り方までを教えていただきました。おまけとして、「どこまで皮を剥いたらいいかわからない……」という声が多いゴボウの扱い方も解説していただきます。

 

「桃」…切ってから剥くとキレイにできる

桃を剥くとき、どうしても柔らかい身に指が当たってしまい、そこから崩れてしまったり、黒ずんでしまったり。きれいに剥くためには、先に切ってから皮を剥く方法がおすすめです。

 

「身が崩れてしまうのは、果実自体が熟し過ぎている可能性もあります。弾力があってやや硬めの状態がちょうどいいので、選ぶときは硬さにも気をつけてみてください」(料理教室「彩りクッキング」講師・小林ゆうさん、以下同)

 

1. 水で洗って産毛を取る

桃の表面にはびっしりと産毛がついています。皮は食べませんが、剥いているときに産毛が身に付着してしまうので、水の中でそっと撫でて産毛を落としておきましょう。

 

2. 種の周りをぐるりと回るように切り込みを入れる。

ちょうど桃の割れ目のところから包丁を入れていき、ぐるりと一周します。

 

3. 身をひねるようにして半分にする

上下の身をゆっくりずらしながら回転させていくと、きれいに半分に切ることができます。

 

4. 種を取る

包丁の刃先を持ち、種の周りに包丁を差し入れて細かく動かしながら種を取ります。親指を添えて短く持つことで、包丁が必要以上に入らず、皮の方まで突き刺してしまうことがありません。

 

5. くし切りにする。

りんごのようにくし切りにしていきます。このとき、皮の方から包丁を入れると身が崩れにくいですよ。

 

6. 皮を剥く。

包丁をまな板に押し付けるようにしながら動かし、桃の皮を剥いていきます。

 

「桃は剥いた後、急速に変色してしまうので、すぐに食べないときや時間が経ってしまいそうなときは、レモン汁を少しかけておきましょう」

「アボカド」…サラダや付け合わせが豪華な見栄えに

桃と同様に身が柔らかく、きれいに剥くのが難しいのがアボカド。また、切ってみると中が黒ずんでいたり柔らかすぎたりと、選ぶ見極め方にも悩む食材です。

 

「アボカドは艶があってみずみずしく光っているものを選びましょう。触ったときに弾力があり、わずかに硬さを感じるものが食べ頃です。ある程度の硬さがあると、皮を剥くときに身を傷つけてしまうこともありません」

 

1. 中心で切ってひねる。

桃のときと同じように種を中心にしてぐるりと一周に包丁を入れ、上下の身をスライドさせて二つに割ります。

 

2. 種を取る。

包丁の刃で叩くように種を刺したら、引き抜くようにして種を取ります。

 

3. 手で皮を剥く。

身を傷つけないように気をつけながら、皮を剥いていきます。

 

4. お花型に盛り付ける。

半分のアボカドを薄くスライスし、少しずつずらしていって、丸く成形していきます。

 

ちなみに角切りにするときは、皮を剥く前に格子に包丁を入れてから、手で皮を剥いていきましょう。

 

「オレンジ」…並べるだけでごちそうのような華やかさ

皮を剥いただけのオレンジですが、きれいにカットして盛り付けるだけでも、デザートとなる一皿。ホテルなどでよく見かける“クレープシュゼット”のデクパージュ(お客さまの前で調理実演すること)でも、オレンジの切り方を見ることができるので、プロの技を見にいくのもおすすめです。

 

「オレンジは艶があり、香りがほどよくしているものを選ぶのがポイントです。あまりに強い香りがあるものは熟し過ぎている可能性があるので、よく見てみましょう。防カビ剤がついている場合があるので、はじめに中性洗剤をつけて、皮をよく洗います」

 

1. 天地の皮を落とす。

まず、オレンジの上と下の皮を切ります。身が見えるくらいしっかり切るのですが、ロスがないよう切り過ぎにも注意しましょう。

 

2. 側面の皮を剥く。

上から包丁を入れ、白い繊維が残らないように切っていきます。

 

3. 薄皮に沿って身をくし切りにする

薄皮に沿って包丁を入れたら、身をくし切りにします。身を取ったら薄皮を削ぐように包丁を入れて、次の身を取り出します。

 

4. 残った薄皮を絞り、ミントを飾る。

最後に、残った薄皮をまとめて絞ることで、身がさらにジューシーにいただけます。お好みでラム酒やコアントローなどをかけると、これだけでデザートになりますよ。

「パイナップル」…おもてなしにぴったりの「パイナップルボート」

パイナップルは皮が硬くてトゲがあり、剥きにくい果物のひとつですよね。でも、方法さえ覚えてしまえば、こんなにかわいらしくスタイリングすることができます。

 

「パイナップルは、皮を一気に剥いてしまう方法もあります。その場合は少し深めに皮を剥くと、トゲも全部取れるのでおすすめです。薄く剥いてしまうと、トゲの根元が残ってしまうので、気をつけましょう」

 

1. パイナップルを8等分に切る。

トゲで手を怪我しないように気をつけながら、葉を押さえて8等分にする。

 

2. 芯に包丁で切り込みを入れる。

葉の根元の方から包丁を入れていきますが、切り落としてしまわないよう、皮の手前で止めます。

 

3. 皮に沿って切り込みを入れる。

身だけを取るように切り込みを入れていきます。このとき、皮にあまり近い位置で切ってしまうと、トゲの根元が身の方についてしまうので、厚みを持たせて切ります。

 

4. 身を外してスライスする。

身をそっと押して外し、食べやすい大きさにスライスしたら、皮のボートに身を戻します。

 

5. 身を交互にずらす。

食べやすく、見た目にもかわいく仕上がりました。皮を剥いてしまうだけでなく、お皿のように利用できると楽しいデザートになりますね。

 

【番外編】香りが違う!「ごぼう」をおいしくする皮の剥き方

最後に、料理初心者の方がよく迷うという「ごぼうの剥き方」を教えていただきました。

 

「ごぼうは、どこまで剥いたらいいのかわからない、という質問をよく受けます。このような洗いごぼうなら、実は皮はそんなに剥かなくてもいいんです。ごぼうは皮と身の間に栄養と香りがあるので、半分だけ剥きましょう」

包丁の裏を使い、ごぼうの表皮をこそげ取ります。「皮はぜんぶ取らず、上下左右の4ヶ所だけこそげ取りましょう。残った皮には栄養と香りがたっぷり含まれますので、4ヶ所だけ剥いてあれば十分です。ただし、泥つきのごぼうの場合は、たわしなどでしっかり洗うことを忘れないでください」

 

料理の基本は、包丁の使い方。包丁の扱いが上手になると時短にもなり、盛り付けも自然と美しくなっていきます。ただ剥いて切るだけで見栄えのする一皿が作れたら、自分のためでもちょっとうれしくなりますよね。包丁の切れ味が悪いと、なかなかうまくできないので、まずは包丁を研いではじめてみてください。

 

【プロフィール】

料理教室「彩りクッキング」講師 / 小林ゆう

調理師、食育インストラクター、野菜ソムリエ。服部栄養専門学校卒業、日本一予約が取れない日本料理店にて修行を積む。現在は渋谷区にある、初心者さんの料理教室「彩りクッキング」にて講師を務め、日本料理・西洋料理・中国料理・製菓の全ジャンルを教えている。料理の基礎をしっかり学べ、最初から最後まで一人で作れる数少ない料理教室として、入会制限も行うこともあるほど定評がある。


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」