自動ゴミ吸引ドックが付属したり、ペットの排泄物を回避したりと、ロボット掃除機がどんどん高機能でゴージャスになっています。面倒な家事を機械に任せて人間は余った時間を自由に楽しむ、そんな「時産家電」の代表格であるロボット掃除機の進化が止まりません。

 

中国のロボット掃除機メーカー・Roborock(ロボロック)もその一つ。早くから水拭き機能や障害物回避機能を搭載してきた同社ですが、このほど新発売したフラッグシップモデル「Roborock S7 MaxV Ultra(ロボロック エスナナ マックスブイ ウルトラ)」(実売価格21万7800円、税込・以下「S7 MaxV Ultra」)は全部入り・何でもありの、究極のほったらかし掃除機へと進化を遂げています。

↑「Roborock S7 MaxV Ultra S7  MaxV Ultra」。本体サイズは直径35.3×高さ9.65cm、重量約4.7kg、3way全自動ドックのサイズは幅42.2×奥行50.4×高さ42.0cm、重量8.5kg。価格は価格21万7800円(税込)

 

モップへの自動給水と自動洗浄機能を搭載

新製品の最大のポイントは充電ドックが3wayになったこと。従来のフラッグシップモデル「S7 MaxV Plus」はロボット掃除機本体がドックに戻ってきた時にゴミを自動吸引する機能しかありませんでしたが、「S7 MaxV Ultra」では本体裏に搭載した水拭きモップへの自動給水と、水拭きモップの自動洗浄機能も搭載しているのです。

 

自動吸水は、ドックのタンクに水を入れておけば、スタート前に本体のタンクに給水し、モップを自動で濡らす機能。水拭き中に本体の水量が少なくなったら自動でドックに戻り、再給水して水拭き掃除を継続します。

↑ドック中央の水タンクからロボット掃除機本体の水タンクに自動的に給水する

 

↑充電するときにはカメラがある前向きにドックに入っていくが、水タンクは本体後方にあるため、給水時には自動的にバックして入っていく

 

モップの自動洗浄では、水拭き掃除終了後、または掃除中に自動的にドックに戻り、毎分600回転するブラシでモップの汚れを洗浄します。モップ洗浄のタイミングは、10〜50分の間を5分刻みで9段階に設定できます。汚れの酷い場所は頻繁にドックに戻ってモップをキレイにして再度掃除する、それほど汚れていない場所は1〜2回程度にモップ洗浄を抑えて掃除の時間を短縮化する、ということができるのです。なお、モップ洗浄で汚れた水は汚水タンクに吸い上げるので、洗浄機構はキレイに保てます。

↑ドックの奥に搭載したブラシが横に動いて水拭きモップを自動洗浄。設定により、ユーザーの好きなタイミングで水拭きモップを自動洗浄できる

 

↑右側が紙パック式ゴミ吸引機構。中央が水拭き掃除用の給水タンク、左側がモップ洗浄後の汚水を入れるタンク

 

ゴミの自動収集機能に関しては、既存モデルはサイクロン式と紙パック式の2種類から選べましたが、新製品は紙パックのみ。2.5Lの紙パックで約60日分のゴミを収集できます。高性能な紙パックを採用しており、0.3μmまでの微粒子を99.7%吸引して排気もきれいとしています。なお、3way全自動ドックは既存機種より本体への充電時間が30%短縮されており、広いエリアを掃除する場合に時短が図れます。

 

マイクの新搭載で双方向通話が可能に

新製品では新たに双方向通話機能が搭載されました。もともと、本体には音声案内用にスピーカーが搭載されており、外からスマホを使って家の中の家族に話しかけることはできたのですが、マイクがなかったため、一方通行の通話でした。その点、新製品では、ロボットにマイクを搭載することで双方向の通話が可能となったのです。スマホ側からは本体前方に搭載されたカメラを使って室内の様子をリアルタイムで見ることも可能。動画や画像は本体にもクラウドにも保存されないため、セキュリティ面で安心できます。なお、掃除機本体にLEDライトが搭載されているので、暗闇の室内でも確認可能です。

↑カメラとマイクを搭載したことで、見守り機能と双方向通話が可能に

 

↑ロボット掃除機本体のカメラで写した動画をスマホでリアルタイムで見ることができる

 

合計13種類の障害物を認識して回避する

ロボット掃除機本体の基本性能は「S7 MaxV/ S7 MaxV Plus」を継承しています。吸引力は5100Paで下位モデル「S7+/S7」の約2倍。2眼カメラによる第2世代の障害物認識・回避性能は床にある物体を素早く正確に認識し、スリッパや電源タップ、ペットの排泄物など8種類の障害物、ベッドやソファ、ダイニングセットなど5種類の家具を判別してアプリ上に表示します。認識した家具はマップ上にアイコン表示で残るので、スマホの画面で家具をタップすると、その家具の周囲だけをピンポイントで掃除するという設定も可能になります。

↑「S7 MaxV Ultra」の裏面。掃除性能は「S7 MaxV/ S7 MaxV Plus」と同じ

 

↑ストラクチャードライトとレシーバカメラで物体の形状と物体までの距離を判断し、RGBカメラで物体の特徴をとらえる

 

↑2つのカメラで捉えた床上の物体をAIで分析して合計13種類の障害物を特定。回避するとともにスマホアプリ上に障害物を表示する

 

↑カメラで認識した物体はスマホ上に表示され、同時に写真を撮影するので、スマホで障害物の画像を確認できる。写真は体重計を認識して表示したところ

 

カーペットの上では水拭きモップを自動でリフトアップ

水拭きは、単に水を含んだモップを引き摺るのではなく、毎分最大3000回(強モード)の高速振動と600gの荷重をモップにかけて強力に拭き掃除をします。雑巾を細かく叩きつけ、上から押し付けてゴシゴシ拭くイメージです。強力モードにより、人間の皮脂やコーヒー、花粉などのこびりついた汚れも落とすとしています。

↑水拭きモップを高速で叩きつけると同時に600gの荷重をかけてゴシゴシと床磨き

 

ロボロックの水拭き掃除機能で特徴的なのが、モップの自動リフトアップ。ロボット掃除機がカーペットに差し掛かると自動的に検知し、モップを5mmほど持ち上げて水拭きを中止して、ゴミ吸引掃除のみに自動的に移行するものです。これにより、カーペットが水を含んでしっとりするということが避けられます。

↑センサーがカーペットを検知して自動的にモップをリフトアップ、水拭きをやめてゴミ吸引掃除だけを行う

 

さらに、本体天面に搭載したレーザーセンサーが部屋の間取りを正確に把握し、さらに24種32個のセンサーが家具の配置や床材を把握してキッチンやリビングなど部屋の種類までも判別するので、それぞれの部屋に適した吸引力と水拭き強度を推奨してくれます。このほか、進入禁止/水拭き禁止エリアの設定、部屋別の掃除予約・掃除モード設定、フロア別のマップ保存など、アプリにより自宅に合った掃除方法・時間等が設定可能。

↑レーザーセンサーは天面の円盤の下に搭載。これにより、部屋が暗くても間取りを正確に把握し、規則正しくジグザグに動いて効率的かつゴミの取りこぼしがないよう掃除する

 

↑床材や家具の配置から部屋の種類を自動で認識し、部屋にあった掃除を推奨する

 

↑リアルタイムの掃除ルート表示、進入禁止エリアの設定など、アプリでさまざまな設定が可能になる

 

ロボロックではフラッグシップの「S7 MaxV Ultra」と同時にミドルクラスのQ7シリーズも発売。こちらはモップが高速振動や自動リフトアップはしませんが、水拭き時の水量を30段階に調整できるのが大きな特徴です。価格はロボット掃除機単体の「Q7 Max」が9万8780円、自動ゴミ収集機能搭載充電ドック付き「Q7 Max+」が13万1780円。

 

なお、「S7 MaxV Ultra」と「Q7シリーズ」はともに、全国のヤマダデンキ各店舗とヤマダウエブコム、ロボロック・ジャパンのダイレクトショップのみの販売となります。

↑ロボロックの新プロダクトライン

 

床面が複雑化する最新の住宅事情にも対応

都内で開催された「S7 MaxV Ultra」の発表会では、インテリアコーディネーターの荒井詩万(しま)さんが登壇し、最新の住宅事情について説明しました。

 

「最近、複数の間取りをワンルームにするリノベーションや、平屋の中古・新築住宅の購入が流行っています。ロボット掃除機を導入しやすい間取りの住宅が増えているのですが、一方で、テレビ前のくつろぎスペースにはラグがあり、フロア続きのキッチンやダイニングスペースは食事関係で床が汚れているなどして、掃除が複雑になっています。ロボット掃除機のアプリで設定できるのだろうけど、複雑で使いこなせるかどうか不安という声があります」

 

その点、ロボロックの新製品なら、1台でゴミ吸引から水拭きまでができ、自動的に部屋に合った掃除をしてれくるので、最新の住宅事情に対応してくれると評価しました。

↑インテリアコーディネーターの荒井さんは、ロボロックの新製品が最新の住宅事情にマッチしていると評価

 

カーペットを敷いている、畳の部屋があるからと、水拭き機能搭載ロボット掃除機の購入を諦める人は多いけど、床の種類を判別して水拭きあり/なしを自動で設定する「S7 MaxV Ultra」であれば、ロボット掃除機購入のハードルを大きく下げてくれそうです。掃除したゴミの処理はおろか、給水やモップ掃除の手間も省かれるわけで、人間がやるべきなのはロボット掃除機の動く通路の片付けだけ。まあ、その片付けと価格のハードルがもっとも高いかもしれませんが(笑)いつも片付いていてゴミもなく、床の汚れもない家で毎日くつろげることを考えれば、超えられないハードルではないのかもしれません。