自動調理鍋(電気鍋・電気圧力鍋)は、材料を入れて放っておくだけで料理が仕上がる便利なアイテム。編集部ではそんな自動調理鍋の人気モデルを集め、その実力を徹底的に調査。今回は、調理機能も備えた IoT対応のIHジャー炊飯器「ライス&クッカー」SR-UNX101を徹底的にチェックします!

※本稿は5〜6月に掲載した自動調理鍋を検証する連載企画を再編集したものです

 

【今回テストした機種はコチラ】

パナソニック

IHジャー炊飯器 「ライス&クッカー」SR-UNX101

実売価格4万2900円

調理機能も備えた IoT対応の炊飯器。「キッチンポケット」アプリからレシピを送信すれば、食材をセットするだけでほったらかしでスープや煮込み料理、ケーキなど多様なメニューを調理できます。調理レシピは発売時の10種類に加え、食のセレクトショップ「DEAN & DELUCA」監修メニューを含む新レシピを随時配信。

 

【調査その1】カレーの味と食感をチェック!

スマホアプリで検索&操作するIoT色の強い一台

「ライス&クッカー」は、IoT色を強く打ち出しているモデル。そのため、パナソニックの「キッチンポケット」アプリをスマホにダウンロードし、アプリに機器を登録してから使います。最初こそ慣れが必要ですが、アプリで直感的にレシピ検索できる点はスマートで、今後の拡張性も見逃せません

 

カレーを調理する際は、具材を入れたら「キッチンポケット」アプリを起動。「カレー」レシピから「炊飯器へ送信」ボタンを押し、炊飯器本体の「炊飯」ボタンを押すと調理が始まります。

↑具材は牛肉、玉ねぎ、じゃがいも、にんじん。肉は角切りではなく薄切りを使うこと、ルーを最後に入れることが特徴です

 

↑「キッチンポケット」アプリから本機を選び、「自動」→「カレー」→「炊飯器へ送信」の順にクリック

 

調理は予熱から始まり、それが終わると約30分で煮込み工程が完了します。ブザーが鳴ったらフタを開けてルーを投入。とけるまで混ぜたらフタを閉め、5分程度寝かせたら完成です。

↑水分が適度に抜け、じゃがいもがほど良くとけたことで、とろみの強いテクスチャーに。色も濃いめです

 

2日目カレーのような、ホームメイド感あふれる濃厚な味

↑薄切り肉とドロッとしたルックスで、ホームメイド感が漂う仕上がりです

 

豊かなとろみも相まって、凝縮感のある味わい。コク深く濃厚なテイストに、ドロドロなカレーが好きな編集部員から感動の声が多数上がりました。また、薄切り肉にはそれならではの良さがあるという意見も。

「どこか2日目のカレーを思わせる熟成感があって、ウマい!」(山田)

「薄切り肉は角切りほどの弾力はないものの、カレーソースやライスとの一体感がイイですね。ドロっとしたルーは大好物!」(小山)

↑熱がしっかり入った、ほろほろのじゃがいも。でんぷん質がほど良くとけ、カレーのとろみにも寄与している印象です

 

【調査その2】豚の角煮の味と食感をチェック!

手動調理で40分のシンプルな手順

「ライス&クッカー」には豚の角煮のレシピがないため、ルーローハンのレシピを参考に、オーソドックスな具材を使って40分の手動調理で仕上げます。手動調理ながら、操作手順はシンプルでカンタン。

↑具材は豚バラブロック、長ねぎ、しょうが。調味料は酒、しょうゆ、砂糖、水など

 

カレーの仕上がりは最もとろみのあるテクスチャーで、味わいも濃厚だった「ライス&クッカー」。豚の角煮ではどうなるのか、が気になるポイントです。

↑完成した角煮はこってりしていてツヤもある印象です

 

ジューシーかつ濃いめの味付けで、ごはんやお酒が進む味

↑調理時間が40分と比較的短い調理時間ながらも、堂々たる仕上がり

 

味わいは、カレーと同様にパワフルな方向性。適度にジューシーで、カレーと同様、濃いめの味付けとなっていて、ごはんやお酒が進みそう。味の濃さだけではなく、肉の食感も高評価でした。

「煮汁は適度に水分が飛んでいて、味が濃いめ。若い人は特に好きなんじゃないでしょうか」(山田)

「肉はしっとり感とともにプリッと弾力があって、専用レシピじゃなくても十分おいしかったです!」(松永)

↑プリっとした脂身が印象的!

 

【調査その3】ごはんの味と食感をチェック!

上品な甘味が感じられ、粒立ちの良さはバツグン

↑「銀シャリ」コースを選び「炊飯」を押してスタート。約52分で炊き上がります

 

25通りの炊飯コースのなかから、「銀シャリ」を選択して炊飯。炊飯に軸足を置いているだけあって、同社の高級炊飯器に搭載されている「ダイヤモンド竈釜」と「おどり炊き(大火力IH)」を搭載しており、その上品な味や粒立ちの良い食感には感動の声が上がりました。

「ほどよい甘みがあって、弾力もちょうどいい。粒立ちはバツグンで、口のなかでひと粒ひと粒がパラッとほぐれていきます。これはウマい!」(山田)

↑ふっくらとした見た目で、ツヤも上々

 

【調査その4】操作性をチェック!

スマホアプリから検索&操作するIoT仕様

「ライス&クッカー」は、天面に浮き上がるように表示されたボタンに触れて操作するタッチパネル式を採用。操作が可能なボタンだけ表示されることや、独自のステータス表記(炊飯調理時は「Co」、お手入れ機能時は「CL」等)など、慣れるまではわかりづらさがありますが、使わないときに存在を消すことから生まれる引き算の美学は実にスタイリッシュ。スマホアプリを重視している点などからも、若者がコアターゲットであることがうかがえます。

↑スタイリッシュな天面ディスプレイ

 

基本的に専用のスマホアプリ「キッチンポケット」を駆使して操作するので、本体パネルはほとんど使いません。ふだんスマホを扱うのと同じ感覚で、写真やメニュー名を見ながら検索、決定、本体に送信という手順です。よって、スマホを使い慣れている人ならスムーズに操作できるでしょう。アプリには自動調理メニューが複数ラインナップ(2022年5月12日現在で28種類)。なおかつ今後もレシピは追加されていくので、拡張性も期待できます。

↑例えばカレーなら、「キッチンポケット」の「カレー」レシピを選び「炊飯器へ送信」ボタンを押して準備完了。その後、「ライス&クッカー」の「炊飯」ボタンを押すことで本体が送信内容を承諾し、調理が始まります

 

アプリ内の調理カテゴリーは「炊飯コース」と「調理コース」に分かれています。「炊飯コース」では炊飯だけで25種の炊き分けが可能。「調理コース」では「自動」と「手動」があり、「自動」に用意されたなかから直感的にメニューを選び、本体に送信して調理するという流れです。なお、本機にレシピブックは付属しませんが、これもスマホアプリで使うことを想定しているからでしょう。

↑自動調理のレシピ。写真付きで選びやすいです

「徹底してアプリに振り切っているのが潔いですね。操作はほぼスマホで完結するので、スマホネイティブ世代はこちらのほうが使いやすいはず」(山田)

「レシピブックが付属しませんが、不自由は感じません。自動メニューの数は現時点でそれほど多くはないですが、食のセレクトショップ『DEAN & DELUCA』とのコラボメニューもありますし、今後はどんな新メニューが配信されるのか楽しみです」(松永)

 

【調査その5】独自機能をチェック!

時代にマッチしたお洒落さもナイスな「個性派レシピ」

IoT色が強い「ライス&クッカー」の独自機能として挙げたいのが、随時アップデートされるレシピを独自の「キッチンポケット」アプリを通じて本機にダウンロードできること。なかでも、米国発のフードセレクトショップ「DEAN & DELUCA」監修の「個性派レシピ」は異彩を放つお洒落さです。今回は「アボカドのライムスープ」を作って味わい、機能の独自性を検証しました。

↑カットした玉ねぎ、ズッキーニ、トマト、ひよこ豆などを入れ、アプリから「アボカドのライムスープ」を選んで送信。本機の炊飯ボタンを押せば調理スタートです

 

その後、予熱を経て約20分で加熱は完了。ふたを開けて塩こしょうとライムで味を整えます。そしてボウルに移し、塩やタバスコで味を付けたアボカドをペーストにして盛り付ければ完成です。

↑出来上がり。お好みで、ライムとパクチーを飾りましょう

 

ルックスからして洗練された印象。食べてみると、うまみ、酸味、辛みが程よく調和した新感覚のおいしさです。未知なる料理との出合いが楽しめるのは、確かに本機ならではの独自性といえるでしょう。編集部では「これまでの自動調理鍋にはなかった新発想」など、高い評価の声が上がりました。

「多くの自動調理鍋は、ベーシックな料理を作るイメージ。でも『ライス&クッカー』のユニークなレシピは新体験を提案するという価値もありますよね。『DEAN & DELUCA』監修だから、より作ってみたくなるというのもポイント。レシピが随時追加されていくワクワク感も、本機の醍醐味だと思います」(山田)

「ここ数年でおうち時間が増えたなか、外食でトレンドメニューに触れる機会が減った人は多いはず。そういった層にもアプローチできるし、お洒落な料理はホームパーティーメニューとしても活躍してくれるので、この機能はいまの時代にすごくマッチしていると感じました」(小林)

ごはん派の人にとっては絶対うれしい「炊き分け性能」

本機は製品名が「ライス&クッカー」なだけに、炊飯機能も充実。コースは実に多岐にわたり、お米は玄米や雑穀米などにも対応し、エコ炊飯、早炊き、すし・カレー用、冷凍用、おかゆなど細かく炊き分けができます。この「炊き分け性能」について、編集部で意見を交わしました。

↑一般的な「銀シャリ」モードで炊き上げたごはんそのものも、専門性を生かしたワンランク上のおいしさでした

 

本機が炊飯にこだわっているのは、炊飯器のようなルックスや内鍋の目盛り、「炊飯ボタン」などからしても明らか。炊き分けに関しては「冷凍用のごはんを炊けるのはうれしい」「これ一台で調理も炊飯もする人にとっては、炊飯機能がワンオブゼムじゃなくてメインになっているのはすごくありがたいと思います」などの声が上がりました。

 

また、同社の高級炊飯器に搭載されている「ダイヤモンド竈釜」と「おどり炊き(大火力IH)」を搭載している点も高評価でした。炊飯器の買い替えを検討している人にはさらにオススメです!

 

【調査その6】設置性をチェック!

炊飯器をベースにしたコンパクトさと様式美

炊飯容量0.09〜1.0Lに対し、W250×H201×D321mmで約5.0kgの「ライス&クッカー」。外観のデザインは炊飯器がベースになっており、幅や高さは今回のなかで最もコンパクトでした。

↑カラバリはホワイトのみ。また、使用時以外は表示されないタッチパネル式を採用しているので、文字情報が少なくスタイリッシュです

 

炊飯器をベースにしたデザインや設計には、編集部内でメリットとデメリットがあるとの意見で一致。メリットは、電源コードが本体に収納できる巻き取り式であること。長さが1.0mなので「もっと長いと嬉しい」という声がありつつも、収納式は高評価でした。

↑白一色で統一感のあるデザインは、キッチンやダイニングでの馴染み方も抜群。「黒もほしい」という声もありました

 

一方でデメリットは、ハンドルのバランスの悪さ。というのも、ハンドルをつかんで持ち上げた際に重心が不安定になるのです。とはいえ、ハンドル部分にしゃもじを収納できるコンパクトさ、洗練されたデザインには賞賛の声が多数上がりました。

「炊飯器って、出しっぱなしになる家電。日用品であるその一台がこれだけすっきりしていて、しかも調理鍋としても使えるのはうれしい」(小山)

「やや重めなのは、内釜に高級な『ダイヤモンド竈釜』を採用しているからかも。炊飯器をメインとして使うならあまり持ち運びはしないし、多少重くてもいい」(山田)

 

【調査その7】お手入れをチェック!

洗うパーツは2点のみでお手入れ簡単

今回最も洗うパーツの数が少なかった「ライス&クッカー」。対象は内釜と内フタ(ふた加熱版)のみ。

↑内フタのパッキンは取り外し不要ですが、内側に汚れが残りやすいので丁寧に洗いましょう

 

洗うパーツが2点のみというのは、実体験としてもきわめてスピーディ。また、内釜に持ち手がないので洗いやすいという点も高評価でした。

↑内フタには「うま味キャッチャー」という突起があるものの、こちらもパッキン同様取り外さずに流水洗いでOK

「『ライス&クッカー』はIoTで高性能ですが、ハードウェアは実にシンプルで手入れもカンタン。洗い物が面倒な人にはうれしいですね」(小林)

 

【調査のまとめ】

炊飯重視の少人数世帯・アプリ操作に抵抗がない世代に親和性が高い

カレーや豚の角煮は濃厚な味わいに仕上がる傾向。「炊飯器」と冠するだけあって、ごはんは上品な甘さと粒立ちが際立つワンランク上の炊きあがりになりました。操作性はアプリ使用を前提とした割り切った仕様で、本体での操作はほとんどナシ。アプリで直感的にメニューが検索でき、追加メニューが配信されるなど拡張性が期待できます。スマホの扱いに慣れた若年層のユーザー向けと言えるでしょう。コンパクトなボディと洗練されたデザインにより、設置性は良好。洗うパーツは2点のみでお手入れはカンタンでした。

 

総じて、料理は濃いめの味わいに仕上がる傾向にあり、手ごろな価格やスマホでの操作が中心という点も含めて、若者や新婚世帯などに親和性が高いモデル。また、炊飯の実力が極めて高いので、ごはんの味を重視したい家庭に向いています。コンパクトかつ炊飯器/調理鍋の1台2役なので、家電の設置スペースを節約したい住宅事情の方にもオススメのモデルです。