アップルが現地時間9月7日に、米国クパティーノの本社で開催したスペシャルイベントに参加してきました。間もなく発売を迎える新しいiPhone 14シリーズ、Apple Watchの3モデル、そして第2世代のAirPods Proについて、現地で実機に触れながら確かめたインプレッションを報告します。

↑iPhone 14シリーズ、Apple Watchの3製品と第2世代のAirPods Proが発表されました

 

今年2度目のリアル開催。タッチ&トライコーナーも盛況

アップルは2020年の新型コロナウィルス感染症の拡大以来、スペシャルイベントをオンラインで開催してきました。リアルでのイベント再開は、2022年6月の世界開発者会議「WWDC」から。世界各国のジャーナリストやパートナーなど、人数を厳選して招いていました。

↑アップル本社のSteve Jobs Theaterで開催されたスペシャルイベントに、世界各国から大勢のジャーナリストやアップルのパートナー企業が招かれました

 

先日のスペシャルイベントも、アップルは会場各所で衛生対策を厳しく講じ、参加者にも協力を仰ぎながら万全の体制で実施しました。

 

ビデオ配信によるスペシャルイベントのキーノート後、会場のSteve Jobs TheaterにはiPhoneやApple Watch、AirPods Proのタッチ&トライコーナーが設けられ、大いに賑わいました。耳に装着して試さなければならないAirPods Proは、参加者が試聴を終えたらイヤホンをまるごと1台ずつ交換する徹底的な衛生対策が採られていました。

↑3カテゴリの新製品が展示されたタッチ&トライコーナーも盛況

 

動くiPhone 14 Proのノッチが楽しい! 本命は大画面のiPhone 14 Plusか?

2022年秋のiPhone新製品はナンバリングが「14シリーズ」になります。13シリーズまで好評だった5.4インチの「mini」がなくなり、代わりに6.7インチの大画面を搭載する「iPhone 14 Plus」を加えた4機種が揃います。

↑賑わうiPhone 14シリーズの展示

 

イベントの前には、昨今の円安による影響も受けて、Proシリーズのスタート価格が20万円に迫るのではないかとのウワサもありました。ですが、発表された価格を見ると確かに値上がりしてはいるものの、Proシリーズの2機種(「iPhone 14 Pro」と「iPhone 14 Pro Max」)はどちらもスタート価格が14〜16万円台に落ち着きました。16日の発売に向けた予約の申し込みも、Apple Storeの納期を確認すると好調のようです。

↑トリプルレンズカメラを搭載するiPhone 14 Proシリーズ

 

iPhone 14 Proシリーズには最新のA16 Bionicチップと、高精細な48メガピクセルのセンサーを載せたメインカメラを含む、トリプルレンズのカメラが採用されています。

 

カメラは4つのピクセルを1つのピクセルとして機能させ、大きなセンサー面積を確保。他社の高機能カメラを搭載するスマホと同様、12MPの写真サイズを維持したまま、明るく高精細な写真を記録するピクセルビニングの技術を載せてきました。

 

加えて、アップル独自のソフトウェア処理により、暗い場所でも明るく精細感の高い写真が撮れる「Photonic Engine」や、ジンバルを使わずiPhoneを手に持った状態でブレのないスムーズな動画が撮れる「アクションモード」も搭載。これらの完成度がどこまで高いのか楽しみです。

↑左側が6.1インチのiPhone 14 Pro、右側は6.7インチのiPhone 14 Pro Max

 

大きな変化でいうと、フロントカメラやFace IDに使われる各種センサーを載せたディスプレイ上部の切り欠き(ノッチ)のデザインも挙げられます。iPhone 14 Proシリーズの切り欠きあたりに配置した「Dynamic Island」は、iPhoneやアプリの動作ステータスを文字とアイコンで表示したり、タップ操作によりアプリに飛べたりと、新しいユーザーインターフェースとしても機能します。アップルの純正アプリ以外に、サードパーティのデベロッパによるいくつかのアプリも既にDynamic Islandに対応済みです。

↑フロントカメラのエリアには形が変わり、なおかつタッチ操作に対応するスクリーンエリアを設け「Dynamic Island」と名付けました。写真の画面にはミュージックアプリで再生中の楽曲のジャケ写と、右側にタイマーアプリのアイコンが表示されています

 

今までのiPhoneにない楽しみ方を提供してくれそうなDynamic Islandは、 ほかのオールスクリーンデザインのiPhoneに対する、14 Proシリーズの“ルックスの違い”を際立たせる効果も担っています。いつも最先端のiPhoneを楽しみたい人には、今年はiPhone 14 Proシリーズが断然おすすめだと思います。

↑左が6.1インチのiPhone 14。右が6.7インチのiPhone 14 Plus。価格は11万円台から

 

かたや、iPhone 14 Plusは今年のラインナップの隠れた大本命かもしれません。同じく6.7インチのiPhone 14 Pro Maxよりも本体が37gも軽いほか、内蔵バッテリーはiPhone 14よりも6時間長くビデオ再生が可能で、最大26時間楽しめるスタミナを実現しています。普段から移動しながらゲームや動画を楽しむ機会が多い人には、軽快な大画面モデルのPlusがフィットするかもしれません。

 

ゲームの観点から見ると、本体の厚さも大事なポイント。筆者も最近はiPhoneでモバイルゲームをよく遊ぶのですが、一瞬の指さばきが勝負の結果を左右するアクション系、レーシング系のゲームで勝ちを拾えるかどうかは、手にフィットしやすいか、が重要といえます。その点でiPhone 14 PlusとiPhone 14 Pro Maxの厚さを見ると0.05mm差です。しかし、実際にはカメラユニットの高さ分だけiPhone 14 Pro Maxの方が少し大きいため、iPhone 14 Plusの方が手に持つとスリムに感じられます。

 

また、もう一方の動画の観点で見ていくと、iPhone 14 ProシリーズとiPhone 14シリーズはどちらもHDR対応の映像コンテンツの表示に対応しています。ただ、ピーク輝度の表示性能には差があり、iPhone 14 Proシリーズの方がHDRで400nits、標準レンジの映像コンテンツで200nits明るいです。とはいったものの、発表会の明るい室内ではiPhone 14 Plusも遜色なく明るくキレイな映像が楽しめました。

 

ここに、AirPodsシリーズを組み合わせれば没入感豊かな立体サウンドを組み合わせた「大画面iPhoneシアター」が、Proシリーズより手頃な価格で実現するわけです。こう見ていくと、iPhone 14 Plusがかなり魅力なモデルに見えるのではないでしょうか。

↑iPhone 14シリーズは広角・超広角のダブルレンズカメラを搭載しています

 

タフなアウトドアモデル「Apple Watch Ultra」にひと目ぼれ

Apple Watchには新しくタフなアウトドア仕様のモデル「Ultra」が追加されました。価格も12万円台とハイエンドですが、従来のApple Watchと一線を画するデザインの斬新さに惹かれます。

↑Apple Watchのラインナップに初登場したタフネスモデルのApple Watch Ultra

 

ケースのサイズは49ミリと、従来の45ミリのApple Watchよりも大きくなっています。また、アウトドアで使うことを想定して、Digital Crownやサイドボタンがグローブ(手袋)を着けた状態でも押しやすいように大型化。操作系のまわりをケースで保護するデザインとしています。ケースの素材であるチタニウムは比較的軽い金属なので、日常生活でカジュアルに身に着けるスマートウォッチとしてUltraを選んでも良さそうに思いました。

 

機能面でも際立っており、Apple Watch Ultraには周波数が異なるL1波・L5波をカバーする2基のGPSを内蔵しています。都会のビル群を徒歩や走りながら移動する場合でも、より正確に自分の位置を把握できる機能を持たせました。

↑左側サイドにはアクションボタンを配置

 

↑ワークアウトの一発呼び出しなどが可能です

 

筆者はマリンスポーツはやらないのですが、Apple Watch Ultraにはダイバーをサポートする機能があります。Huish Outdoors社が開発する「Oceanic+」アプリをインストールすると、Apple Watch Ultraが水深40mまでのレクリエーショナルスキューバダイビングをサポートするダイブコンピューターになるのです。

 

なお、Apple Watch Ultraは水中に入ると自動で「水深」アプリを立ち上げて「防水ロック」を有効化します。さらに、Oceanic+アプリを開いたときにも自動で防水ロックがかかる仕様。防水ロックを有効にしている間は画面をタッチしても反応しなくなるので、水中での誤操作が防げます。ケースのスピーカー孔に浸入した水は、防水ロックを解除すると排出されます。

 

また、新しいUltraの登場とともにトレイルループ、アルパインループ、オーシャンバンドの3種類のバンドが発売されます。ちなみに、Ultraのケースサイズは49ミリですが、バンドを装着するスリットのサイズを45ミリ/44ミリのApple Watchと合わせています。過去に発売されたApple Watchバンドとの互換性も保っているので、買いそろえてきたバンドが無駄になりません。

↑エレガントなデザインを踏襲する「Apple Watch Series 8」。5万円台からで販売されます

 

ほかにも従来のナンバリングシリーズであるApple Watch Series 8には女性の健康を見守る機能や、車による衝突事故を自動で検出して緊急SOS通知を送り出す機能が充実します。ヘルスケア、フィットネスの用途だけでなく、装着するユーザーの命を守るデバイスとして、Apple Watchへの期待もさらに高りそうです。

↑エントリーモデルの第2世代「Apple Watch SE」

 

エントリーモデルのApple Watch SEは第2世代を迎えました。ヘルスケアやワークアウトについて基本的なデータ記録ができる機能を揃えながら、GPSモデルは3万7800円(税込)から購入できるコスパも魅力的。今後のApple Watchの成長を最も強く牽引する立役者になるでしょう。

 

Apple H2チップの性能を活かした「AirPods Pro」

最後にワイヤレスイヤホンのAirPods Proを紹介します。こちらは2019年10月に発売された、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載するAirPods Proシリーズの第2弾です。

↑アクティブノイズキャンセリング機能を搭載する第2世代のAirPods Pro

 

アップルの独自開発によるApple H2チップを載せて、ノイズキャンセリングの消音効果を従来の2倍に強化しています。外部音取り込みについては、ユーザーが環境音をクリアに聞けるように取り込みながら、同時にサイレンや工事現場の騒音など、大きなノイズを減衰させるという「適応型環境音除去」の機能が働きます。会場でその実力を試せなかったので、実機の感触をまた報告したいと思います。

 

ほかにも新しいAirPods ProはiPhoneの「探す」アプリから、イヤホン本体だけでなく充電ケースも探せるようになります。充電ケースに小型のスピーカーが内蔵され、バッグの奥底やソファの隙間に入り込んで、見つからなくなったAirPods Pro一式を、ビープ音をたどりながら見つけられるようになりました。

↑ケースの下側にスピーカーを搭載。「探す」アプリから検索するとビープ音が鳴ります

 

また充電ケースにストラップホールが付きます。外出時にはケースを首もとから提げたり、バッグに結びつけたりしておくとそもそも紛失する確率を減らせるかもしれません。

↑ケースにはストラップホールが付きました

 

第2世代のAirPods Proは価格が3万9800円(税込)と、他社の左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンよりもかなりハイエンドです。とはいえ、空間オーディオによる立体音楽体験と、ダイナミックヘッドトラッキングによるリアルな音の移動感を楽しめるなど、アップルならではの機能も備わっています。「最先端の進化を続けるAirPods」の魅力を考えると、本機をメインのイヤホンとして使い倒せる価値は大いにありそうです。

 

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