東京ゲームショウ2022が開催。年に一度のゲームの祭典は、SNSなどで大きな話題になった。3年ぶりに千葉県の幕張メッセでリアル開催されたことが、注目された要因のひとつだろう。

 

会場では、発売前のタイトルの試遊を楽しめることが大きな見どころになるが、展示会全体を見渡すと多くのゲーミングデバイスも並んでいる。そこでこの記事では、東京ゲームショウ2022で見たゲーミングデバイスから、今のトレンドをお届けしたい。

 

PC:コロナ禍で、カジュアルスペックなモデルが売れ筋に

会場には複数のPCメーカーが出展していたが、どのメーカー担当者も口をそろえていたのが「コロナ禍で、ゲーマーのすそ野が確実に広がった」ということだ。家で過ごす時間が増えたことにより、カジュアルにゲームをプレイする層が増えているのは間違いない。

 

あるPCメーカーの担当者によれば、ライトゲーマー向けのカジュアルスペック、具体的にはGeForce RTX 3060程度のGPUを搭載したモデルが売れ筋だという。一方、コロナ禍が長引いていることで、ライトゲーマーからコアゲーマーに移行する層も一定数現れているとのこと。ハイエンドモデルにも着実に需要が伸びているそうだ。

↑展示されていたPCはハイスペックモデルが多かった。東京ゲームショウは、ハイエンドモデルの快適さを体感できる機会でもある

 

カジュアルスペックなモデルであればデスクトップだけでなく、近年はゲーミングノートPCも数多く登場している。なかにはハイスペックに匹敵するモデルも見られる。従来、ゲーミングPCといえばデスクトップだったが、今回の展示会でさまざまなメーカー担当者に状況を聞くと「ノートPCもデスクトップも両輪で回している。どちらか一方に注力しているわけではない」という声が多かった。ノートPCとデスクトップ、各メーカーによってどちらに強みがあるかは異なるものの、市場全体としては一方に需要が偏っているというわけではなさそうだ。

↑デスクトップを用いて、ゲーミングルームを構成したような展示もあった。コアなゲーマーなら一度は夢見る、ゲームとともに暮らせる環境だ

 

スペックを追求すればするほどデスクトップのほうが有利になる。しかし、ノートPCには場所を選ばず使えるという強みを持っている。自宅内であれば好きな場所に持ち運んでゲームをプレイする楽しみ方もあるだろう。

 

また、コロナ禍でリモートワークが普及し、仕事とプライベートの垣根があいまいになったことによって、プライベートPCで仕事もこなす層も増えている。ゲーミングノートはスペックが高いゆえに、仕事で使用してもまったく問題ない。ゲーミングノートを1台所有して、趣味に仕事にと使う人もいるのだろう。

 

ディスプレイ:ハイスペック化が進み、リフレッシュレートは360Hzに到達。ゲーミングプロジェクターも

ハイスペックなものが増えているのがディスプレイ。ゲーミングディスプレイといえば、高いリフレッシュレートが求められるが、この数字が大きく上がってきているのだ。従来なら144Hzもあれば十分なスペックであったが、今回の会場では360Hz駆動のディスプレイの展示も見られた。また、4K/160Hzといったように、画質を上げながら高リフレッシュレートを維持したモデルも出展されている。

↑参考出展されていたアイ・オー・データ機器のゲーミングディスプレイ「GigaCrysta」シリーズの、4K/160Hz対応モデル。担当者によると「各社がハイエンドモデルをラインナップしているので、対抗できるように開発している」とのこと

 

また、ゲーミングプロジェクターも登場している。BenQのブースでは、スクリーンに投影された大画面でゲームを試遊できるようになっていた。最高峰の機種では、4K映像を240Hzのリフレッシュレートで映し出すという。

↑ゲーミングプロジェクターを使えば、まるでホームシアターのような環境でゲームを楽しめる

 

キーボード:静音性を求めるニーズ大

ゲーミングキーボードには、コロナ禍によるニーズの変容が大きく見られた。ゲーミングキーボードで採用されることの多いメカニカル式には、機種によって、静音性に優れるもの、打鍵感が強くタイピング音も大きいもの、その中間など、さまざまな種類がある。そのなかでも、コロナ禍で需要を拡大したのが、静音性に優れたモデルだ。

↑会場にはさまざまなゲーミングキーボードが並んでいたが、反応性・低遅延などのゲーミング向けの機能に加え、静音性をうたうものが多かった

 

人気の理由は、コロナ禍でオンラインのコミュニケーションが増えたことにある。打鍵音の大きいキーボードを使っていると、マイクがタイピング音を拾ってしまうことがあり、オンラインで会話しながらのゲームプレイ時にノイズになってしまう。

 

また先ほど述べたように、仕事とプライベートの垣根があいまいになった結果、ゲーミングキーボードを仕事で使うケースも増えている。当然、Web会議時にタイピング音が大きいと差し障りがあるため、静音性は必要な要素なのだ。

↑静音性といえば外せないのが、静電容量無接点方式のキーボード。会場で展示されていた「Real Force」シリーズは、ゲーミングモデルを大きく展開しているわけではないが、その打鍵感には特別のなものがある

 

マウス:軽量化を追求した“網目”モデルなど、尖りが目立つ

マウスは、強いコンセプトに基づいた、尖った製品が多いように感じられた。たとえば、本体を極端に軽量化するため、網目状のボディを採用したFPS用のモデルだ。FPSの重要な要素として狙いを定める「エイム」があるが、メーカー担当者によれば「軽いマウスのほうが、カーソルを瞬時に、正確に停止する動作がしやすい」のだという。

↑メッシュ仕様になっているマウス。手汗が落ちても大丈夫なように、内部の半導体は防水仕様になっている

 

ゲーミングチェア:デザイン、機能性ともに多様化が進む

「疲れにくいイス」として、ゲーマー以外の幅広いユーザーにも普及が進んでいるゲーミングチェア。プロ野球のベンチにも導入されるなど、多彩なシーンでの利用が見られている。

 

東京ゲームショウ2022でも、多数のゲーミングチェアが展示されていたが、全体的に多様化が進んでいる印象だ。デザインに凝ったもの、背面・座面をメッシュにして長時間座ったときの通気性を改善させたもの、本革を使用して高級感を演出するものなど、さまざまな製品が登場している。これも、ゲーミングチェアそのものが普及し、市場が熟成してきている証だろう。

↑家具メーカーのニトリもゲーミングチェアに参入している。写真は同社の日本代表モデル

 

↑背面・座面がメッシュになったゲーミングチェア

 

スマホ:ゲーミングスマホ・特別エディションが登場

最後にPC周辺とは少し離れるが、スマホを見ていこう。スマホは、ゲーム専用というよりも、普段使いの性質が強い。しかし、ゲーミングスマホのカテゴリも存在する。そのなかで特徴的なのが、本体内部に冷却液を流して端末の発熱を抑える、“液冷ゲーミングスマホ”・Black Sharkだろう。タッチの強さによって複数のコマンドを使い分けられるトリガーボタンを設置するなど、「ゲーム専用」といえる機能を多数搭載した同ブランドのスマホは、「ゲームができるスマホ」ではなく、「ゲームのためのスマホ」なのだ。

↑Black Sharkのブースでは、最新モデルのBlack Shark 5 Proが展示されていた

 

また、ソニーも、専用ゲーミングギアが付属した「Xperia 1 Ⅳ Gaming Edition」を展示していた。10月14日に発売するというこの商品に付属するゲーミングギアは、冷却ファンとマルチポートを備え、ハイパフォーマンスなゲームのプレイや、配信を快適にする機構を搭載しているという。開発は、プロのeスポーツプレイヤーとともに行ったそうだ。

↑Xperia 1 Ⅳ Gaming Edition。動作状況を示すデモ展示があった

 

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