人生が100年だとすると途方もなく長く感じます。長い老後に不安を感じ、若いうちから老後資金が足りるか心配する人も少なくありません。けれど老後には楽しいこともたくさん待っているようです。

 

その年にならないとわからない

多様化の時代になってきたとはいえ、年齢を節目として考える人はまだまだいます。例えば「30歳までに結婚したい」という人や、「40歳までに自宅を購入したい」という人、それから「50歳までに早期リタイアしたい」という人もいます。

 

でも、彼らはその年齢を実体験しているわけではありません。あくまでも目安として考えているだけなのです。人生は後戻りはできません。なので、私たちは過去に何があったかは知っていても、これから何が起きるかは全く知らないのです。

 

先輩の経験に学ぶ

未来の体や心の状態を知るには、先人の体験談が参考になります。筆者も以前、50代の先輩に「40代のうちにしておいたほうがいいことはありますか?」と尋ねたところ「筋トレ」と即答されました。50代近くになると想像以上に筋肉が衰えてくるので鍛えておきなさいと言うのです。

 

その時は意味がよくわからなかったのですが、サイクリングをまめにするなどして体力づくりをするようになりました。そして迎えた50代の今、駅までダッシュしても息切れしないくらいの健康体です。先輩の教えを意識して生活していたおかげだと思っています。

 

人の一生を描いた絵本

『100年の旅』(ハイケ・フォーラ・著/かんき出版・刊)は、とても壮大な絵本です。人の一生を一冊の絵本で表現されています。絵本の1ページが1年と設定されていて、ページをめくるごとに少しずつ年齢を重ねて成長していき、本の半分を過ぎると少しずつ老いていく仕組みとなっています。

 

人生の後半を読む時はつらい気持ちになってしまうのではとビクビクしていたのですが、全くそんなことはありませんでした。それどころか絵本が辿ってきた今までの歩みを振り返ることで胸が熱くなったのです。

 

未来の人生を想像する

読むだけで、老後について想像し、これからの人生にどんな状況が訪れるのかを味わうことができる。『100年の旅』はそんな素敵な絵本です。そして今後の人生への不安が少し薄れるかもしれません。なぜなら絵本では人生の後半を迎えた人が生き生きと行動し、人生を楽しんでいるからです。

 

この絵本のすごいところは、想像ではなく、実際にそれぞれの年齢の人に話を聞き、その時に発せられた言葉も散りばめているところです。なので、絵本の言葉ひとつひとつから不思議な重みや深みが放たれているのです。ページをめくると嬉しいこととつらいことが交互に起きているかのようで、まさに人生山あり谷ありだなと感心してしまいます。

 

過去と未来はつながっている

とても励まされたのは、筆者に来年訪れる52歳のページ。いまだに夢を追いかけているというようなことが書かれているのです。何歳になっても夢を持ち、そしてそれを追いかけてもいいのだと嬉しくなりました。絵本では70代で新しいチャレンジをしている人も登場しています。

 

コンパクトに1冊にまとめられた一生を眺めていると、年齢というのは突然現れるものではなく、今までの自分や未来の自分ともつながっているのだということに気づかされます。絵本では同じアイテムが何度も登場するなどして、読む側に気づきを促してくれてもいました。

 

遠く感じる80代や90代も、今の自分が変化していったものなのです。未来が今までの自分の積み重ねなのだとしたら、現実を変えることで未来も変えることができるのではないでしょうか。未来を楽しく生きたいのなら、今、この場所で精一杯楽しく生きるべきなのかもしれません。

 

 

【書籍紹介】

100年の旅

著者: ハイケ・フォーラ、ヴァレリオ・ヴィダリ
発行:かんき出版

1歳1ページ、あなたの年齢はどんな世界が見える? 大切なひとといっしょに読みたい、人生で学ぶすべてのこと。

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