「AIに奪われる職業」は以前から世界中で議論されていますが、最近ではスイスの共同研究チームが、この問題について新たに調査を行いました。

↑AIはどんな仕事を狙っている?

 

この研究を行ったのは、スイス連邦工科大学ローザンヌ校のロボット工学者とローザンヌ大学の経済学者による共同研究チーム。ロボット・AIに求められる能力や、将来それらに期待される能力がカテゴリーごとにまとめられた「ヨーロッパH2020ロボティック・マルチアニュアルロードマップ」をもとに、これまで発表されたロボットやAIに関する論文や特許などについて調べ、現在のロボットの能力がどのくらいのレベルに達しているかを判定しました。

 

さらに、アメリカ労働省が公開している職業情報データベース「O*net」から約1000種の職業について、それぞれの職種に必要なスキルを解析。これと上述のロボットの能力を照らし合わせ、それぞれの職種ごとにロボットが代替となる可能性があるかを調べました。結果は以下の通りです。

 

ロボットやAIによって消えるリスクが高い仕事

1位 食肉処理・加工業者

2位 プレス・繊維・衣服関連業者

3位 農産物の選別員

4位 清掃員

5位 用務員

 

ロボットやAIによって消えるリスクが低い仕事

1位 物理学者

2位 神経科医

3位 予防医学専門医

4位 神経心理学専門家

5位 病理医

 

研究チームによると、最もリスクの高い仕事は食肉処理や加工を行う仕事。一方で、リスクの低い仕事には物理学者や神経科医などの学者・医者のような仕事が並びました。多様な角度から物事を考えるクリティカルシンキングやクリエイティビティは、ロボットやAIにはまだあまりない能力のため、そのようなスキルを必要とする仕事はロボットに仕事を奪われるリスクは低いそうです。また教育やコミュニティに関する仕事も、リスクは低いとのこと。

 

この研究チームは、今回の研究で得たリスクのデータを一般公開しており、ここで自分の気になる職業を入力すると、ロボット化するリスクが表示されるようになっています。ウェブサイトへの入力は英語で行う必要がありますが、自分の仕事の将来がどうなるか気になった方は、サイトでチェックしてみてはいかがでしょうか?

 

【出典】Antonio Paolillo, Fabrizio Colella, Nicola Nosengo, Fabrizio Schiano, William Stewart, Davide Zambrano, Isabelle Chappuis, Rafael Lalive, Dario Floreano. (2022). How to compete with robots by assessing job automation risks and resilient alternatives. Journal Article. Science Robotics . 10.1126/scirobotics.abg5561