第2次世界大戦中に「命のビザ」でユダヤ人を救った杉原千畝(ちうね)氏を顕彰する「杉原ウィーク2017」に合わせて、岐阜県加茂郡八百津町を訪れた米国在住の杉原サバイバー、シルビア・スモーラーさん(85)が、岐阜新聞社のインタビューに応じた。

 自身が寄贈したパスポートの国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」への同町の申請について、「杉原さんを模範に、1人の人間でも判断によって世界を変えていけることを伝えていってほしい」と登録実現に期待した。

 1993年に父アレキサンダー・ハフトゥカさんのパスポートを寄贈した理由は「人道の丘公園(92年部分開園)や記念館を造る話があるが、ビザが一つもないと知人から聞き、『だったらば』と。息子も『引き出しにしまっておくよりいいよ』と賛同してくれた」と振り返った。

 同町で顕彰が続いていることには、「来やすい場所ではないのに、世界から来て、見てくれる。杉原千畝記念館の存在は大きいものと感じている」と述べ、「登録後にはもっとたくさんの人が来るでしょう」と見通しを示した。

 杉原ウィークの印象は「(小中高生が参加した)未来トークで人道的な取り組み発表が印象深かった。(杉原氏という)ヒーローを目標に活動していることが知れて感激した」と述べた。

 杉原氏の功績については4日の講演の中で、「良識ある行動は、私がここにいることを可能にした。生まれていなかった息子の命をも救ったことになる。毎日この人生に感謝している」と語った。

 スモーラーさんはポーランドの首都ワルシャワ出身。39年9月の第2次世界大戦の勃発で、両親とリトアニアに逃げた。40年7月31日、カウナスで杉原氏から日本通過ビザ(ビザリスト459番)の発給を受け、一家3人でシベリア鉄道を経て日本に入国。横浜港から米国に渡った。ニューヨーク在住の医学博士。

 杉原ビザが記された寄贈パスポートは同町が持つ唯一の真正品で、記念館では複製品を常設展示している。