太陽で起きる核融合の仕組みを利用した発電の基礎研究に取り組む自然科学研究機構・核融合科学研究所(核融研、土岐市)は9日、プラズマの温度が目標とする1億2千万度を達成した、と発表した。核融合発電の実用化に必要な条件の一つが達成され、核融研は「核融合発電を行う『核融合炉』の設計に向けた見通しを確立した」としている。

 核融合発電は、原子を構成する原子核と電子をばらばらにしたプラズマ状態を作り、原子核を融合させることで、発生する大量のエネルギーを電力に変える。

 2013年12月に軽水素を用いて9400万度超を達成。実験装置「大型ヘリカル装置(LHD)」を使い開始した重水素実験では今年3月15日に1億度を超えた。4月26日に1億2千万度を初めて観測し、7月5日の再現実験で、恒常的に1億2千万度へプラズマ温度を引き上げられることを確認した。

 実用化に必要な条件は▽プラズマ内の温度が1億2千万度以上▽原子核の数が1立方センチ当たり100兆個以上の高密度▽装置での閉じ込め時間が1秒以上―の三つを、同時に達成する必要がある。

 今回の実験では、原子核の数が1立方センチ当たり13兆個で、閉じ込め時間は0.1秒以下だった。今後は高密度化や高エネルギー粒子の挙動の解明などを進め、より高性能なプラズマの生成を目指す。

 森?友宏大型ヘリカル装置計画研究総主幹は「課題であったプラズマの高性能化を解決し、定常運転に優れた核融合炉設計へ見通しが開けた」としている。