小さな器にあふれんばかりに盛られた「ばくだんアイス」と、もなかで包んだアイス。世代を超え岐阜っ子に愛された二つのアイスが復活する。昨年末に惜しまれつつ閉店した岐阜市長良の老舗餅店の松乃屋が、18日から和菓子店ツバメヤ(同市日ノ出町)の経営で「アイスクリーム 松ノ屋」として柳ケ瀬のロイヤルビル(同町)にオープンする。16日にプレオープンがあり、ファンらが長蛇の列をつくった。  松乃屋の4代目店主だった鬼頭孝行さん(51)もスタッフとして働く。アイスは脱脂粉乳を使い、ウイスキーのショットグラスに木べらで盛り付ける製法はそのままに、ツバメヤの和菓子職人町野仁英さん(41)のプロデュースで、よりさっぱりした味わいに改良。もなかも高山産の餅米を使った「YANAGASE」の文字入りの特注品になり、柳ケ瀬の新名物として生まれ変わった。  大正末期創業で、1949年からアイスに手を広げた松乃屋。レトロな見た目が受け、夏場は行列ができるほど盛況だったが、鬼頭さんは高齢の母との営業に体力の限界を感じ、「赤字が出る前にやめよう」と昨年12月に店を閉めた。  しかし、惜しむ声は多く、ツバメヤ社長で柳ケ瀬の活性化に取り組む岡田さや加さん(44)が「老舗店がなくなるとまちの魅力も失われる。次世代に歴史をつなぎたい」と、鬼頭さんに店の“継承”を持ち掛けた。「ばくだん」は戦後の食糧不足の中、柳ケ瀬の餅店が夏場の呼び物に考案したもので、鬼頭さんは「発祥地に戻ることは意義がある」と快諾した。  路上市「サンデービルヂングマーケット」が開かれた16日、もなかアイスと無添加の新商品「やながせアイス」を販売。店は行列が絶えず、常連だった男の子は「また食べに来る」と笑顔を見せた。「アイスを守れて本当に良かった」と鬼頭さん。岡田さんは「子どもが気軽に遊びに来る店にしたい。思い出の味になってほしい」と話した。  19日以降は、月、火曜日が定休日。営業は午前11時〜午後5時。問い合わせは同店、電話058(265)1278。